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“男女間の友情は成り立つのか”問題について、考えるともなく考えてみた


“男女間の友情は成り立つのか”問題――。
ずっと私の答えはNoだった。

そう。ついこの間までは。


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そもそも、わたしはややこしい人間関係が嫌いだ。
人間関係なんて、地球上にいる果てしない数の人間たちが各々の感情を持って各々の言動をとって、その結果として作られるものなのであって、それに加えてかかわる相手によっても少しずつ形が変わるもの。十人十色、百人百色、その組み合わせまで考え出したら無限大。そう考えるともうなんだかわけがわからなくなって、私の頭の中にはただ混乱が待っている。
そこに男女の恋愛感情まで入ってこようものなら、そりゃあもう無理難題、ヤメテクレ…となってしまう。

だってそうじゃないか。だいだい男女で仲が良い場合なんて、どっちかがどっちかのこと好きだったりしてさ。「これからその関係性に変化はあるのか!?」「進展する?orしない?」みたいなやつじゃん。そっちに気をとられてしまう。そんな状況下で、純粋に友情をはぐくむ方向にうまーく気持ちを向ける余裕なんてないよね。


…と、思うではありませんか。


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引っ込み思案であまりしゃべらない私なので、特に思春期の頃は「男の子と話すなんて無理!」を地で行っていた。
大学生になると周りが男ばかりとなったのだが(男女比約4:1だった)、紅一点、というよりはむしろ1人だけ浮いている、となることの方が多かった気がする。それでも「ゆかいな仲間たち(男)」は格段に増えた。その頃のみんなありがとう。
その後職場でも男女比約4:1だったので、「男性としゃべるのが苦手」などと言っていられなくなった。良くも悪くも、周りの環境にありがとう。
こうして今ではおおむね苦手意識なく、誰とでもしゃべれるようになった。

ただ結局、プライベートでは女の子としか遊ばないのだ。
もともと大人数が苦手。だから、多くても3人以内で集まりたい。基本的には2人でいい。そうすると、男の子と2人ってちょっとハードルが高くなっちゃうから難しいんだよね。こんな私の性格、みんなでワイワイするのが好きとか、4人くらいのグループでいるのが心地いいとかであれば、少しは違ったのかなぁ。
そうして、私には女友達だけが残った。


…と、思うではありませんか。


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ところで最近の私はわりと自分のしたいように生きているのだけれど、そうなると自動的に、自分が会いたいと思う人に自ら積極的に声をかけるようになる。そうする中で、(自分に彼氏がいようものなら、それこそ面倒くさいことにならないように避けたのだろうけれど、あいにくそのような心配もないので)男友達・男性の知人に会いに行くことも増えた。ちょっと気になるけれど実はあまりじっくり話したことがない人、といった類の人たちが、実は私の周りにもたくさんいたのかもしれない。

また、人と会うのはいつもワクワクするけれど、一方で、人に多くを期待することもなくなった。徐々に他人との「心地いい距離」というものが分かってきたのかもしれない。そんなこんなで、”男女間の友情は成立しない”だなんて頑なに言うのはもうやめにしようかなという気持ちになっている。(だって、そんなのもったいない。)もし仮に、恋愛に発展するならその時はその時だし、発展しないならその時もその時だし、でも、基本的にはただありのままの友情が続いていくのだ。ちょっとふわふわしているかもしれないけれど、今はそれがとっても心地いい。


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「だいすきやわ、人として。」って、今ならあの人にも惜しみなく言える気がする。というか、ぜひとも言わせてほしい。
そう思えること自体がもはやとてつもなく貴重なことなのであって、そこに、性別なんて関係ないやんか。