keino glass|winter forest《2》
Text|KIRI to RIBBON
夜の帳がしんしんと降りてきたここスクリプトリウム。keino様のガラス工房へと歩みを進めながら、頰を過る透明感ある冬の空気にガラスの透明を重ねてみます。
聖夜待つ工房では今日も繊細な作業が進められ、自然への敬愛を深めるガラス作家の営みが、稀有なる美しさで作品化されていました。
扉を開けて、一緒に入室してみましょう。
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新作のご紹介
《2》
——winter forest シリーズより——
本日ご紹介するのは、ガラスに彫刻を施して自然の風景を閉じ込めた新作6作品のうち、ステンドのないタイプの3作品となります。keino様ご自身が撮影された美を極めるお写真でお届け致します。
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森の小道のその向こう側に、鹿が少し上を向いて佇んでいる。冬芽をみつけたらしい。大いなる自然の微細な変化を瞬時にとらえる動物たち。待ち遠しい春の気配に気分も上を向いて——
樹木の生き生きとした枝振りは森の生命力そのもの。力強い幹から天を目指して上へ上へと伸ばしてゆく。ガラスに刻まれた木々の描写の素晴らしさは、人の手が作ったものであることを忘れるほど、作為なくひとつの風景としてそこに佇んでいる。
観察力や描写力以上にkeino様の自然への愛の深さが作品に豊かな生命力を与えているのでしょう。その生命力があくまでも深い静寂を纏っているところに、keino様の孤高の美学を感じます。
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自然を歩き続けてきたkeino様だからこそ捉えることのできる、自然が詠う一篇の詩。ひとときブルーに染まる森の雪景色をガラスに封印した作品が届きました。
鹿の親子でしょうか。駆ける足元から雪が舞っています。
自然光(ひとつ前の写真)では森の光景全体を見晴らし、ライト(上写真)では森の中に視線をズームして、動物たちの生態を息を潜めて観察することができます。
光を工夫することで、私たち鑑賞者が様々楽しめるような作品に仕上げられていることにも、keino様の作品への美学が宿っています。
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深いブルーが降りてくる森の中、動物たちに会える期待に胸を膨らませながら歩みを進めるkeino様のお姿が見えるかのよう。木々の間から、遠くにその姿をとらえた時の喜びの鼓動が美しく舞う雪のリズムに交差しています。
白の諧調に差し込まれたブルーが光や角度により豊かな表情を森に与えます。聖夜待つ頃、光により変化するオブジェ作品の中に、観る人だけの光の風景を見つけて頂けますように・・・
オブジェ作品はグレイのBOX入り。シックな佇まいに開封する前から胸が高鳴ります。
蓋を開けるとkeino様のカードと一緒に森の記憶を伝える一枚の葉が——オブジェに辿り着くまでの素敵な演出もお楽しみ下さい。
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昨日今日で全6作、keino様の静謐を極める《winter forest》シリーズをkeino様ご自身のお写真(クレジット付写真)にてお届け致しました。
冬の森の風景が、聖夜を迎える家々の灯りで温かく照らされますように・・・
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作家名|keino glass
作品名|winter forest 春を待ちわびて
ソーダガラス
作品サイズ|高さ8cm
制作年|2020 年(新作)
*別ショットの画像など詳細はオンラインショップに掲載しています
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作家名|keino glass
作品名|winter forest 夜の帳に・・・
ソーダガラス
作品サイズ|7.8cm
制作年|2020 年(新作)
*別ショットの画像など詳細はオンラインショップに掲載しています
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作家名|keino glass
作品名|winter forest 森をぬけて
ソーダガラス
作品サイズ|高さ8.3cm
制作年|2020 年(新作)
*別ショットの画像など詳細はオンラインショップに掲載しています
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