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<シン・ゴジラの上位互換ではない。>映画「シン・ウルトラマン」


エヴァはかなり好きだった。シンゴジラはまあまあ、シンエヴァ微妙、初代ウルトラマンはまあ知ってる、な人の感想です。

開始0分から明るく軽妙に、お話の前段の部分を蹴っ飛ばしてエンタメに寄っていたのはよかったです。敵キャラもポンポン出てきてスピーディー、シリアスばかりじゃなくて、こういうのもできるのねと。

ただ、ポスターにも書かれていてお話の主軸である、「ウルトラマンと人類の”友情”」の描き方が決定的に弱くて、全体的にノっていけない。そんなんで後半唐突に「そんなに人間を好きになったのか?ウルトラマン」とか出てきても「は?」ですよ。そこは、みんなで飯食いに行って打ち解けるシーンとかあれば納得できたのにね、フード理論ですよ。

明るめのトーンがいいと言ったのに相反するけど、メイン俳優陣や西島秀俊の演技や声のトーンをもう少し抑えたほうがよかった。「なんだって!?」いかにも子供向けの特撮映画の域を出てないというか。樋口監督に任せた庵野氏もこの辺の演出の付け方が気になったんじゃないかな。シン・ゴジラでは、大量のセリフで日本の俳優にあえて「演技」をさせる隙を与えなかったっていうし。

最終の敵との戦い、もう少し人類の総力を結集感を出してほしかった。初代が、「最後はウルトラマンに頼らずに人類が怪獣を倒す」が最高のテーマ・メッセージだっただけにそこ重要でしょうと。ちゃんとウルトラマンが敵を倒すの、3体目までなんだよね、そこも微妙、メフィラス逃げちゃうし。一瞬映る金色のアイツのシーンはハッとしたけど。

序盤は「何もかもシン・ゴジラの上位互換を決めてくるのか?!」とワクワクしたけどそんなことなかった。シン・ゴジラも自分はそんなに高評価じゃないけど、奇跡のバランスだったんだな。

何もかも濃さが足りない、「度数が足りない、これじゃ酔えない」って感想をブログに書いてる人がいて、まさにコレ!です。もっと説得力のあるドラマを描いてくれていたらどんなによかったか、俺だって酔いたい。

人の感想に乗っかってごめんなさい、作品外のことで、大きな不満がありまして全く筆が乗ってません。怒ってます。

公開日発売の公式書籍で、庵野監督が作品の不出来を謝罪、自分が忙しくて樋口監督に任せてたらダメで、あとから直してもダメでした、とかあーだこーだ言い訳がましいのが許せない。シン・エヴァとかシン・ゴジラでも同じようなことあったよね。自分だけじゃいいものはできないと、人に任せてたら、結局、納得できなくて、全部自分でやろうとする、そして時間かかる、一体何度目だよ。

だいたいシンシリーズ3作ほぼ同時に抱えてる自分が悪いし、本文に書いたように、あなたの台本のドラマが決定的に弱いんだから、現場の樋口監督じゃどうしようもないでしょう。今回、借りのある樋口監督に監督の看板をあげて花を持たせたのかと思ったら、後出しの不満タラタラの声が、公開日に聴こえてきてカッコ悪いなと。作品外のことですが、怒ってます、とても作品を良く評価なんてできません。 

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