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頂き物のスイカを競うように食べた、肌寒い夜

5月の果物と言ったらいちごやさくらんぼだろうか。びわを売っている店も最近見た。そんな季節に、大きなスイカを送ってもらった。

送ったよーというメッセージは見ていたが、実際に届いた大きさを見て驚いた。5月にこんな立派な大玉スイカができるなんて。

熊本産らしい。調べてみると熊本はすいかの生産量が日本一で、「春すいか」と呼ばれるものは今頃が旬なんだとか。さすがに南国でもハウス栽培だろうか。日本は広い。

私の家では、すいかは高級品に属する。うちで買って食べるのは真夏に2回ぐらい、しかも「小玉すいか」である。春のこの時期に、余裕で5キロ以上ある大きなすいかが届くなんてちょっとしたお祭りのようだ。子どもたちが競い合うようにどんどんと食べていった。

それを見て、今週末にゆっくり味わうつもりだった私も作戦変更を強いられた。その前になくなってしまうのは確実だったからだ。朝はちょっと気分が違ったから、夜、仕事から帰ったところで食べることにした。

楽しみに家路についた一昨日の夜は、上着がないと寒いぐらい気温が下がった。5月なのに翌朝の最低気温は10度ぐらいまで冷え込む予報だった。冷たい風に吹かれ、体を温めるため軽く走りながら帰るほどだった。

家に着き、冷蔵庫を開けると残りのすいかは2切れ。私に取っておいてくれたのだろう。ありがたく食べることにした。

長袖のフリースを着て「寒っ!」とか言いながらたべるすいかは、扇風機をかけながら冷やした麦茶とともに食べる真夏のそれとはずいぶん雰囲気が違う気がした。でもおいしかった。

春すいかという呼び名と産地としての熊本は、私の心にも刻まれたし、子どもたちの記憶にもしっかり残るはずだ。




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