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演劇集団キャラメルボックスのファンをしててうれしかったこと

【2021.6.追記】今年12月の活動再開が決まりました!!!うれしい ありがとうございます おかえりなさい公演はサンタクロースが歌ってくれたです 2010年の再々々演を観ていました うれしい 何年か越しにクリスマスが来る気がします うれしい(追記おわり)

【2021.9追記】トリツカレ男の……再々演が……決まりました……!演劇集団キャラメルボックスではなくナッポスユナイテッドの公演なので正確には再々演ではないですが、成井さん演出で初演に出演されていたキャラメルボックスの団員さんもいらして、なんかもう、実質ほぼ再々演です!(勝手に)昨日発券してきました。うれしいです。10月16日からはじまります。是非に……!(追記の追記おわり)


卒業式やライブやお芝居やイベントの自粛ムードが続いていて、ちょっとおなかが痛いので、すきな劇団の話をします。

「演劇集団キャラメルボックス」という団体の人たちが好きです。

お芝居を観ない人にはあんまりメジャーじゃないかもしれないけど、お芝居のフライヤーをもらう文化があったり、演劇部に入っていたことがあったりしたひとには「あ、キャラメルね」って感じの、そういう規模感の劇団さんのように思います(パワーバランスとかに詳しくないので違ったらごめん)

中学2年生か3年生のとき、むちゃくちゃ弱小の、「演劇部」ですらない「演劇同好会」の、国語の先生だからという理由で任じられてしまった気の毒な演劇未経験の顧問の先生のところに、キャラメルボックスからのDMが届きました。まだ先輩がいたから中2な気がしてきた。13歳かな。

「演劇部の中学生や高校生、1000円で観においで」っていうどこかオープンなやさしいハガキです。
お芝居のチケットって、小劇場で大体2500~4000円くらい、もう少し大きくなると6000~8000円くらい、有名どころになると1万円~くらい(座席とか演者さんにももちろんよるけど)という感覚なので、いくら学生優待っていったって1000円はちょっとバカです。交通費の方が高かったもん。もっとお金とってよ。

もちろん「1000円の1回目」のご相伴に預かった中学生がいつか「定価でフラっと劇場に足を運ぶ」大人になることへの投資だと言ってしまえばそれまでなんですが、(私です)
それよりなんか、あったかいんですよね、キャラメルボックス。
「いいから観においで」ってかんじの。

当時の私は単に目立ちたがりで、同好会に入ってはいたけどいわゆる「ちゃんとしたお芝居」は観たことがなくて、本は読むし映画も見るけどお芝居は知らなかった。
もちろん恥ずかしながら劇団の名前なんか四季くらいしか知らなくて、DM来たけどどうする?って顧問に言われた時も(それくらいのお金だったら出せるかな)とか考えてるくらいでした。

それで、うまれてはじめて自分でチケットを買って劇場で観たお芝居が「トリツカレ男」の初演です。

びっくりした、すごい号泣して帰ってきたような気がします、中学2年生。
泣いて帰ってきたけど、多幸感がすごくて、サンシャイン劇場の2階の下手側の席からすごく拍手をしました。
はじめての観劇だったっていうブーストももちろんあるとは思うけど、やっぱり今までみた中でいちばん好きなお芝居だと思います。再演もほんとにうれしかった。

すきな台詞の話とかって、一生できてしまうので楽しく生きるのにすごくコスパがいい。
私はトトの「僕は怖いんだよ」とニーナの「なによなによ!~あんたなんか大ッ嫌いだ!」の話を一生すると思います。

そんな訳で、私は今前述の通り「1000円の1回目」のご相伴に預かった中学生になり、「定価でフラっと劇場に足を運ぶ」大人になりました。(観劇オタクと名乗れる程ではないですが、劇場への心的ハードルはないです)その節はほんとうにありがとうございました。

キャラメルボックス、おしゃれな団体ではないんです。
ちょっと難解な考察や演出や斜に構えたかっこよさとか、そういうものは一切ないです。
でも、バチバチに人間のエネルギーで殴りにきてくれる
そこにいる生の人間のエネルギーとその世界のクソデカ感情で客席のわれわれをボコボコにしてくれる。
たぶん泥臭いんだと思います。だから好きです。

「だから好きです」とかほんとはないんですけどね、たぶん、よくわかんないけど好きだから好きです。

「トリツカレ男」は一生懸命な恋の話で、次に観に行くことができた「風を継ぐ者」は一生懸命走り続けた男の話でした。
全部は行けなかったけど、観た公演は全部覚えています。たぶん家にチケットとフライヤーと、あとちょっと大きくなってからのはパンフレットも残ってます。

高校生になって、「夏への扉」という海外SF原作の公演のチケットを私は取っていて、公演期間中に震災がありました。
中止になってしまうのかなって思ったけど、私の行く回では再開してくれていて、勝手ながらすごくうれしかった。
開演前諸注意でも、いつものおじさん(社長さんです)(だいすき)が、「この基準を越えて揺れたらこう対応します、僕が速報を常に見ていますしスタッフは待機しています、それ以下の安全な範囲の揺れだったら続行しますので、役者の暴れで揺れてるんだと思って安心して観てください」ってアナウンスしていて、(かっこいい大人だ~~~!)とはじめて行く銀座の劇場で思いました。それ以外にもTwitterで細かに情報を出してくれたりしていたので。
ほかにも役者さんが手焼きで(ご自宅で?!?!)DVDを作ってサインを入れてロビーで売って寄付金にしていたり(高校生、目の前に素の演者がいることにびっくりして浮かれて挙動不審になりながら買いました)、『装置がなくてもできる公演』をコンセプトに公演を打って駆け付けたり(「賢治島探検記」)、とにかく芝居とやってることが泥臭くて粋でカッコイイ大人たちでした。

それから、受験の年に、公演後の演者さんと写真を撮ってもらえる機会でせっかく一緒に(舞台に上げてもらって)写ってもらったのに、直前にしゃっくりが出るほど号泣していたので顔がぐちゃぐちゃで全然人に見せられない写真になっちゃったりとか、好きな演者さんの〇〇回舞台を踏みました記念のミニイベントでお隣のマダムからグッズをいただいたりとか、いわゆるイケメン俳優さんが少しずつ客演で出てくれるようになって客席の雰囲気が華やかになってちょっとびっくりしたりとか(いい方のびっくりです)、今回は出ていないはずの役者さんが、リピーターチケットを売っていて握手してもらったりとか、いろいろいろいろうれしいことがあって、なんだかんだ今大人になっています。

去年から、キャラメルボックスは活動を休止しています。

「推しは推せる時に推せ」って言いつくされ過ぎたやつがめちゃくちゃよぎりました。やっぱり推せるときに推さなくちゃいけないし払える時に払えるものを払わなくちゃいけない。好きなので。
最後になってしまった「ナツヤスミ語辞典」、新しい上司くんを置いてダッシュで退勤しても観に行ってよかった。そうなるなんて思ってなかったけど、「成井豊が駅長で出てくるなんて誰が思うよ?!?!?」という叫びを客席で共有できてよかった。

劇団が活動休止しても、劇団員さんが消えてなくなってしまったわけではないので、各ご活躍を拝見することで励みにしています。
あと、劇団員さんたちがまだSNSのプロフィールに「キャラメルボックス」って記載してることで、なんかちょっと泣きそうになるしほっとするしうれしい。
活動休止後、成井さん演出の「仮面山荘殺人事件」、完全に「ジェネリックキャラメルボックス」という気持ちで観にいったのですが、そんなことは関係なくやっぱり面白かったです。

あと、勝手に嬉しかったことが2つあって、

1つめが、刀剣乱舞の舞台に岡田達也さんが出演されたこと。
その役が坂本龍馬だったこと。
いわゆる2.5次元のオシャレでお金がかかっていて格好いいお芝居を観慣れている(と、思われる)刀剣乱舞ファンのお姉さんたちが、「坂本龍馬が格好良かった」って感想を教えてくれたこと。
バカみたいに嬉しかった。これはキャラメルボックスのファンの勝手な感想です。
スタイリッシュなお芝居を観慣れている人に、泥臭い格好良さが受け入れてもらえなかったらどうしよう、というのは本当に本当に要らん失礼な不安でした。うれしかった~~~!
チケット協力してもらって(ありがとう!!!)観に行きました、かっこよかった。

私事ですが、「また逢おうと竜馬は言った」というお芝居がありまして、私は岡田さん/大内さんの公演ではじめて見たんです。たしか高校生の時。この坂本龍馬が息止まるほど格好いいんですね。
なので、岡田さん=龍馬というイメージがどうしても先行していて、まさか令和にもなって岡田達也の坂本龍馬が観れるなんて…?!?!という興奮がすごかったです。
ストーリー上でもめちゃくちゃ大事で格好良くなくちゃいけない、そういう龍馬だったので、それを岡田さんで観られてうれしかったです。馬鹿みたいに泣いたので最後ちょっと頭痛かったけど……
ネタバレになるのであんまりアレなんですけど、若い男の子と今の達也さんだからこそあのラストがより刺さったように思います。本当に2人とも「気持ちのいい」人間と刀でした。
(余談ですが、大楽のカーテンコールで龍馬が「また逢おう!」って挨拶されたとの感想ツイートを拝見し、「客席にいるだろうキャラメルボックスのファンがしんでしまう……粋……」と思いながら勝手に泣きました 達也さんそういうとこ)

2つめが、小さいことなんですけど、そのあと「あの……あの龍馬……私すきなおじさんで……その……よかったら……………」って騒ぎ続けてたら友人がDVDを一緒に観てくれて感想もくれたことと、後日「知ってる声がすると思ったらキャラメルさんの人だった!」って教えてくれたこと。
舞台大きく振りかぶって、みつあみのカワイイおねえさん、キャラメルボックスのパワフルキュートあんりさんなのでよろしくお願いいたします。演出は成井豊です。

そんなこんなで生きています。

自粛のムード、するもしないも主催側の判断が一番正しいと思ってるけど、せめて善良な客や消費者でいたいなって おもいます 以上

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