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『SDGs入門』 村上芽、渡辺珠子著、日本経済新聞出版社

1.本書の概要

・第1章はSDGsの概要説明。17のゴールを目指すことを成長戦略とし、169のターゲットは企業にとって取り組みを考える上での宝の山としている。そして、SDGsの理解を促し、取組みの意義を訴えることで興味を抱かせるきっかけを作っている。

・第2章はSDGsとビジネスの関係。企業の目的を「業績の向上」「人材の獲得」「資金の調達」とし、SDGsがその目的達成に貢献できるメリットを提示している。また、ESGとSDGsの位置づけを加え、取組検討のきっかけを作っている。

・第3章はSDGsに取り組むときのヒント。SDGコンパスを紹介し、PDCAサイクルを紐づけ、行動レベルの方法を提示し、取組開始のきっかけを作っている。

・第4章はSDGsに対するビジネスでの貢献。「ロジックモデル」を活用し、KPIの設定など事業活動の計画に反映させる方法を提示し、計画段階からSDGsを組み込むことを促している。第2章のビジネスとの関係を事業活動の中で具体的に説明し、納得感を与えている。

・第5章はSDGsの取組テーマの選定。日本で注目される9つのテーマに絞り、取組事例を多く紹介することで、自社での取り組み意欲を醸成し、具体的な行動へ導いている。

2.お薦めのポイント

・国連や政府が提供している「SDGコンパス」に沿った構成となっており、企業が取り組むべき進め方を丁寧に説明している。

・入門編としてはボリュームがあり、基礎からしっかりと理解度を高められる内容となっている。

・経験豊富なコンサルタントがセミナーやワークショップなどで得た意見も参考にして執筆しており、企業がSDGsを組織的に取り組む上で参考になる内容となっている。

3.お薦めしたい方

・企業のSDGs取組みを促進する自治体担当者、企業経営者、企業の牽引役、コンサルタント

鈴木 清