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700本の矢

うろうろとうろつく。

精神の袋小路。

結局ドアは無く、

積み木を始める。

完成した積み木を売り飛ばすために。

スピーカーからは「勝つか、負けるか」と聴こえる。

胸のヘドロをインクにして、血の通う万年筆を

動かす。アタマを掻く。

マスクが見える。

このヘドロは、定期的に排出しなければ、

心が邪悪に乗っ取られる。

眼鏡の枠が視界から消えるまで時間がかかる。

社会不適合者で、アウトローにも到底なれない自分は、

こうして日々、目の前に石を置いて

一歩づつ進むしかないのだ。

病気の症状は日によって変化する。

自分を病人だとは思っていないが、

生活に邪魔が入るのは確かである。

友人によっては

「病気じゃない」と

よくもわるくも言ってくれる。

病気じゃない。だがこの幻覚は?

非常に難しいんだ。

だから僕は、前に進むしかないのだ。

家で病人として全てを諦めて生きるか。

日々の小さなチャンスで未来への曲線の角度を少しづつ変えてゆくか。

ようは、それだけの話だ。

音楽も小説も仕事も、

とにかく未来への矢なのだ。

矢を、撃ち続けるのだ。

撃ち抜くために。実りある明日を。


梶本

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