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SDGs上位国家を徹底リサーチ!北欧編

SDGsに取り組んでいる国が多い中で、どこの国が一番SDGsに貢献しているかはご存知ですか?

「アメリカじゃないの?」「日本はどれくらいだろう」「どこの国かわからない」とそれぞれ考えるのではないでしょうか。

そこで今回はSDGs上位国家が多い北欧について徹底リサーチ!
北欧についての基本知識をはじめ、SDGsについて、北欧全体で取り組んでいるSDGsについて詳しくご紹介いたします。

◆まずは北欧についてチェック!

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まずは北欧のSDGsについて理解する前に、北欧とは正式にどの国をさすのかについてなど基本知識を整理していきましょう。

まず、北欧は位置的な意味で使用する場合、政治的な意味で使用する場合によって指す国が異なります。

位置的な場合での北欧は、
・アイスランド
・ブリテン諸島
・スカンジナビア(スウェーデン、ノルウェー、デンマーク)
・ドイツ北部
・フィンランド
・バルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)
・ロシア北部
・グリーンランド を指します。

対して、政治的な場合での北欧は
・デンマーク
・スウェーデン
・ノルウェー
・フィンランド
・アイスランド の5カ国を指しているんです。

今回ご紹介するSDGs上位国家の北欧は、政治的な場合の北欧を指すため「デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、アイスランド」の5カ国のことだと念頭に入れておいてくださいね♪

では、なぜこの5カ国が北欧としてまとめられているのでしょうか?

5カ国の共通点は、北欧理事会(北欧閣僚理事会)に属しているということです。第二次世界大戦後に、北欧諸国の団結をはかり協力しようといった目的で設立されました北欧理事会では、SDGsについての北欧5カ国のプランやプログラムについても話し合っているのが特徴です。

【北欧ってなに?】
SDGsの場合で指す場合の北欧は、
①デンマーク
②スウェーデン
③ノルウェー
④フィンランド
⑤アイスランド の5カ国を指す。

《参考サイト》
北欧とは?まずはキホンを抑えておこう


◆世界で取り組んでいるSDGs

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北欧について整理したところで、SDGsについてもおさらいしていきましょう。

SDGsは、サスティナブル・ディベロップメント・ゴールズ(Sustainable Development Goals)の略称でエス・ディー・ジーズと呼ばれています。
日本語では「持続可能な開発目標」といった意味で使用されているのが特徴です。

SDGsは、2015年の国連サミットで採択されたことをきっかけにはじまり「2030年まで」という期限を設けているのが特徴のひとつでもあります。

「2030年までに世界がこうなっていてほしい」という理想のあり方をSDGsの目標として定め、期限も設けることで国連に加盟している国193カ国すべてが積極的に取り組んでいるんですよ。

しかし、ゴールまでの期限とゴール地点を決めていても詳しい目標がないと世界規模での統一ははかれませんよね。

そこでSDGsでは「誰も置き去りにしない世界を目指して」をテーマに、カテゴリー別に17個の目標と169個のターゲットが設置されています。

ここでは、17の目標についても目を通しておきましょう♪

《SDGsの目標》
テーマ 『誰も置き去りにしない世界』を目指して
目標1 「貧困をなくそう
あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ

目標2 「飢餓をゼロに
飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する

目標3 「
すべての人に健康と福祉を
あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する

目標4 「質の高い教育をみんなに 
すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する

目標5 「ジェンダー平等を実現しよう」
ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児のエンパワーメントを図る

目標6 「安全な水とトイレを世界中に」 
すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する

目標7 「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」
すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する

目標8 「働きがいも経済成長も」
包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する

目標9 「産業と技術革新の基盤をつくろう」
強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る

目標10 「人や国の不平等をなくそう」
各国内及び各国間の不平等を是正する

目標11 「住み続けられるまちづくりを」
包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する

目標12 「つくる責任 つかう責任
持続可能な生産消費形態を確保する

目標13 「気候変動に具体的な対策を」
気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる

目標14 「海の豊かさを守ろう」
持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する

目標15 「陸の豊かさも守ろう」
陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する

目標16 「平和と公正をすべての人に」
持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する

目標17 「パートナーシップで目標を達成しよう」
持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

SDGsではこれらの17個の目標と169個のターゲットを達成できるように、各国がそれぞれ動いているのが特徴です。

今回ご紹介する北欧だけではなく、日本も積極的に取り組んでいるんですよ。

【SDGsってなに?】
①SDGs(エスディージーズ)は、サスティナブル・ディベロップメント・ゴールズの略称。
②SDGsは世界共通の目標で、持続可能な開発目標という意味。
③2030年までというゴールまでの期限が決められている。
④SDGsにはカテゴリー別に17の目標と169個のターゲットが設置されている。

SDGsについてさらにもっと詳しく知りたい、ターゲットや目標に対してもっと掘り下げて知りたい!といった方はこちらのサイトを参考にしてみてくださいね。
SDGsの目標とターゲットまとめ!ロゴと共に紹介します
SDGsの目標1とは?貧困の現状と支援のためにすぐにできることをわかりやすく紹介!
SDGsの目標2のためにできることをわかりやすく紹介します

◆北欧の本気度は世界でもトップクラス!

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SDGsや北欧についての知識を整理したところで、北欧がSDGsにどれくらい貢献しているのかをみていきましょう。

2020年7月に国連が発表した「The Sustainable Development Goals Report 2020」の順位を参考してみましょう。

「The Sustainable Development Goals Report 2020」では、SDGsの達成度を基準に順位が出されています。

The Sustainable Development Goals Report 2020
1位:スウェーデン
2位:デンマーク
3位:フィンランド
4位:フランス
5位:ドイツ
6位:ノルウェー



17位:日本

こちらの結果からもわかるようにTOP3を北欧が占めています。
さらに6位にはノルウェーがランクイン。対して日本は17位という結果になっています。

ランキングの結果からもわかるように北欧は、SDGsに対して本気で向き合いその分結果を残しているということがわかるのではないでしょうか?

ではなぜ北欧のSDGs達成度が高いのかについて考えていきましょう。

(1)北欧は政府が協力しあって本気で取り組んでいる

まずはじめに北欧は北欧理事会を結成し、協力しているということを思い出してください。

北欧5カ国ではSDGsに本気で取り組むために、2017年9月5日に「2030世代プログラム」と呼ばれるプロジェクトを立ち上げました。
SDGsの目標達成のために北欧で協力しあおうといったことを再確認するだけではなく、2030世代と呼ばれるSDGsの目標達成のために欠かせない子どもや若年者が果たす重要な役割を強調しています。

中身には、2030世代の子どもたちや若者がSDGsの目標を達成し、理想とする持続可能な世界をつくるために積極的な努力が強調されているんです。

さらに子供や若年者にSDGsの重要性を呼びかけるだけではなく、北欧5カ国では国民のSDGsの認知度が高いのも特徴。

国民のSDGsに対する認知度が高いということは、それだけSDGsに対しての興味関心があり積極的に取り組んでいるということにつながります。

対して日本のSDGs認知度は50%未満。
こういった政府の取り組み方や本気度からもSDGsの目標達成率に影響をしているんですよ。

《参考サイト》
北欧の「2030世代」がSDGsに取り組む
ジェネレーション2030:アジェンダ2030のための北欧プログラム
北欧理事会

(2)北欧独自のエコラベルを使用

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SDGsの目標達成のために欠かせないエコな活動。
そんなエコに対しても北欧は本気で取り組んでいることがわかります。

たとえば「Nordic Swan(ノルディックスワン)」と呼ばれるエコマークがあります。
これは北欧エコラベル委員会が主体となってラベルを管理し、北欧委員会が導入した制度です。

国ごとのエコラベルは日本でもありますが、多国での共通のエコラベルというのは実は世界初!

また、北欧の意識の高さはエコラベルがあるだけではありません。
エコラベルがあってもエコラベルのものを消費しなければなんの意味もありませんよね。

しかし北欧では10人中9人がノルディックスワンのラベルを認知して、半分以上の人がエコラベルのあるものを購入しているんです。
政府の意識の高さが国民にも普及しているというのは、とてもすごいことなのではないでしょうか?

《参考サイト》
■世界の主要な環境ラベル制度(GENに加盟しているもの)

◆北欧のSDGsの取り組み例を見てみよう

では、実際に北欧でも話題になっているSDGsの取り組み例について少し見ていきましょう。

(1)デンマークでは「食品ロス」に貢献した女性が表彰されている
日本でも課題の一つだといわれている「食品ロス」
食品ロスの削減には私たち一人ひとりの行動がとても大切になりますが、デンマークでは食品ロスの削減に貢献した女性がいることで国内だけではなく世界からも注目されました。

食品ロスに対して取り組んでいる女性たちは、賞味期限表示による食品ロスの削減に成功したんです。
賞味期限が近い余剰食品をスマートフォンアプリを介して低価格で提供することで、廃棄になってしまう食品ロスをなくすことができるようになりました。
結果、5年間でデンマーク全体の食品ロスに25%削減!

食品ロスになってしまう食べ物を捨てずに、必要な人が購入できるようにしようといった考えから誕生したサービスは「食品ロス削減」に大きな効果をもたらし、デンマークだけではなくスウェーデンでも取りれられるほどなんですよ★

(2)フィンランドではCO2排出量の削減に成功

ムーミンをはじめ、かわいい雑貨で知られるフィンランドでは電力供給の90%がCO2を排出しないグリーンエネルギー。
もちろんフィンランドだけではなく、北欧ではグリーンエネルギーが主流。

ここでも日本や他の国と差が出ているのがわかりますよね。

国の電力発電をクリーンなものへと変更することで、CO2の削減に大きく貢献しSDGsの目標達成も成し遂げているんです!

◆北欧のSDGsに対する取り組みについて知りたい場合におすすめのコラム

それぞれの国ごとの取り組みなどについてもっと詳しく知りたい!といった場合におすすめのコラムもあわせてご紹介します!

SDGs上位国家の取り組み事例を紹介【フィンランド編】
SDGs上位国家の取り組み事例を紹介!【デンマーク編】
SDGsランキング1位のスウェーデンの取り組み事例とは?

こちらの3つのコラムでは、フィンランド・デンマーク・スウェーデンのSDGsに対する取り組みや取り組むにあたっての背景などが紹介されています。

国ごとの取り組みが気になる場合にはぜひ参考にしてみてくださいね☆

◆まとめ

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いかがでしたか?
北欧のSDGsに対する本気度は日本とは桁違いだということが理解できたのではないでしょうか?

もちろん国に合わせてSDGsに対してできることは異なりますが、それでも北欧のSDGsに対する本気度や国民の意識の高さを見習って私たちも行動をしていきたいですね。

日本の取り組みについて気になる方はこちらのコラムを参考にしてみてくださいね。
SDGsに向けた日本の取り組み紹介
2020年日本のSDGs達成度は17位|日本政府の取り組みを解説

《参考サイト》
Nordic Swanラベル
メディア・アドバイザリー: 持続可能な開発に関するハイレベル政治フォーラム(HLPF) 7月9日ー18日開催
世界が目指すSDGsって何?海外の取り組みと達成度ランキングTOP5!

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