くるはらきみ個展《ヒルデガルト点描》|予感
新たな出会いの予感がする。
今度は、どんなヒルデガルトに出会えるだろうか。
時が止まったような静かな空間の中で、少女は一人、前を見つめている。いや、一人ではない。小さな羽根が風に運ばれて舞い上がる。その羽根はヒルデガルトにしか見えていないのかもしれない。
静けさの中に浮き上がるような心の動きが羽根となって、ヒルデガルトに寄り添うようにゆらゆらと揺れている。光は、ヒルデガルトと羽根を照らし、少女の不安を和らげ、門出を祝福しているようだ。
ヒルデガルトの瞳には迷いが