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Development through Sport (スポーツを通じた開発)ー目的は何?ー

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週1コラムをご覧いただきありがとうございます。S.C.P. Japanの野口です。私たちは「ひとりひとりが自分らしく歩んでいける未来を創る」を団体のビジョンとして掲げていますが、このビジョンの達成のための「スポーツの役割」を模索しながら活動をしている団体です。

スポーツの強みが発揮される部分と逆にスポーツでは良くない部分を見極め、異なる強みを持つ方々とどう連携してこのビジョンを目指したらいいか。

そんなことを日々考えながら活動しています。

「スポーツ」と「開発」

先日こんなツイートをしました。

これは、大阪大学の岡田千あき氏が「スポーツ」と「開発」の関係性について整理した分類です。(詳細は「スポーツと国際協力:スポーツに秘められた豊かな可能性」の第3章をご覧ください)

Development through Sport (スポーツを通じた開発)

「スポーツを通じた社会課題の解決」という言葉を良く聞くようになりました。「社会課題」や「グローバルイシュー」に対し、スポーツを通じて取り組むことをDevelopment through Sport (スポーツを通じた開発)と言い、2000年頃から国連を中心に議論が高まりました。持続可能な開発目標(SDGs)の前身であるミレニアム開発目標(MDGs)に貢献しうるスポーツの役割が議論され、現在にも続いています。

Development through Sport (スポーツを通じた開発)に従事する上で、私たちが中心に据えていることは「目的」と「手段」を混合しないことです。Development through Sport は「社会課題の解決」が目的で「スポーツ」は手段です。本当にその社会課題に向き合った結果、ツールとして「スポーツ」が相応しくないという判断になれば身を引く覚悟が必要です。スポーツを維持継続させることが目的ではないからです。そのため、開発におけるスポーツの正負の影響を考える「Development and Sport (開発とスポーツ)」の考え方も重要になります。

また、スポーツをツールとすることの限界も認識しなければなりません。スポーツだけで不平等が是正されることも、飢餓がなくなることも、差別がなくなることも、戦争や紛争がなくなることもありません。それぞれの分野にはそれぞれの分野の専門家がいて、様々な理論的な枠組を応用しながら根深く複雑な課題に日々向き合い実践が繰り返されています。各分野の専門家としっかりと対話しながら、新しい手法としてスポーツを取り入れることでどんな効果が生まれるのか。モニタリングと評価を繰り返すことが大切です。

Development through Sport(スポーツを通じた開発)とは

スポーツの価値を新たに拡大していくことなのか?

それとも

スポーツに内在する価値やリスクが社会課題に対してどの部分でどう働くのかを紐解き、適切なスポーツの活用方法を考えていくことなのか?

研究者の中でも、実践家の中でもポジションは分かれると思いますが、私たちS.C.P. Japanは後者にポジションを取りながら活動している団体です。

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