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北欧パッケージのミカタ 帰納法・演繹法

皆さんは好きな音楽を聞かれた時、「いくつかの曲名」が思い浮かびますか?「特定のミュージシャン」が思い浮かびますか?

「いくつかの曲名」を思い浮かべる人は「帰納的」、「特定のミュージシャン」を思い浮かべる人は「演繹的」という思考の特徴があるかもしれません!

今回は、目に見えない概念を自分なりに可視化してみます。自分を客観的に見ようとする、いわゆるメタ認知です。


ざっくり言うと(要約)

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帰納法は複数の事実から法則性を導き、演繹法は前提から結論を導きます。

海外のスーパーマーケットでたくさんのパッケージを買い漁っていた当初、帰納的なアプローチで北欧のパッケージが自分の嗜好に合うことがわかりました。

「食卓を彩るパッケージが好き」という前提がわかってからは、演繹的なアプローチで好きなパッケージを探しました。


帰納法、演繹法ってなんのこと?

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帰納は、複数の事実から法則性を導く推論である
演繹は、前提から結論を導く推論である

定義だけみても何のことやらって感じなので、例えば、好きな音楽にたどり着く過程を考えてみましょう。

帰納的思考の方はこういうプロセスを経ます。

複数の事実:聴き覚えのある数ある好きな曲を調べたら、
法則性:特定のミュージシャン(作曲家)にたどり着いた

例えば、日常生活で何気なくYoutubeの作業用BGMを聴いていて、いくつかの心地よい曲が耳に残ったとします。それらの曲を調べてみると、たまたま同じミュージシャンということがあります。前提知識や先入観を持たず、まっさらな状態で好きな音楽を探すとこういうプロセスになると思います。

また、Spotifyのパーソナライズ機能は、再生楽曲履歴から自分の好きなミュージシャンを見つけてくれます。これも帰納的なアプローチです。AIが得意とする分野です。(ちなみにSpotifyはスウェーデン企業です)。

演繹的思考の方はこういうプロセスを経ます。

前提:特定のミュージシャン(作曲家)が好き
結論:そのミュージシャン(作曲家)の曲は全部好き

例えば、レコード店長おすすめのミュージシャンという記事を見つけたとします。彼らの音楽がどれだけ素晴らしいかという内容を読んでますます興味を持ちました。そのミュージシャンの曲を聞いてみると、全ての曲が自分の嗜好に合っていたということがあります。前提知識や先入観を持ち、構えた状態で好きな音楽を探すとこういうプロセスになると思います。

では、演繹法で使う前提、ここでは「特定のミュージシャンが好き」はどのようにして作られるのでしょうか?実は、この前提は帰納法によって生み出されることが多く、前述のレコード店長も自らいろんな音楽を聴き込んだ結果、導き出した一つの共通項であることが想像できます。

帰納的思考の方は演繹的思考も使っていることが大半です。しかしその逆、演繹的思考の方は帰納的思考を取り入れていないかもしれません。昨今の情報過多の中、効率を考えるとどうしても演繹的思考になりがちだと思います。AIに手っ取り早くおすすめ情報を提示してもらうことに慣れてしまっています。


情報のフィルタリング

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情報源には、一次情報、二次情報、三次情報があります。自分が情報源である独自性の高い情報を一次情報と言います。二次情報、三次情報に進むにしたがって、情報は発信者のフィルターやバイアスに引っかかるので、本来自分が欲していた情報が抜けているかもしれません。三次情報にいたっては、ウソの情報が混じっていることもあります。

インターネットの二次情報だけで分かったつもりになっていたとしても、実際に一次情報として体験すると違った見え方・感じ方をすることがあります。僕は現地での一次情報を大切にしています。スーパーマーケットに並んである商品を自分の目で確かめたいという欲求が半端じゃありません。


北欧パッケージマニアの視点

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僕が北欧パッケージにハマったきっかけは大学生の頃(2007年)のスウェーデン初訪問です。当時は北欧ブーム前だったので北欧に関する情報はほとんど無く、iPhoneも発売されておらず、出発直前に買った地球の歩き方というガイドブックが唯一の情報源でした。

まっさらな状態で特に期待するものもなく首都ストックホルムに到着。現地で偶然立ち寄ったスーパーは魅力的なパッケージで溢れていました。

海外のスーパーは全てステキな商品だらけなのかと思い、これまでヨーロッパとアジアを中心に25ヶ国巡りましたが、北欧のパッケージデザインだけが特異でした。海外のスーパーでたくさんのパッケージを買い漁っていた当初、帰納的なアプローチで北欧のパッケージが自分の嗜好に合うことがわかりました。

集めた北欧の食品パッケージデザインを観察すると、「食卓を彩る」という特徴(法則)にたどり着きました。「食卓を彩る」パッケージが好きという前提が生まれ、日本では常にその特徴のパッケージデザインにアンテナを張りました。前提がわかってからは、演繹的なアプローチで好きなパッケージを探しました。


2010年、ノルウェーで衝撃を受けました。現地の友人達は財布を持っていません。パスケースにクレジットカードを入れているだけで手ぶら、かなりスマートでした。北欧はキャッシュレス先進国です。2015年のスウェーデンの現金の決算割合はたったの2%。一方、日本はキャッシュレス推進が始まったばかりです。

現在、日本国内で「食卓を彩るパッケージ」が根付こうとしているように感じます。ずっと、ずっと、待っていました!今後、その波が徐々に大きくなっていくと予想しています。全てが食卓を彩るパッケージになってほしいわけでは決してなく、選択肢としてその割合が増えてほしいと思います。食卓を彩るパッケージデザインに即効性を求めてはいけません。微力ながらも日本人の日常生活に潤いを与えてくれます!


いろんなミカタで北欧のパッケージ を考察していきます。
Tack!パッケージって楽しい!



・画像出典 / 参照
Arla   https://kuudes.com/
キリン https://www.kirin.co.jp/
カルビー https://www.calbee.co.jp
マルコメ https://www.marukome.co.jp


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