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青春短編声劇台本集

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ポッドキャスト配信中 https://anchor.fm/story-office オリジナルの短編声劇台本(短編ラジオドラマ・ボイスドラマ)作品集です。 想定尺は140秒を基本…
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#セリフ

【声劇台本】060「ツバメは自由な空を夢見るか」

ついに60本到達。次第に、少女漫画系胸キュン路線から色々な青春の形に変化しつつある作品の流れも感じていただけると面白いかと思います。 「ツバメは自由な空を夢見るか」 ■人物 久志君(17)高校2年生。 野沢さん(17)高校2年生。 ■本編 久志君のMO「ツバメのように大空をびゅーっと風を切って飛び回れたなら。このパシリの人生のしがらみから、少しは自由になれるだろうか」 野沢さん「またパシられてんの?」 久志君のMO「校舎の端の自販機で大量のペットボトルを抱えている僕

【声劇台本】057「雑魚と人魚と夏の空」

「雑魚と人魚と夏の空」 弱いけど、正義感のある男子くんと、強い強い女の子のお話です。 ■人物 修司君(16)高校1年生。 寺山さん(16)高校1年生。 ■本編 修司くんのMO「この高校で寺山さんは誰よりも泳ぐのが速い! 僕の中のダントツヒロインだ! それなのに。寺山さんを魚みたいってだってバカにして笑う同級生たちがいた。だから僕は! そいつらに殴りかかった!」 寺山さん「無茶なことしてバカみたいー」 修司くんのMO「中庭でボコボコにされ、倒れている僕を、寺山さんが校舎

【声劇台本】056「グリーン・レモン」

「グリーン・レモン」 ■人物 ちこちゃん(16)高校1年生。 誠くん(16)高校1年生。 ■本編 誠「受け取れ!」 ちこのMO「10月のうろこ雲が流れる空の下。誠くんが投げてきたのは、瑞々しい、緑色したレモンだった」 ちこ「え? レモン?」 誠「ナイスキャッチ!」 ちこ「危ないでしょ、いくらレモンだからって」 誠「お前運動神経いいから」 ちこ「そういう問題ではありません」 誠「それさ。うちのばあちゃんちから昨日届いたんだよ」 ちこ「このレモン?」 誠「そう。たくさんあ

【声劇台本】055「秘密にロックンロール」

誰にだって秘密はある!? 「秘密にロックンロール」 ■人物 愛ちゃん(16)高校1年生。 永井くん(16)高校1年生。 ■本編 愛のMO「女子高に通う私に友達の女子たちは言う。小食で女子力高いよね、とか。バイトばかりで苦労しているね、とか。でもね! どれも不正解! みんな本当の私を知らないのだ!」 愛「ライブのチケット獲れたってホント!?」 永井「まあな。なぜかまた当たった」 愛のMO「カフェで中学の同級生の永井からチケットを受け取る。またライブに行ける! ホント生

【声劇台本】054「恋扇子」

「恋扇子」 ■人物 河野さん(16)高校1年生。 持田君(16)高校1年生。 ■本編 持田君のMO「梅雨の間の珍しく雨が上がった放課後のことだった。からになった教室で、僕は君が机に忘れていった花柄の扇子を手に取っていた」 河野さん「持田君? 何してるの?」 持田君「こ、河野さん!」 河野さん「あっ。それ、私の扇子?」 持田君「い、いえ、これは僕のです!」 河野さん「河野君の? 花柄ピンク?」 持田君「はい……」 河野さん「すごい!」 持田君「え?」 河野さん「私とお揃いだ

【声劇台本】053「雨の日ファイター」

雨の日は、逆に頑張っちゃう! そんな女の子の物語。 ■人物 小松瑠璃(17)高校2年生。 滝沢真司(17)高校2年生。 ■本編 瑠璃のMO「嵐でも台風じゃないから休校にならない。そんな最悪な日は、牛乳を一気飲みして気合を入れる。皆勤賞の私にとって、このくらいの雨、どってことない! 通学は、勢いで乗り切る!」 滝沢「小林おはよ!」 瑠璃「滝沢君も、はやいね」 瑠璃のMO「教室にはまだ滝沢君しか来ていなかった。あれ? まさか休みになったとか? それともみんなズル休み!?」

【声劇台本】027「ギリで駆け込んだトイレに貞子がいた」

今日はフォロワーのdramaさんからのタイトルリクエストでお届けします声劇です! いつもより少し長めになってしまいました(笑) ■登場人物 貞夫(17)高校2年生。 万里江(17)高校2年生。 ■本編 万里江のMO「来る!? きっと来る? ううん。もう来ないな。待ち合わせ場所の東校舎の屋上に貞雄はいつまでたっても現れない。約束したのに! 告白だって期待したのに! 最低!」 貞夫のMO「その頃、俺は人生最大のピンチに襲われていた!」 貞夫「ト、トイレ……!」 貞夫のM

【声劇台本】026「あべこべ連打」

<配役> まきちゃん(16)高校1年生。 わたるくん(16)高校1年生。 ーーー本編ーーー まき「好きなら、つき合ったらいいじゃん!」 わたる「それが、わかんなくて……」 まき「はあ!? 自分以外、自分の気持ち、ほかに誰がわかるんだよ?」 わたる「でも……」 まき「曖昧な態度は告ってくれた子に失礼だ!」 わたる「本当によくわかんなくなってて……」 まき「グズグズしない! 返事してこい!」  まきのMO「そう言って君を突き放してしまったこと。実は後悔しています」 わたる「

【声劇台本】025「一人静、二人喧嘩」

おはようございます。今朝は文机さんからのリクエストで「一人静、二人喧嘩」をお送りいたします。男女の喧嘩のようなセリフのやり取りにぜひご注目ください! <配役> 佳苗ちゃん(17)高校2年生。 沙良ちゃん(17)高校2年生。 土田君(17)高校2年生。 <本編> 佳苗のMO「なんでいつも顔を合わせると喧嘩になっちゃうんだろう。君は私の言葉にいちいち反抗的で。ホント、イライラする……!」 沙良「え? また土田君と喧嘩したの?」 佳苗「まっ。土田との喧嘩は、挨拶みたいなもんだ

【声劇台本】024「サンダルとマルガリータ」

猫とぽてち。さんからのお題「サンダルとマルガリータ」ということで書いてみました。 いつもと少し変化をつけて、ちょっぴり感傷的な男子の恋の思い出物語風にしてみました。 <配役> 若い男と女 ―――本編――― 男のMO「一人の夏の夜。仕事帰りにいつものバーでマルガリータを頼む。俺はいつになったら彼女の事を忘れることができるのだろうか」    SE 海。波の音。 女「賢君! 早くしないと消えちゃうよ」 男のMO「そう言って、彼女は打ち寄せる波の合間を見計らって、細い指先

【声劇台本】023「ごめんの代わり」

<配役> まいちゃん(17)高校2年生。 梶くん(17)高校2年生。 ーーー本編ーーー まいのMO「夏休み。君と約束した花火大会は思ったよりも混んでいて、君と手が触れたりするけど、そのたびに私たちは『ごめん』って謝って、距離を取り直していた」 梶「人多いな」 まい「そ、そうだね」 梶「あっ、ごめん」 まいのMO「別になんていうことはない。いつもと変わらない距離を保てばいいのだ。学校と同じ。そう自分に言い聞かせて私は会場まで歩いた」 梶「どこにする?」 まい「見晴らしの

【声劇台本】022「赤い背表紙」

夜の本屋さんを舞台にした、キュンドラマ! <配役> 安田ちほちゃん(16)高校1年生。 相沢亮くん(16)高校1年生。 ーーー本編ーーー ちほのMO「夜の本屋さん。小説コーナーの片隅で本を読みふける君を見つけた私は知らぬフリをしてそっと近づいた。学校では見せない真剣な表情をした君がそこにいた。私はその表情に思わず引き込まれていた。君がちらりと私の方をみた。目が合ったので、私たちは軽く会釈しあった」 ちほ「あ、相沢くん。こんばんは」 相沢「安田。いま帰り?」 ちほ「うん。

【声劇台本】021「海に飛べ!」

<配役> 翔太くん(16)高校1年生 七海ちゃん(16)高校1年生。 ―――本編――― 七海「世界が変わらないなら、私が変えてやるんだ! さあ、行くよ!」 翔太のMO「そう言って、君は堤防から勢いよく海へ飛び込んだ。僕は慌てて浮き輪を探して君に投げた。全く……本当に、君の行動は予測できない!」 七海「あーっ。初夏の海は気持ちいいよー!」 翔太「危ないよ。溺れたらどうするんだよ!?」 七海「翔太がいるから心配ないよーっ!」 翔太「そこ、人を頼らない」 七海「えーっ。私がお

【声劇台本】020「忘れ物」

<配役> みどりちゃん(16)高校1年生。 たくや君(16)高校1年生。 ーーー本編ーーー みどりのMO「数学の教科書、英単語帳、世界史の便覧……憧れの君と一緒に帰れる日は、決まっていつも学校にわざと忘れものをした。教室まで戻って一緒に探してくれる君の優しさに甘えたくって……」 たくや「見つかったか?」 みどり「あっ! あった! あった!」 たくや「ホント、そそっかしいよな!」 みどり「よかった! これないと予習できないから」 たくや「帰るぞ!」 みどり「はーい!」 み