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女性を描くNHKの2つのドラマ

今年2024年の大河ドラマ「光る君へ」を毎週楽しみに見ています。
時は平安時代。のちの紫式部と藤原道長の知られざる恋をベースに、平安の世の光と闇を描き出すドラマです。
史実に沿った描写と、「源氏物語」をほうふつとさせる創作部分が絶妙に絡み合って、戦なんかなくともこんなに息をのむ展開ができるのか!と驚かされ、毎回45分があっという間に過ぎています。

主人公のまひろ(のちの紫式部)の感情を抑えた演技が素晴らしい。「お前が男であったら」と親に言われるほど優秀であっても、女性というだけで無力とみなされる現実を突きつけられたり、貧しい家柄というだけで虫けらのように扱われたり、その度に祈るように月を見つめる姿が印象的です。屈託のない笑顔を見せる一方、怒りや悲しみといった負の感情は人前には出さない。私は女だから、貧しいのだから、と口をつぐんだ表情が切ない。

もう1つ、4月から始まった朝の連続テレビ小説「虎に翼」も観始めました。
日本で初めて法曹の世界に飛び込んだ女性を基にしたもので、先日読んだ赤松良子さんの著書『男女平等への長い列』を思い出すような、道なき道を切り開いてきた女性の姿が描かれています。

「妻は無能力者」「妻の財産は夫が管理する」など、今ならびっくりするような法律があった時代。そのことに疑問を抱き、怒りを覚え、変えていくために戦うことがどれだけ「地獄」だったでしょうか。こちらの主人公の寅子は今のところ口はつぐまず「結婚は罠!!」と吠えまくっていますが。

(まだ録画を見てないのですが、第3週でも「生理が重くて大学に行けない」など、今までのドラマでは描かれなかったようなテーマが登場したみたいです。第2週でも「女子トイレが少ない」問題が描かれていました。)

Xでも、このドラマを観て「おかしな共同親権が導入されそうなタイミングでこの内容」「共同親権の法案を通したい人はこの時代に戻したいのか?」といった声も見られました。

この2つのドラマは、1000年以上前と、約100年前の日本が舞台となっていますが、その描かれる女性の心情が痛いほど分かる!共感する!という人が多くいるということは、つまりこの問題は1000年前からずっと続いていて、100年前から変えようとしてきているけど、今も完全に解決に至っていないんだ! ということを制作側が訴えているということだと思うのです。NHKさん、本腰入れてます。

1000年前から続く男女平等への長い列。赤松さん、列、めちゃめちゃ長いですよ…。


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