ランニング

休日、子どもが家でゴロゴロしてるときはランニングに行こうと誘うことがある。「え~」とイヤそうな声を出すけど、大抵はまだ一緒に来てくれる。この1,2年ほど、一緒に走るときにぼくは「いつ抜かれるんだろう」と思いながら走っている。簡単には抜かれないように、ちょっとしたトレーニングをしたりしつつ、一方で子どもの方が速くなる日が来るのを楽しみにしてるという、フクザツな気持ちだ。

昨年の秋、1~2キロの距離を子どもと本気で走る機会が2回あった。一度はほんの数秒差で僕が早くゴールしたけど、その2か月後にあったもう一回は、中盤でスッと前に出て先に進んでいく子どもにぼくはついていくことができなかった。そのとき、この距離はもう子どもの方が速いなと実感した。

そして冬になり、普段子どもと走るときには5キロほどのコースを行くようになった。いつもちょっとかったるそうに、途中から疲れた~という感じで少しスピードを緩めたりしているので、大抵いつもはぼくの方が先に走り終えていた。でも一番最近のランニングでは、まったく手加減せずに走っているぼくにぴったりついてきた。会話はせずとも一緒に走れるのがうれしくて、きょうはちょっとやる気がありそうだなと見て取ったぼくは、普段自分が1人で走るとき以上に速いペースで進んだ。それでも足音がすぐ後ろに聞こえる。そしてあと1キロぐらいになったとき、子どもがスッと前に出た。

そこからの最終盤は結構な登り坂が続いていく。ぼくはたまに山道も走るので登りは嫌いじゃないんだけど、それでもついていくことができなかった。荒い呼吸で何とか坂を上っていくぼくの前で、さほど疲れた様子も見せずにスイスイと進んでいく。あの軽やかな走りは、ぼくにはとても真似できない。もう、5キロの距離でも子どもの方が速くなったんだな~と、ぼくはその後ろ姿をみながら感慨深く思った。

「オトーサン遅いな」と思っただろうか、それとも「結構歳なのに頑張ってんじゃん」と思ってくれただろうか。それはわからないけど、子どもの方が速くなってもぼくは一緒に走りたい。それに、これからは下の子と走る機会も増やしていきたい。子どもたちが大人になったとき、5キロでも10キロでも一緒にランニングの大会に出られたらいいな、とぼくは思ってる。そのためには、体力維持と体のメンテナンスをしっかりと続けなくては。

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