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【マンガ感想】読切のシュールレアリスムとか【41/22年週刊少年ジャンプ】

ギンカとリューナが新連載です。非常にマンガが上手くて期待ありません。
技術だけでも生き残れるわけでは無いですけど、良い勝負が出来そうです。
そして読切の大いなる散歩が最高のシュールレアリスムでした。こういうマンガどんどんやって欲しいです。
皆さんも読んでみてください。

星5個くらいを満点としてざっくり評価。
星1:下手い。
星2:悪くはない。このレベルなら満足。
星3:良い。このレベルなら嬉しい。
星4:非常に上手い。
星5:神。

ギンカとリューナ(1話)-★★★★★

新連載表紙&巻頭カラー。
カラーで魔法とファンタジーがすぐに分かる良いカラーでした。
雪だるまも女の子も可愛いです。女の子はハツラツとして元気さや天真爛漫さを感じるキャラデザです。

異種族コンビのファンタジーマンガです。
実質ドロンドロロンです。

嘘です。


序盤のギンカとリューナの出会いの後、修行をすっ飛ばしてこの描写です。

渡辺シンペイ「ギンカとリューナ」(「週刊少年ジャンプ」41号、集英社、2022年)46頁。

浮きも沈みもしない、寒さも呼吸も克服した様子です。
そしてそれを当然の事として、日常になっている様を描写しました。

近年の流行りに沿っていて素晴らしいですね。
努力する気持ちと努力した結果を描写すれば、読者は納得できます。努力そのものは必要ないんですよね。
序盤の展開を加速させる良い選択だと思います。

さらに全く別の事を考える描写によって、考え事のストーリを進めながら、修行の成果を表せています。
修行の成果には一文字も使っていないんですよね。
文字を減らす事って難しいんですけど、すごく自然に出来ています。


そして、ギンカの抱える問題をリューナが解決して、旅立ちです。
その際に、派手なバトルも盛り込みました。
最後に2人の旅の目的【ギンカの身体を取り戻す】もしっかりと明示しています。

そしてギンカのツノです。
実質ルリドラゴンです。

嘘です。


感想

粗が無いです。どこを見ても高いレベルで達成しています。
これまで連載経験の無い先生とは思えないです。

とんでもない作家が現れましたね。

キャラクタが上手なだけでなく、動きの描写も分かりやすいです。
シリアスな背景を入れて物語に奥行きを出しつつ、可愛いキャラクタで読みやすくしています。

気になるのは、これからどっちの方向に進んでいくのかです。
バトルものにするのか、二人の日常・旅マンガ路線なのか。
相の子という事もありそうですが、旅の目的を考えるとバトルは避けて通れないでしょうね。
そのバランス調整が上手くいくかが今後の注目ポイントでしょうかね。

期待感の高まる最高の第一話だったと思います。
ご祝儀の星5。


ワンピース(1059話) -★★★

尾田栄一郎「ワンピース」(「週刊少年ジャンプ」41号、集英社、2022年)88, 89頁。

このページの構図スゴイ。
尾田先生らしくって、たくさんの要素を詰め込んでいるのに黒ひげとハンコック、コビーの3人に注目出来るようになっています。
黒ひげのキャラデザが黒いからだと思いますが、コントラストの調整が上手いです。

これとレイリーさんが格好良かったので星3。


呪術廻戦(197話)-★★

相撲を取って覚醒した真希さん。
即席のコンビネーションで斬りました。
直哉第三形態へ。

最後は人型になるんですね。蛾とかそっちかと思いました。


大東京鬼嫁伝(2話) -★★★★

センターカラー。まさかの昼寝。しかも一人で。

仲間只一「大東京鬼嫁伝」(「週刊少年ジャンプ」41号、集英社、2022年)119頁。

これは予想外でした。
てっきり女の子を前面に押し出してくるかと思いましたが、主人公一人です。
しかし日差しの表現が良いですね。雰囲気もある良いカラーです。

内容は朝からドタバタしてバイトへ。
喫茶店の接客をする鬼。

仲間只一「大東京鬼嫁伝」(「週刊少年ジャンプ」41号、集英社、2022年)132頁。

第一話から引き続き立ち絵を入れて大きくキャラクタを描く意識がありますね。素晴らしいです。
さらに下段のコマ「今!?」の表情めっちゃ面白いですねwww

このコマももっと大きく描いても良かったかもしれません。
とは言え第二話でやる事が多いので致し方無し。
小さくてもこういうギャグは面白いので色々入れて欲しいですね。
というか吉橋さん良いキャラすぎる。

そんなお世話になっている吉橋のバッグを盗った犯人を捕まえるようです。
次回は動きのある描写もありそうですね。

今回特に良かったのは、しっかりと主人公が動く動機を描写している点。
吉橋さんが良い人で、お世話になっていて、あの人の思い出の品を取り戻したいという感情です。
多くの読者も同じ気持ちになったでしょうし、お金を稼ぐために来た主人公がお金にならない行為をするのも自然な理由付けでした。

こういう動機をしっかり作って色々な面倒ごとに巻き込まれていく話でしょうかね。
第一話の時点よりも作品への期待が大きくなりました。
良き。


サカモトデイズ(86話)-★★★

タイトル「三流の流儀」
三流まで下げるんですね。
シンたちは二流くらいの位置にいるのかと勝手に思ってました。

そして佐藤田先生強すぎやろw
殴られても効いていないってぶっ飛んでて良かったです。

昌ちゃんの感じる崖を飛び越えるシンが格好良かったです。


アオのハコ(68話) -★★★

菖蒲ちゃん。
彼女の目的は遊佐くんだったみたいです。そう来たか。
そして大喜に色々教えてもらいます。

距離が近くなると現れる千夏先輩。
虫が苦手でも二人の間に入るためなら戦えると。

先週、間女路線は無さそうという話を書きましたけど、千夏先輩とか周囲に勘違いされやすいキャラクタを上手く使っていく感じでしょうかね。
そして、大喜の恋愛観の成長を促すキャラクタとなりそうです。

三浦糀「アオのハコ」(「週刊少年ジャンプ」41号、集英社、2022年)181頁。

三浦先生のバランス感覚に期待。


あかね噺(29話)-★★

センターカラー。次にくるマンガ大賞3位だそうです。
流石です。
その位面白いです。末永先生なら落語でなくとも出来ると思いますが、落語・あかねだからこその良さもこれからドンドン感じられると良いですね。

もう一人の兄弟子。まいけるさん。
独特なキャラクタでした。これからどういう風に使っていくんでしょうね。
オーソドックスなのは、酒飲みのキャラ立てをした後に努力の人だと持ち上げる展開でしょうか。

終止先生がちょっとズレているのが気になりました。私の誤読でしょうか。


逃げ上手の若君(77話) -★★

割と雰囲気で読んでいるので細かい話は分かりませんが、面白かったです。

というかもう敵前というスピード感がすごい。
油断するとすぐ面白くなりますね。


アンデッドアンラック(126話) -★

風子とアンディのお別れ。
思ったより急かされあっさりでした。
バトルの方をあっさりにしてもらいたいです。


夜桜さんちの大作戦(145話) -★

センターカラー。15夜。

嫌五の師匠。


ウィッチウォッチ(76話)-★★★

「モイちゃんのデニム道Ⅱ」

デニムを育てる話。面白かったです。
デニム回一回目よりも面白かったです。癖になるしつこさ。


ブラッククローバー(337話)-★

アスタは絶対死んでない!!
知ってた


僕とロボコ(104話)-★★

モテ回。幸せな世界。


マッシュル(123話) -★★★

ドットくんは戦闘民族でした。勝利。
ランスも生きていました。

格好良かったのでヨシ!


高校生家族(101話)-★

生徒会長選挙。


大いなる散歩(読切) -★★★★

特大シュールレアリスム。

ゾンビと人間性の話なんだけど、終始下ネタを言うゾンビと助けたい主人公。
しかし、最も気になる首輪については説明されないし、誰も聞かない。
下ネタに引っ張られてスゴイ勢いで流れていく話。
散歩されているのは主人公。

こういうシュールレアリスム好きです。
というか高校生家族がやりたい話じゃないのか。

鈴木陸士「大いなる散歩」(「週刊少年ジャンプ」41号、集英社、2022年)392頁。

一つ気になったのはこのコマ。銃の弾丸と首輪の二つが描かれている構図についてです。
これは銃の軌跡に沿って描いた方が分かりやすかった気がしました。
横に首輪が描かれている方が良さそうです。

次のページの銃を握った女の子と主人公のケツを向けて友達を庇うコマももう少し書き方がありそうです。
遠近感がおかしくて誤魔化すために真ん中に吹き出しがあります。
今のままでも成立はしていますけどね。

素晴らしい読切でした。


PPPPPP(48話)-★

ソラチカの演奏。
特大コマと少しの文字。
PPPらしい一話だったと思います。


エイリアンズ・エリア(14話)-★

組織と行動の葛藤。
動きたいのに動けない。

現実路線の事情により、犯人には逃げられました。
これは、キツイですね。

実際そう、とは思うんです。
でも、これマンガなんですよねぇ。
しかも読むのは少年もしくは少年向けを期待する大人です。

こういう話自体はスキなんですけど、少年誌のこの順位では難しいですよね。
これを溜め回として昇華して、スカッとする展開に期待です。


すごいスマホ(18話)-★

良く分からない舌戦。ぺらぺらと自分の事をしゃべってくれたので仲間になりました。


目次コメント

・あかね噺(馬上先生)

今週のカラーの元ネタはブレックファストクラブという映画です!大好きです!

全然知りませんでした。
googleで検索してみると確かに。
なんかオシャレですね。定期的にやって欲しいです。


さいごに

新連載2作目も良かったですね。
ここで思ったのは女性キャラがめっちゃ大事だという事。

ルリドラゴンの勢いやあかね噺のファン獲得に一役買っていそうです。
少し前ならタコピーも女性キャラクタが中心に居ましたし、フリーレンなどもそうですね。
少年マンガと言えど女性キャラクタが生きているように描けることが重要でしょう。
特にヒロインとして記号的な女性キャラクタは重要では無くなってきているとも言えそうです。呪術、サカモト、マッシュルと女性キャラクタをヒロインとして簡単に描く事を避けているようにも感じます。
そういう時代なのかもしれませんね。
ジャンプのマンガの半分以上が女性主人公という未来もみてみたい気がします。これは特定の主張ではなく、読者が選んだ未来がそうであったら興味深いな、という妄想ですが。

ともかく新連載2作には期待です。
今週も最後まで読んで頂きありがとうございました!


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