ペテ子の猛攻に軽バン空気と化す
生気を失った軽バン男。
とぼとぼと歩く姿を、私はカーテンの隙間から覗いていた。
何が・・・一体何があったというのか。
いつものガサツさが微塵も感じられない。
サソリのいけないところは、こういうところでニヤニヤが抑えきれないところだ。
そして、軽バンが部屋に入ってしばらくすると、
ペテ子の怒鳴り声が聞こえて来た。
キタキタキタキタキタ―――!!!
ペテ子のキレ散らかし祭きましたー!!!
ルンルン♪
最低だと思うが、ペテ子に関することにはいつもこれだ。
ベランダの窓際で立て膝状態でスタンバイ。
サソリはニヤニヤが止まらない。
もちろん、ペテ子じゃなければこんな感情にはならない。
そこまで酷いヤツではない。
こんなやつ地獄に落ちろ。と思いながら過ごしているので、こんな感情になってしまう。
ペテ子、かなり怒っている。
録音していなかったのが残念だが、思い出せる限り書こうと思う。
「お前みたいなやつはダメだわ!
私が知ってる〇〇(職業)の社長はな、気遣いもできて良い人だったわ!私が知ってる〇〇やってる人はもっといい人だけどな!
お前はなんだよ!こうも違うのか!!
会社経営してるかなんか知らんけど✕〇※◇△~~~!!!!!」
いつも怒っているせいか思ったより内容を覚えていなかった。クソ。
しかしすごい剣幕だった。
何で録音しなかったんだろう?と思うくらい、
かなり長い時間ペテ子はキレ散らかしていてネタだらけだったのに。
もったいないことをした。
ほぼ、人間否定。という感じで文句を言い続けていた。
その間、あの声デカガサツ男は黙って聞いていた。
来ないと嫁にばらすぞ!とでも言われたんだろうか。
暴れればいいのに…。
と思うくらい、静かすぎてつまらなかった。
鬼だな、私。
そして、その翌日だったか
早速軽バンの男は、ペテ子宅に来るようになっていた。
ペテ子の猛攻に折れてしまったようだ。
見掛け倒しの男だった。
数日の間、軽バンは静かにペテ子に従っていたようだった。
しかし、軽バンの大人しさもほんの数日で、だんだん素が出てくるようになった。
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