無駄に洗練された全く無駄のない無駄な行動をする冬月コウゾウ

 冬月先生はすごい。

 漫画でも旧でも新でもNERV副司令として碇ゲンドウを完璧に補佐し、彼の目的達成に大いに貢献した。

 しかし新の彼には無駄が多い。

 ここでいう無駄とは"それをしたところでストーリーの進行に全く関係のないこと"だ。

冬月の無駄 Q

 Qでの無駄。これは将棋。
 別にシンジと話す機会を作る必要がない。
 父親の真実を息子に教える必要がない(これを教えたからシンエヴァで親子対話が実現したともいえるけど)

冬月の無駄 シンエヴァ

 ここでは無駄が多い。
①パリでの戦闘
②NHG戦
③マリへの譲渡物
 完全に無駄ではないのですが、そうする必要がないのです。

無駄な事にも理由はあるはず

将棋

 まず将棋。これは冬月なのり状況説明だったのかもしれない。
 「飛車角金は落としてやる。」

 ここでわかるのは
・合計4つの駒が盤面に欠けていること
・香車(槍)が4つあること
・王(ゲンドウ、リリンの王)と玉(カヲル、シンジの宝)の戦いであること

 香車は槍の使用権がどちらにもある事を意味しているのか、黒き月が2本の槍になることを暗に示していたのかは不明である。

NHG戦

 順番は前後するが先にこっち。
 第13号機の再起動までの時間稼ぎであり、mark9での操縦系統の掌握の布石か、パリ戦と同じヴィレを試しているのか。
 しかし結局はmark9による操縦系統の掌握による儀式への強制利用が目的なのだから、わざわざ3隻を費やす必要もない。
 エヴァ2機が離艦したのを確認してからmark9を使えば十分である。
 結局はただの時間稼ぎだったのかもしれない。

マリへの譲渡物

 冬月はマリに対して「欲しいもの」を用意し、それを渡している。
 アディショナル発生がほぼ確定している=碇ゲンドウの願いが叶うこともほぼ確定している状況である。
 何を渡すにしてもゲンドウの計画に水をさすようなものでもある。

パリでの戦闘

 NHGと譲渡物を踏まえるとパリでアレを使う理由がない。
 NHGはmark9で解決できる。
 マリに譲渡物があるならあそこでマリを危険に晒す必要がない。
 エヴァの予備パーツや改修パーツをヴィレが補充しても、ゲンドウは難なくアディショナルを発生させている。

 つまりあそこでどんな展開になろうとも「ヴィレ(ヴンダー)が南極に来る」ことは変わらないし、ゲンドウのシナリオに支障はない。
 ゼーレも既にQでシャットダウン済みだ。ゼーレへのアピールでもない。

 NHG戦とパリ戦、これら2つのやる必要のない戦闘をあえてしているのだ。
 ゲンドウの目を眩ますために。

なぜ

 なぜゲンドウの目を眩ます必要があったのか。

 理由はゲンドウの理解者であり、ゲンドウの計画をサポートしている立場だからだろう。
 だからヴィレを妨害している"フリ"をしていたのではないだろうか。それをリツコは「試されている」と評していた。
 ここで消えるならゲンドウのシナリオが完遂されるだけである。マリへの譲渡物もそれはそれ、これはこれと。

イスカリオテのマリア

 唐突に冬月がマリ言ったこの言葉、ユダ(裏切り者)とマリア(聖母)がごっちゃになったこのワード。なんやねん。

 これについて触れる前にこちら

神の手助けなしにここまできてるよ

 「知恵と意志を持つ人類は神の手助けなしにここまできてるよ、ユイさん」

 なにやらマリはユイの思惑を知っているようなセリフですね。神の手助けを前提に何か計画していたのでしょうか。

 以上のことからユイは何かしらの計画があり、マリはそれの実行係、冬月はゲンドウをサポートしつつマリの手助けもしている。
 このことからゲンドウはユイとゲンドウ両方の計画を知っていたことになります。

 そしてこのセリフの前に「2本の槍を失っても世界をありのままに戻したいという意志の力で槍が作られた」と言っているので、マリは神の手助けを借りてユイの計画を遂行しようとしていたのかも知れませんね。その行為が人類(ヴィレ)への裏切りになるはずだったのかもしれません。その結果マリがマリア(聖母)に相当するものになると。

冬月が用意したもの

 では冬月はマリに何を用意したのか。

 ここに至る前にマリは8号機をオーバーラッピング対応型に改修しているので「アダムスの器」だと考えられます。これによりマリはプラスフォーインワン状態の8+9+10+11+12号機を手に入れています。
プラスフォーインワン(+4in1)8号機に4つのアダムスの器がプラスされているってことですかね。

 これでマリはマイナス宇宙で自由な行動ができるようになったのか、+4in1の8号機でゴルゴダオブジェクトに干渉できるようになったのか、そんなことは知らん。とりあえずマリの目的の必要行動である。

冬月の本心

 以上のことから冬月はゲンドウに隠れてユイ側にいろいろ融通していることがわかります。
 だからこそのQでの将棋であり、「損な役回り」なのである。それをやっているのだから冬月の本心はユイの計画成就に傾いていたのではないだろうか。どこぞの馬の骨よりもかわいい教え子である。

 しかし結局ユイの計画がわからないのでよくわからない、旧では「人類の生きた証」としてエヴァと同化して地球圏外に飛んでいったけど、新では不明。
 ゲンドウプランが通ったら旧と同じく地球圏外へ、ユイ(マリ)プランが通ればまた違った行動したのかも知れませんが、まさかの息子プランに堪らず肩代わりをします。
 これにはLCL化した冬月先生もびっくりですね。

終わりに

 なんか書き忘れた気がしますが、冬月お疲れ様でした。あなたの教え子たちのおかげで世界がめちゃくちゃです。どうもありがとうございました。

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