ヨーロッパ文化教養講座(フィガロの結婚 シナリオ読破プロジェクト13 第13曲スザンナのアリア)

2022/12/22

第2幕第2景は、続く。
Recitativo レチタティーヴォ
ケルビーノの歌を聴いて、伯爵夫人は褒め、スザンナは、ケルビーノの女装を始める。
準備の途中で、スザンナがケルビーノ宛ての辞令書を見つける。
でも、印鑑が押していない ことに気がつく。

No.13 Aria 第13曲アリア
スザンナ:
(Prende Cherubino e se lo fa inginocchiare davanti poco discosto dalla Contessa che siede.) -> (se) lo fa inginocchiare
(ケルビーノを捕まえ、座っている伯爵夫人の少し離れたところで、自分の前にひざまずかせる)
Venite inginocchiatevi;
Restate fermo Li'.
おいで下さい? ひざまずいて。
そこで、じっとしていて下さい。
 (疑問:スザンナは、ケルビーノに二人称複数形(つまり丁寧語)の命令法を使っている)

(Lo pettina da un lato, poi lo prende del mento e lo volge a suo piacere.)
(ケルビーノの片側の髪をとかし、それから顎に手をかけ、スザンナが、好きなように向きを変える)
Pian piano or via giratevi:
Bravo, va ben cosi'.
-> Piano piano ora via giratevi. Bravo, va bene cosi'.
静かに、静かに、今さあ向きを変えて下さい。ブラボー、これで良いでしょう。

(Cherubino mentre Susanna lo sta acconciando guarda la Contessa teneramente.)
(ケルビーノは、スザンナが髪を整えている間、いとおしげに、伯爵夫人を見つめる。)
La faccia ora volgetemi:
Ola' quegli occhi a me.
顔を今私の方へ向けて下さい。
ほら、その目を私の方へ。

(Seguita ad acconciarlo ed a porgli la cuffia.)
(引き続き彼の髪を整えて、帽子をかぶせる)
Drittissimo: guradatemi.
Madama qui non e'
しっかりまっすぐ、私を見て下さい。
こちらは、奥さまではないのですから。

ケルビーノ が 夫人 に 気 を 散らさ ない よう に 彼 の 前 に 身 を おく なり し て 視界 を 遮り、 彼 が 夫人 を 見る のを 邪魔 し ながら 発する、 そんな 情況 だろう。

電子版より



Piu' alto quel colletto…
Quel ciglio un po' piu' basso
Le mani sotto il petto…
Vedremo poscia il passo
Quando sarete in pie'.
もっと上へ、その襟を。。。
その視線はもっと低く
手は胸の下に。。。
それから歩き方を見てみましょう
立ち上がったときに

イタリア 語 詩 では 本来 5 行 詩 は あまり ない が、 オペラ において は、 ここ に 見る よう に、 特に 動き の 大きな 場面 などで 5 行 の 形 が 取り入れ られる こと が ある。

電子版より


(piano alla Contessa)
Mirate il bricconcello!
Mirate quanto e' bello!
Che furba guardatura!
Che vezzo, che figura!
Se l'amano le femmie -> Se le femmine l'amano
Han certo il lor perche'. -> hanno certo il loro perche'
(伯爵夫人にそっと)
ご覧下さい、このいたずらっ子を
ご覧下さい、これほど可愛いものか!
なんて、抜け目ないまなざし
なんて、愛嬌のある、可愛い姿
もし、女性達に愛されるとしたら、
その確かな理由がありますね。

このアリアの後、少々長いレチタティーヴォが始まり、
伯爵が部屋に入ってきてバタバタとなる話が続く。
実際オペラを見るときは、このあたりの、
レチタティーヴォが長く感じる。
ただ、このレチタティーヴォ部分を理解していないと、話についていけないこととなる。


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