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人事トラブル相談所⑦「アルバイトに対して夏季/冬季の休暇って与えないとダメなの?!~同一労働同一賃金の概念~」

 度重なる緊急事態宣言が続く中、これまで黙っていた百貨店などもあの手この手で策を練り、営業開始を仕掛けるなど民間としての力を見せ始めてますね。

東京都の小池百合子知事は会見で「高級衣料品は生活必需品に当たらない」と営業拡大の動きを牽制しつつも、色々な動きをされてイラッとされているのではないでしょうか・・・(*´Д`)

だいたい「不要不急」っていうけど、これも人により概念って変わりますよね・・・

年内に結婚相手を探したい人からすれば、ホテルのラウンジでお見合いのためにコーヒーとケーキセットを注文しながら、相手に「休日は何を?」とか「ご趣味は?!」とか聞くのも「要、急」ですからね・・・多分。

昔やっていたドラマ「やまとなでしこ」の桜子さん(松嶋菜々子)だって
明日開催される医者との合コンにいくためFENDIやDior買いまくってましたからね。

今でも語り継がれる明言の1つに・・・

「借金まみれのハンサム男と裕福な豚男、どっちが結婚して女を幸せにしてくれると思いますか?!」

ちょっと時代が合わなかったですが・・・

今いっていたら・・・確実に・・・・

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そんな話はともかくとして・・・
(ノートにおける前段のクダリって結構大事なんですよ・・・汗)

夏季休暇と冬季休暇

最近、知り合いの経営者の方から、ちょっとした相談を受けました。

「会社で働いているアルバイトから、社員は夏季と冬季の休暇があるのに、私たちには無いんですか!?」と言われた・・と。

これまで情報弱者だと思われていた人たちも、ネット検索に長けているので、恐ろしさが増した気がしますね。

少し前に書きましたけど、これもいわゆる「同一労働同一賃金」からきているものでしょうね(↓前回記事)

どうやら経営者の方は、さすがに有給まで取っているアルバイトにはこれ以上認めるのは結構厳しいものもある・・と。

これは経営者の本音でしょうね・・・・
何事も額面通りにやっていたら会社潰れますって。

とはいえ、日本郵便がフルボッコにされた最高裁判決でも夏季・冬季休暇まで「不合理」とされている流れも確かにあるので・・・

なんとも言えない感じではあったのですが、よくよく話を聞いてみると・・


この夏季と冬季の休暇・・・

別にアルバイトに付与する余地もないこととなります。


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なぜかって・・・??

それは・・・






「元々の年間休日として夏季・冬季休暇が組み込まれていたから」

仮に1年間の土日祝をいわゆる休日としている会社を前提に考えると・・

土日祝の合計120日に加え「夏季休暇4日+冬季休暇4日」ではあったが
この会社では年間休日数を「128日」としてそもそも組んで賃金算出などもしていたとのこと。

そうであれば「休暇」というものは形式上のお話で、実態は「休日」となっている。賃金とか、税金とかそういうのって、名称とかではなくて実態で見るのが筋なので、これも同じ理屈にしちゃいましょう。

休日と休暇については、こちらで確認を。

考察

ということで、同一労働同一賃金の土俵に乗せずに迂回ルートを使えば
そもそも議論する余地がないという着地でよろしいのではないでしょうか。。(休暇や手当の扱いで裁判になってるものはありますが、そもそも休日の部分で争った事例はみたことないですからね)

今回はたまたまそうなっていたからじゃないか?!とツッコミが入るかもしれませんが・・・

仮に休日数は土日祝合計120日で「夏季休暇4日+冬季休暇4日」という形になっていたなら、休暇の8日分を削って、年間休日数を8日増やして、その8日分を「夏季」「冬季」に充てて、実態と形式を変えちゃえばいいんじゃないですかね?

旧:休日数120日+夏季4日+冬季4日
新:休日数128日(夏季と冬季として形式上4日ずつとれるようにする)

だって、正社員側からみれば、これまで120日だった休日数が8日増えることに不利益なんかありませんから。
(賃金単価だけは少し変わるので注意ですが)

どうせ休暇っていっても、みんな取るんだし、あえて同一労働同一賃金の土俵に乗せて刺されるリスクがあるなら、概念を根底から変えちゃえば良いんじゃないの・・・・と。

おまけ

冒頭で述べた小池都知事の「高級衣料品は生活必需品に当たらない」というものに対して百貨店がとっている施策とちょっと似てませんかね・・・?!

売上高日本一を誇る伊勢丹新宿本店はきょう15日、営業フロアを大幅に拡大してオープンした。
売り場の大部分を占める衣料品など実質的な営業再開だが、ショーウインドーのシャッターは下ろしたままで、正面玄関も閉じている。
掲示板やデジタルサイネージも「臨時休業」を前面に出したままだ。
あくまで都の休業要請から除外される「生活必需品」の範疇を広げたという体裁をとる。


「生活必需品」っていう概念と「休日」っていう概念・・・・が。


最後に・・・


アルバイトの待遇を下げようとか、無下にしよう。ということではなくて、
争う火種になりえるなら、はじめからそうならないようにしておくことも会社として、人事としての優しさではないでしょうか。。。



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