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一目惚れをしたことがありますか

“一目惚れ”って、今まであまりしたことがない気がする。基本的に、その人の性格や人となりを知ってから好きになるから。だから正直、私にとって“一目惚れ”という言葉は、いまいちピンとこないものだった。 ただある日、美術館で、おそらく大学生だろうと思われる男の人から目が離せなくなった。(年齢がそれくらいに見えたし、なによりそれは平日の午後のことだったので。)今では全然思い出せないけれど、髪型、横顔、着ている服から、たたずまいや仕草まで、どれもが完璧だと思った。美しすぎて、ずーっと眺

    • 彼らが踊って、私は泣いた

      好きな人に雰囲気が似ているアイドルグループを見つけました。好きな人に似ているからか、そもそも彼らが魅力的だからかは分からないけれど、すぐに、私はそのアイドルグループのことが好きになりました。 好きな人にはしばらく会えないので、私は、そのアイドルグループを見ることで寂しさを埋められるのではないかと期待しました。でも、すぐに気がつきました。 そのアイドルグループを見るのは大好きです。TVに出ているのを見かけたら、とても嬉しくてTVに飛びついてしまうくらい。でも私は、そのパフォ

      • 8歳、18歳、28歳とわたし

        不思議なことに、私は人生のなかでちょうどぴったり10年ごとに、抱きしめたくなるような別れを繰り返す。 いつだって人を好きになる時は全力のはずなのに、どうしても、他とは色彩が違って見える、そんな恋が、たまにある。 叶わなかった恋でも、叶った恋でもない。思いが通じたと思ったその瞬間に、抗えない別れが待っていたような、そんな恋。 でもだからこそ、儚くて悲しくて、いつまで経っても美しいのだろう。 別れを前に、ただきょとんとして何もできずに立ちすくんだことも、膠着した関係を断ち

        • 強さとは、自分が加害者になる可能性と向き合うこと

          そう、それらはある金曜日の夜、たった1時間半の中に濃縮されていた。 手にしたスマホをいじり、テレビを眺めて一息つく、そのなんでもないような時間の中に。 3つの話に出会った。 すべて、“命”について考えさせられるものだった。 ひとつめは、広島の原爆の話。 田中泰延さんの「Hiroshimas」という記事を読んだ。 記事は、広島にルーツのある泰延さんが、広島を訪れるところから始まる。 広島平和記念資料館を訪れた一行は、言葉を失う。 印象的だったのは、記事の読者が「原爆は天

        一目惚れをしたことがありますか

          経済を回せ回せっていうけどサ

          この文章は、新型コロナ感染症に関するものです。 コロナに対する感じ方・考え方は人それぞれだと思います。ちょっとしんどいなという方はご遠慮いただくことも検討ください。 私は自粛ガチ勢である。理由は2つある。 ひとつは、自分が外出をした結果として自分が感染したり、さらには周りの人にうつしてしまったりするのが怖いこと。つまり単純に健康を失うのが怖いというビビり(体調面)と、のちのち過去の行動を後悔したくないというビビり(精神面)。 ふたつめは、自粛がそれほど苦でないこと。これは、

          経済を回せ回せっていうけどサ

          “男女間の友情は成り立つのか”問題について、考えるともなく考えてみた

          “男女間の友情は成り立つのか”問題――。 ずっと私の答えはNoだった。 そう。ついこの間までは。 +++ そもそも、わたしはややこしい人間関係が嫌いだ。 人間関係なんて、地球上にいる果てしない数の人間たちが各々の感情を持って各々の言動をとって、その結果として作られるものなのであって、それに加えてかかわる相手によっても少しずつ形が変わるもの。十人十色、百人百色、その組み合わせまで考え出したら無限大。そう考えるともうなんだかわけがわからなくなって、私の頭の中にはただ混乱が待

          “男女間の友情は成り立つのか”問題について、考えるともなく考えてみた

          コロナな世の中で、寂しさで泣いている

          この文章は、2020/5/6に書いたものです。 緊急事態宣言中の心の動きを残しておくべく書かれたものであり、現在とは状況が異なります。 正直、私は結構平気な方だと思っていた。 *** もともと、インドア派の人間だ。 そりゃあ、1人暮らしだから孤独を感じたりはするだろう。だけれど、生活様式がガラッと変わるわけではない。「友達と遊ぶのが大好き!」とか、「買い物が生きがい!」とかいうタイプの人間ではないから、むしろ家にこもっていることが許されるのであれば、こんなに都合のいいこ

          コロナな世の中で、寂しさで泣いている

          この国で女性として生きるということ

          個人的な経験をもとに、私的な見解を書いた文章です。不快に思われる方がいるかもしれません。 性別に関するトラウマのある方は、ご遠慮いただくことも検討ください。 == 私は身体的に女に生まれたものだから、痴漢の標的になることがあった。 (さらに悪いことに、未成年の頃の私が標的となった。) == 外見的に女であることにより、容姿での優劣づけにさらされたこともある。 (往々にしてそれは助言の様相をしていたことが、話を余計に複雑にした。) == 女だけれど高い学歴を志向し

          この国で女性として生きるということ

          あの素晴らしき2月

          (注)あくまでこの文章は、コロナによって一部生活様式は変わったものの、目下あまり重大な影響を受けていない、私個人の気持ちを書いたものです。コロナに対する感じ方は人それぞれだと思うので、ちょっとしんどいなという方はご遠慮ください。 ===== コロナ前とコロナ後で、世界は変わらないことの方が多いと思う。 今、なんだか無性に会いたい人がいて気づいたら涙がこぼれていたとしても、たぶん思い返せばコロナ前にだってそういう日はあった。ふと、コロナ前のあの日がなんだかとてつもなく輝い

          あの素晴らしき2月

          これを令和の恋愛と呼ぶことにする

          最近、私は運命的な出会いをよくします。 今の会社にも、副業にも、突然出会って、スッと引き寄せられて、気づいたら私にとってなくてはならないものになっていました。 でも、今回お話ししたいのは、仕事との出会いの話ではなくて、運命の人と出会った話。 わざわざ人に見せるものでもないのだけれど、でも、書いておきたい。 人との出会いでも、会社や組織との出会いでも、「この出会いは奇跡だ!」と思えば思うほど、私はなんだかそわそわと落ち着かなくなってしまって、そして、落ち着かなくなればなる

          これを令和の恋愛と呼ぶことにする

          「副業って今の時代っぽいなー」と憧れつつも自分とは無縁な話だと思っていた私が、気づいたら副業を始めていた話

          1.自分の軸が見えてきた2か月前のこと。2019年が終わろうとしていた。 その年に初めて転職を経験した私は、どうしても、転職を通じて思ったことをまとめておきたいと思い、パソコンを前にしていた。 私には、Twitterを通じて知った好きなライターさんが何人かいた。 その人たちがnoteに書く記事は、思想はとがっているのに文章がどこか穏やかなのが心地よくて、過去記事にまでさかのぼって何度も読んだ。 私も文章を書いてみたい。そして今、明確に書きたいことがある。今しかない‥!

          「副業って今の時代っぽいなー」と憧れつつも自分とは無縁な話だと思っていた私が、気づいたら副業を始めていた話

          旅先で出会った人を好きになりやすい話

          ~~高校~~ 高校生の時、10日間の短期留学でアメリカへ行った。 滞在中に訪れた現地の高校では、その高校の男の子が案内についてくれて、一日一緒に授業を受けた。 英語がわからない、文化もわからない私たちに彼はとても親切にしてくれて、お別れの時、私は泣きそうになった。 心の中は今にも泣きそうになっているのに、なにせ感情をうまく出せない性分だったから、その寂しさは相手の子にはこれっぽっちも伝わらなかったと思う。 伝えたはずのメールアドレスに、その後彼から連絡が来ることはなかった。

          旅先で出会った人を好きになりやすい話

          [未来志向vsイマ志向]ずっと、未来志向で生きてきた

          ずっと、未来志向で生きてきた。 元来、計画的でまじめな性格である。 小学生の高学年から大学進学くらいまでの間は、「将来の役に立つだろうから」「将来の選択肢が広がるから」という理由で、世間で言ういわゆる”がり勉”に該当するくらいに勉強をしてきた。大学生になってからも、もてあます時間の使い道としてなにか有意義なことをしなくては、と思い公認会計士の勉強を始めた。 はっきりとした志望校や就職先があるわけでもなく夢があるわけでもなく、今となってはよくあれだけ頑張れたものだと思うけれ

          [未来志向vsイマ志向]ずっと、未来志向で生きてきた

          [ギフっ子上京物語] 書くことで、生きてきた

          私の好きなライターさんたちの記事には、そろいもそろって、「”書くこと”によって生かされてきた」という話が登場する。 ある人は、忘れたくないから書くのだと言った。またある人は、自分の行き場のない感情を消化するために書くのだと言った。 きっとこの世には、文章を書くことによって救われるタイプの人間が存在するのだろう。 私は、人に見せるための文章を書くことはほとんどしてこなかった。それでもいつの間にか、自分のために「文字を書くこと」が、どうにも欠かせないものになっていた。 たとえ

          [ギフっ子上京物語] 書くことで、生きてきた

          [2019年ふりかえり] 転職をしたら環境の変化以上に心境の変化があった話

          転職が私にとって大きな出来事だったので、2019年をふりかえりました。 私にとって2019年は、ひとことでいうと感謝の一年でした。 1. 監査法人を退職しました 転職をしました。 転職理由を聞かれたときの私の答えはだいたい2通りに分けられます。 ひとつは、「ちょっと疲れちゃってー」というもの。とても安直なのだけれど。 もうひとつは、「もともとインチャージロール(※)を経験するまでは監査がやりたくて、そのあとは、そのまま続けるのか別の道に進むのかを考えようと思っていたんで

          [2019年ふりかえり] 転職をしたら環境の変化以上に心境の変化があった話