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認知症の人は常に”忘れる事”が不安

認知症の人は「記憶しよう」と頑張っている!!

 認知症で最も多いのが、アルツハイマー型認知症です。アルツハイマー型認知症は、脳の海馬という領域の萎縮から始まります。その海馬の働きとは、脳に入ってきた情報を一時的に保持して、必要な情報を取捨選択する部位です。
 海馬が萎縮すると短期記憶が苦手になり物忘れが増えたり、もの覚えが悪くなったりします。

 短期記憶に障害が起こると、同じことを繰り返し言ったり聞いたりが多くなります。認知症の方々は、覚えたり忘れたりしてしまうので「あのことを聞かなければ」「あの話はしただろうか」と常に不安な気持ちでいます。そのため信頼をおける周囲の人に確認せずにはいられないのです。
 つまり、何度もいったり聞いたりするのは「しっかり覚えていたい」「周囲に迷惑をかけたくない」という人として当然の気持ちの表れだと思っています。

私たち以上に記憶することを努力している

 認知症の方々は忘れす事が不安で常に記憶しなければと意識しています。中には不要な情報まで覚えようとして頭がいっぱいになることも少なくないのです。
 認知症でない人は、さほど意識せずとも必要な情報は覚えられるし、指摘されれば思い出せるので、記憶することに不便も苦手もすくないため、「何度言ったらわかるの!!」「5分前に言ったでしょう!!」と心に余裕がないとこのような対応をしてしまいがちです。

対応のポイント

◉おなじことを聞かれたときは、説明の仕方を変えると記憶として定着しやすい。
◉本人の「覚えていたい」という気持ちを尊重し、毎回、初めて伝えるように説明対応しよう。
◉「私が代わりに覚えておくから大丈夫」と言うと安心してもらえることある。
(例)
認知症者
『次のデイサービスの日はいつだったかな〜?』
介助者
『次のデイサービスの日は、明後日です。私が代わりに覚えておきますから大丈夫、安心してください。』

認知症の世界では、不安に寄り添おう

 認知症の世界では、短期記憶の障害で本人は常に不安を抱えています。その不安に寄り添うことを忘れないでください。同じ話をされた場合も、丁寧にもう一度同じ話を聞けば本人様も安心するかもしれません。ただし、介助者(家族)誰しもが常に心にゆとりを持ち続けているとは限りません。なぜなら
・自分自身の体調が良くなかったり
・家族が病気などで不安な気持ちを抱えていたり
・経済的に心配で心がギスギスしてしまったり・・・ 

もしも、このような状況で介助していたとしたら、介助者の心の声は
「もういい加減にして、どうして何度も何度も同じことを聞いてくるのよ。」となってしまうかもしれません。
 話が少し脱線してしまいましたが、認知症の人は常に「記憶しよう」「覚えていたい」と頑張っているんだと、心の片隅にとどめておいていただきたいです。


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