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ヨーロッパ文化教養講座(1999年イギリス映画「恋の骨折り損」録画鑑賞記)

2023/07/03
個人的採点は、★★
(★★ 途中で退屈する時間が頻繁にある作品)
Filmarks: 3.1 (239レビュー)


WOWWOWのミュージカル特集で、シェークスピア原作の「恋の骨折り損」を観た。

ケネス・ブラナー監督・主演・製作・脚色でシェークスピアの喜劇をミュージカル化。
ナヴァールの若き国王と彼の学友3人は3年間の学業専念の間、3つの公約を宣言。理想に燃える国王が公約したその誓いとは“週に一度断食をすること”、“1晩に3時間しか眠らないこと”そして“女性と会わないこと”というものだった。
そんな折、フランスの王女が3人のお付きの美女を伴い国王の代理でナヴァール国王の許へ! 男性陣4人は誓いを守るべく無駄な抵抗をするのだが……。

Yahoo映画のホームページより

コメントと感想:

1.このミュージカル映画は、シェークスピア俳優として有名な、ケネス・ブラナー監督がすべて仕切った映画だそうだ。

それ故、シェークスピアの戯曲に親しんでいないと楽しむためのハードルが高くなったのだと思う。この戯曲自体も、その傾向が強いと、英語版のWIKIでは評論家が指摘していた。

「この戯曲がシェイクスピアの最も人気のある戯曲のひとつになったことがないのは、おそらくその衒学的なユーモアと言語的な密度が、現代の観劇客にとって極めて厳しいものだからであろう。」(ハロルド・ブルーム氏)

つまり、ケネス・ブラナー監督があまりにも、シェークスピアに精通しすぎており、この戯曲の「味」をよく知っていて、それを、表現しようとした。

故に、小生のような、初学者には良さが解らないということなのだろう。

2.一方、使われた曲は、ケネス・ブラナー監督の好みのブロードウェイのヒット曲を使ったそうで、それは救いではあった。
ただし、肝心の踊りのキレが無い役者もいて、どうも中途半端な印象が最後まで残ってしまった。

3.河合祥一郎著「あらすじで読むシェイクスピア全作品 (祥伝社新書) 」によると、

「韻を踏んだり、詩的な表現に凝ったり、ラテン語を用いたりと修辞に溢れた 初期の喜劇。 ストーリーそのものよりも、言葉の巧みさに重点がある喜劇と いえる。」

また、名セリフとしては、
・恋は魔物だ、恋は悪魔だ。人にとりつく悪霊は恋しかない。


女性の目から、私はこの教えを学んだ。 女性の目こそ、基礎であり、書物であり、学園だ。 そこから人に命を吹き込むプロメテウスの火が燃え上がる。


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