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インターネット企業が小売店舗でサービス紹介・販売するときに気をつけるポイント

本ノートの内容

インターネットサービスを展開している企業が小売店舗で販売・紹介するときの注意事項を実体験ベースで記載する

本ノートの目的

インターネットサービスを展開する企業が小売販売施策で無駄な投資せず、十分に注意して準備出来るように情報共有する

あらすじ

・弊社はトイサブ!という0〜8歳向けの玩具サブスクリプションサービスを展開
・販売をしたのは丸井 溝の口店 2階メインエントランス入口という、弊社にとっては一等地の場所。丸井にはファミリー向け店舗があり、溝の口はその中でも売り上げ上位3位に入る優秀店舗

どんな施策だったか

・一週間、2月第3週に丸井店舗で複数企業と一緒に共同出店。
・目標は申し込みに設定。(大事ポイント①)
・丸井店舗イベント向けに期間限定割引を実施。

イベント期間前の準備は?

・丸井販売スタッフにサービス内容に関する勉強会を実施。(大事ポイント②)
・丸井ウェブサイトやSNSで告知。店舗近くの大型ディスプレイにも表示されていた
・期間中の店舗内展示を考え準備。(大事ポイント③)

イベント中の流れ

・自分が積極的に0〜8歳のお子さんをお持ちのご両親に声がけ、チラシ手渡し、30秒程度でサービスをピッチする。(大事ポイント④、接触)
・中にいるスタッフがお子さんの状況を見ながら、サービスの紹介を行う。当日はエポスカード所持者にはさらに割引があり、販売スタッフがエポスカードの利用とサービス加入をやんわりお勧めする。(大事ポイント⑤、紹介〜クロージング)
・中にいるスタッフが滞留している子どもたちと遊ぶ。(大事ポイント⑥)

それぞれのポイントで大事だった、反省点

大事ポイント①
・申し込みを目標に設定することは非常に難しい。難易度の高いハードルを無理に設定してしまった
・インターネットと、オフライン接客では、説明できる内容や申し込みに至るまでの体験が全く違う。認知、興味、欲求、信頼の先に申し込みがある。接客という時間と場所が限られている中であれば、申し込みの手前にコンバージョンポイントを設定する必要があるのではないか。認知なのか、興味なのか?それを計測する指標は何か。その結果を導くための導線設計はどのようなものか。
・インターネットでは、色んな比較サイトが、良いサービスに対して信用を与えてくれる。接客では、自社のサービスがいかに良いか、第三者の意見を見ない・聞かない中なので不安がある。申し込みをしていただけるのは、非常にニーズとソリューションが合致している場合だけだと感じた。
・ユーザーの検討期間は長くなっていると感じる。接客の短い時間の中で、インターネット同様の説明でその検討期間を短くするだけの簡潔でわかりやすい説明ができるか。申し込みまで、ユーザーはインターネットであれば一人で数日かけて検討する。接客の時間内でその検討期間をバイパスするのは非常に難しい。
・そもそも、小売でポップアップストア形式での申し込みは1日に10件程度ですごい!!とされている。
大事ポイント②
・販売スタッフに対するトレーニング
・目標設定次第でトレーニングは変わる。
・目標が変わると、接客にかける時間がかわる。
・接客にかける時間が変わると、最大接客可能数が変わる。
・最大接客可能数が変わると目標達成数に影響する。
・目標設定大事。
たとえば、目標までに必要な会話のロールプレイをしてみる。
何分かかるのか。例えば20分かかるとしたら、一時間に3人の接客、八時間で24名。ただそう上手くはいかない。一気に来店があったり暇になったりする。
・個人的には、小さいコンバージョンを設定して、最大接客可能数を増やしたほうが、サービスを理解していただける潜在ユーザーさんが増えるからいいのではと思う。
・目標を申し込みにしたため、接客時間は長くなり、多くの来店者さんにあまり説明できない状況になっていた気がする。
大事ポイント③
・展示の外見と導線設計
・関心を持ってもらえないと足も止めてもらえない。
・関心を持ってもらったら、より詳細がわかるような展示が必要。
 今回、この点はよくできていた。
 おかげさまで多くの子どもに遊んでいただけました
大事ポイント④
・30秒ピッチからの段階的なサービス説明
・Webサイトの開発段階で、短い文言でサービスを体現する方法はネットサービス企業は慣れているから心配ない。
・弊社なら「おもちゃのレンタルサービスです。」「お子様の月齢と成長、ご自宅の環境に合わせておもちゃを選定します」「4ー6個15000円相当をお届けします」「2ヶ月に一度交換するのが一般的な利用です」このくらいに言葉を分けて、接触できる秒数に応じて使い分ける。
・こういった文言は事前準備の段階で用意して、前線でチラシを配るスタッフに暗唱できるレベルまで覚えてもらう。大きな声でいらっしゃいませを言うのではなく、自分たちは何なのか、伝えたい人に伝えに行けるのが、接客の良いところ。
大事ポイント⑤
・紹介とクロージング
・目標によって変わる。
・前線で接触を試みる人と、紹介ークロージングする人は別にして、それぞれ特化させることで慣れさせ、トークとヒアリングを研ぎ澄ませるのが良い。前線は躊躇しないタイプ、後方は丁寧なタイプを置く。
・ロールプレイの上、最低限必要な項目を洗い出し、ベストな流れはどんな流れなのかをスタッフに教えておく。数回はロールプレイして現場に出てもらう。
大事ポイント⑥
・滞留している人への配慮
・滞留してしまっている=説明員不足が発生しているか、声をかけて欲しくない検討者の可能性あり。前者への対策は説明の簡素化と展示パネルで文字化するなどして回転率を上げる。後者への対策は展示パネルを置くなどして、人間が説明しなくても認知ができ関心が持てる準備をする。
・今回は出来ず。説明できなかった方は、残念ながら会話する前に離脱してしまった

まとめ:

・インターネットと違い、短い接客時間をどう使うか、どのように話をするのか、準備がすごく大事。訓練を集中し、熟練スタッフを作っていく必要がある。
・インターネットでも申し込みは出来るので、目標をあえて申し込みにする必要はなく、短い時間を考えたら、いかに接客した方が、家に帰ってそのサービス名で調べたくなるのかをゴールにするのが良いのでは
・お店で立って説明するのは疲れますが、自分のサービスがリアルに見えて販売されていくのを見るのは面白いから簡単に諦めたくはない


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