見出し画像

サステナブル・レストランと認められる評価基準とは?

近年、海外のレストランにおいてサステナブルな取り組みが普及しています。その流れは日本にも広まり、続々とサステナブルな取り組みを実施するレストランが増えています。

なぜサステナブルが求められているのでしょうか?

この記事では、レストランが『サステナブルレストラン』であると評価されるための基準について考えていきたいと思います。

サステナブルとサステナビリティの違いとは?

画像2

サステナブルについて興味を持った方の多くが始めに疑問に思うこととして挙げられるのが『サステナブル』と『サステナビリティ』の違いです。どちらも、持続可能な社会を目指すことに変わりはありません。

✅持続可能とは
地球環境に配慮(=優しい)しながら継続すること。

サステナブルが形容詞に対し、サステナビリティは名詞なので、文章に合わせて使い分けるのが正しい使い方です。

✅使い方の例
・サステナブル(持続可能な):サステナブルな取り組みをする
・サステナビリティ(持続可能性):企業のサステナビリティを推進する

日本では『サステナブル』の方が認知度が高いため、メディアでは文脈を問わず『サステナブル』が使われるケースが多く見られます。

サステナブルな取り組みの目的

画像1

サステナブルな取り組みを実施する目的は、『人と地球との共存』です。

地球温暖化や森林減少、異常気象などが起きている地球環境を、今以上に悪化することを回避し、未来でも安心して人が暮らせる地球にすることを目指し世界中で取り組まれています。

サステナブルな取り組みは、2030年までの国際目標であるSDGsにも関連しており、頭文字の『S』もSustainable(サステナブル)から来たものです。

✅SDGsの非省略語
Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標

SDGsの目標は、サステナビリティに関する項目が多くを占めています。

レストランの取り組み事例|サステナブルレストランによる主な取り組みについて

画像3

①食品ロス対策
食品ロスとは、”食べられるのに捨ててしまう食材”のこと。レストランはもちろん、家庭でも取り組まれています。

農林水産省及び環境省「平成30年度推計」によると、日本における食品ロス量は600万トン。国民が毎日お茶碗一善分の食べ物を捨てているのと同程度の食材が食品ロスとなってしまっています。

食品ロスは地球温暖化や途上国における飢餓の原因のひとつ。

レストランでは、食品ロスの排出を最低限に抑えられるよう、主に以下の取り組みを実施しています。

・食材を余すところなく使用する
・お客さんの食べ残しを防ぐように少量サイズを販売
・業者と提携し、食材を肥料や飼料にリサイクル
・3010運動を呼び掛ける

✅3010運動とは
食べ残しが発生しやすい飲み会で、食品ロスを防ぐことを目的に、乾杯後30分間とお開き10分前に料理を楽しむ時間を作ることを呼びかける運動。

画像4

②サステナブルフードを採用する
サステナブルフードとは、環境に配慮した方法で生産された食材のこと。

有機栽培で育てられたオーガニック野菜や穀物、海洋環境に配慮した『MSC認証』・『ASC認証』を取得したサステナブルシーフードなどがサステナブルフードに当たります。

③インテリアやシステムの見直し
廃材を利用してヴィンテージな雰囲気を出したり、メニュー表をデジタル化したりといった取り組みも進められるようになりました。

④地産地消
多くのレストランで推進されているのが地産地消です。

地産地消は、地元で採れたものを地元で消費すること。レストランは店舗のある地域で生産された食材を積極的に料理で提供することで、地域の活性化に繋がるほか、配送によって排出されるCO2を抑制できます。

⑤未利用魚や規格外の食材などを仕入れる
市場に出ている食材は一定の規格に沿ったもので、生産・加工の過程で規格外となった食材は市場に出されずに廃棄されてしまいます。漁業においては、人気の無い魚介類やサイズ、傷のあるものは廃棄されてしまうことも。

消費者の手元に届かずに捨てられてしまう食材を仕入れ利用することもサステナブルレストランに広がっている取り組みです。

「アジアのベストレストラン50」に2018年から『サステナブルレストラン賞』が新設されました

サステナブルな取り組みは、目的こそ明確ですが、その内容については特に規定は無く、サステナブルレストランと称される基準もあいまいな状況でした。

そんな中、2010年に設立されたのがサステイナブル・レストラン協会(SRA)。

SRAはサステナブルレストランの基準を明確に定めました。

1.調達
・地産地消と旬の食材の推進
・より多くの野菜とベターミートの使用
・水産資源に配慮した魚介類の使用
・世界の農家とサプライヤーの支援

2.社会  

・従業員の公平な評価・処遇
・地域コミュニティへの支援
・健康的な食事の提供

3.環境

・エネルギー資源の有効活用
・食料の無駄をなくす
・リデュース・リユース・リサイクルの推進

(引用:フードシステムを改善しコロナ禍に立ち向かう、レストランのサステナビリティ|サステナブル・ブランド ジャパン

2018年には「一般社団法人日本サステイナブル・レストラン協会」も設立されたほか、国際的にも注目されるレストランの祭典『アジアのベストレストラン50』にておいて、『サステナブルレストラン賞』が新設されました。

サステナブルレストラン賞を初めて受賞したのは、和とフレンチを融合させたコース料理を提供する日本のフレンチレストラン『L'Effervescence(レフェルヴェンソス)』。

レフェルヴェンソスは、ミシュランガイド東京2021では三ツ星評価も獲得。

カリフォルニアのサステナブルレストラン「シェ・パニーズ」の影響を受けたとするシンプルで奥ゆかしいな料理と運営方法を取り入れ、サステナブルレストランとして高い地位を得ています。

▷『L'Effervescence』詳細◁
■住所:東京都港区西麻布2-26-4 HOWA西麻布1F
■電話番号:03-5766-9500
■営業時間:ランチ / 12:00~16:00(LO13:30)・ディナー / 18:00~23:30(LO20:00)
■定休日:不定休(月曜日を中心に月に8日)
■平均予算
[ランチ]~10,000円
[ディナー]~30,000円
■アクセス
【電車】
東京メトロ日比谷線 / 広尾駅 徒歩12分(940m)
東京メトロ銀座線 / 表参道駅 徒歩13分(970m)
東京メトロ千代田線 / 乃木坂駅 徒歩13分(1.0km)
【バス】
都営バス 渋88 南青山七 徒歩2分(89m)
都営バス 黒77 西麻布二 徒歩5分(390m)
都営バス 黒77 西麻布 徒歩6分(450m)
■関連リンク
ホームページ
Facebook
Instagram
Twitter

まとめ|サステナブルレストランに行ってみよう!

今回はサステナブルレストランについてご紹介しました。

サステナブルレストランは高級店のイメージもありますが、マクドナルドのフィレオフィッシュがサステナブルシーフードだったり、コメダ珈琲が新業態のお店『コメダイズ』をスタートするなど、意外と身近な存在です。

お気に入りのレストランがどんな取り組みでサステナビリティに貢献しているのか是非調べてみてください。

▼参考サイト
持続可能な開発目標(SDGs)とは・意味|IDEAS FOR GOOD
サステナブル・シーフードとは・意味|IDEAS FOR GOOD
MAD Academy|トップページ
サスティナブルフードを楽しめるおすすめレストランを紹介します【東京】|ノハム
サステナブルフードを取り入れているレストラン4選!|ノハム

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?