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自宅に怒鳴り込み事件

今日はいつもより長文になるので、
コーヒーでも飲みながら読んでいただきたい。
そして臨場感を持って、その場を想像しながら読んでいただけると面白いかもしれない。



管理会社に通報後、しばらく大人しかったペテ子だが、
もちろん、その後もしばらくすると何事もなかったかのように
ベランダ外側通路に出入りするようになった。


もう何度言っても無駄な奴。と思い、
放置して気にしないようにしていたある日。


私が夕方、仕事から帰ってくると、
いつもは朝来ている、入浴介助の車が駐車場に停まっていた。


しかし、その場所は他の住民の方の駐車場で、
その車のせいで停められないので、住民の方は他の場所に停めている。


これはさすがにダメでしょ。と思い、
入浴介助の一人に声をかけた。


「あの、ここ人住んでますよ?ここに停められないから、
あそこに住民の方の車停まってますけど」


すると、
「そうなんですか!?すいません!」
と言って、隣の部屋に消えていった。


数分後、入浴介助の人たちが帰り、
お風呂の準備をしていると、
隣のドアが激しく閉まる音がした。


ペテ子がクルーーーーーーー!!!!!!!(笑)


瞬時に察してしまった。
ペテ子がキレて家に来ることを!!!


ピンポーン。


キャーッ!(笑)

キターーーーー!!!!!



インターフォン越しに返事をした。

サソリ「はい」

ペテ子「今業者の人から言われたけど、クレーマーみたいなことするのやめてくれます!?私がやることが気にくわないのか知らないけど、いちいちクレーマーみたいなことするのやめてもらえませんか?迷惑なんですけど!!!」

サソリ「は?」

どの口が言うのだろう?
自分がクレーマーという自覚がまさかないとは。

しばし返事もせずに、モニター越しに聞いていた。

まくしたてるように大声で喋っているので、インターフォンを消さずに、そのままインターフォンに向かって喋っていただき、

私はそっと玄関へ向かい、
ペテ子がワーワー騒いでるさ中、勢いよく玄関のドアを開けた。


ペテ子(ビクッ!!)

私「何?」

冷静に聞く私。

ペテ子「あ・・・え・・・さっき業者の人から聞いて・・・。
クレーマーみたいなことするのやめてくれます!?」

何度も耳に髪をかけながら、一生懸命虚勢を張ってくるペテ子。

手が震えている。
怒り過ぎなのかビビっているのか。
はたまた病気が関係しているのか。

サソリ「は?言った通りですけど。そこの住人の人の車が停められなくて、あそこに車停めてるから、そこ人住んでるから、停めない方がいいですよ。って言っただけだけど」

ペテ子「え?そんなこと業者の人言ってなかった・・・。」

サソリ「私は言った。あそこに車停まってるって。見ればわかるじゃん。停まってるでしょ」

ペテ子「そこは業者の人言ってなかった。ここに停めるなって言われたって言ってたから。」

サソリ「そうじゃない。本来停めるべき人が停められないのおかしいでしょ。あそこにこの人の車停まってんじゃん」

ペテ子「メガネしてないから見えない・・・それならすいませんでした」

サソリ「私に謝られてもね。迷惑かけた人に謝ってください」

そこで終わる思いきや、

ペテ子「とにかくクレーマーみたいなことやめてくれます?大家さんの許可得てるんで。」


サソリ「ここって、人の駐車場に?」

ペテ子「ここって言うか・・・あっちの空いてるところとか。お宅もお母さんだか彼氏だか知らんけど、よく停めてるじゃないですか!」

サソリ「人の駐車場には停めてないですよ」

ペテ子「停めてます」


サソリ「人の駐車場には停めません。空いてるスペースに停めてるから」

ペテ子「まぁ、停める所ないから仕方ないけど・・・。
それに、裏のことも管理会社に言って、クレーマーみたいなことやめてください!」

サソリ「は?裏って何?何の話?」


本当に何の話かわからなくて聞き返した。

ペテ子「ベランダで犬の糞するとか、管理会社に言いましたよね!?」

あ~それか。
いつの話だよ。忘れてたわ。

サソリ「知らん。何それ。私じゃないし。」

ペテ子「え・・・すいません。それじゃ人違いです」


何を言っても私に論破されるので、
段々威勢の良かったキンキン声が小さくなっていく。


普段、散々キレ散らかしているが、みんな平謝りして、
あいつにキレる人なんてそうそういないから(相手が客商売なので)

正論をぶつけられて論破されてしまうことがほとんどないのか、
みんな謝って帰っていく。

今回はその逆パターンがペテ子に起きたわけだ。


来るときは、玄関の扉を勢いよく閉めていたペテ子だが、
帰りは、玄関の扉を静かに閉めていた。


ベランダ通報の犯人は、私だよ―――ん!!


バーカバーカ!と思ってたが、
超ポーカーフェイスで知らん顔していた。


そしてしばらくペテ子は超絶大人しかった。
私の姿が見えると姿を消すか見ないようにしていた。

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