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ヨーロッパ文化教養講座(1974年日本映画「砂の器」)

2023/04/25
個人的採点は、何と言っても★★★★★
(★★★★★ 何度観ても、最初のシーンを観ると最後まで一気に観てしまう作品)
Filmarks: 3.9 (12,363レビュー)

WOWWOWで、小生のALL TIME BEST ONE 日本映画である、1974年版の「砂の器」を見た。もう何回見たか覚えていない。
#写真は、作中「亀嵩駅」として使われた「八川駅」WIKIより

当然、松本清張の原作も読んだが、この映画を初めて見た後だったので、特に犯人の殺害方法が奇抜すぎて読み返す気にはなれなかった。

また、その後何度もドラマ化された作品もできるだけ見ているが、どんなに頑張っても1974年版には勝てない。

好きなところ:
1.最大の魅力は、音楽。
音楽監督 芥川也寸志(1989年死去)
作曲、ピアノ 菅野光亮(1983年死去)
熊谷弘(90才)指揮 東京交響楽団

映像は、前半が刑事役の丹波哲郎+森田健作の犯人に到達するまでの地味な捜査、後半が丹波哲郎が逮捕状を取った後の捜査会議から犯人逮捕の一歩手前まで、という構成になっているが、それと同期して、ピアノ協奏曲「宿命」がオープニングからエンドロールまで流れる。

前半、「宿命」の第一楽章は、ピアノ・ソロから始まる。ラフマニノフの2番協奏曲の冒頭部分を先ず思い起こさせる。
後半、第二楽章は、ブラームスの2番協奏曲第2楽章のイメージで始まり、ヤナーチェクの「クロイツェル・ソナタ」風の旋律などが流れる。
美しいメインテーマは何度も再現される。

登場人物の心の動きに合わせて、音楽も観衆のこころを揺さぶる。

特に放浪する親子のシーンでは、セリフがほとんどなく、音楽のみで二人の苦難の旅を表現する。

小説にはできない、映画の強みだと思う。

2.豪華な俳優

丹波哲郎(2006年死去)、森田健作(元千葉県知事)、加藤剛(2018年死去)、島田陽子(2022年死去)、山口果林(72才)、佐分利信(1982年死去)、緒形拳(2008年死去)、松山政路(75才)、花沢徳衛(2001年死去)、加藤嘉(1988年死去)、春田和秀(子役56才 現在会社経営)、内藤武敏(2012年死去)、稲葉義男(1998年死去)、浜村純(1995年死去)、穂積隆信(2018年死去)、夏純子(74才)、村松英子(85才)、野村昭子(2022年死去)、春川ますみ(87才)、菅井きん(2018年死去)、笠智衆(1993年死去)、殿山泰司(1989年死去)、渥美清(1996年死去)
太字は主要配役

脇役も含めて名優ばかりである。
「砂の器」がまだ、今でも親しまれていることは、亡くなった俳優の人たちも天国で喜んでいるかもしれない。

3.監督、脚本
監督 野村芳太郎(2005年死去)
 「砂の器」の他、「八つ墓村」、「事件」などが好きな映画
脚本 橋本忍(2018年死去)と山田洋次(91才)

今後も放映される度に見ることになるだろう。



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