DXチーム活動報告~ラボノートプロジェクト~
東北大学 サイエンス・アンバサダー(SA)のこまこです!
今日は、今年度のDXチームの活動報告として、デジタルラボノートのプロジェクトについてご報告します!
SAとして初めてのチャレンジングな試みでしたが、とても実りのある経験となりました!興味ある方はぜひご覧ください(^^)/
プロジェクトの概要
✦ラボノートプロジェクトの目的✦
ラボノートプロジェクトは、以下2つの目的のもとスタートしました。
①ラボノートをデジタル化することで、作業効率や汎用性を上げたり、上書きの不正を防ぐ
②プログラミング経験者と初心者が協働することで、プログラミングへの抵抗をなくす
普段私たちSAが大学院の研究で利用しているラボノートの大半は紙のノートであり、様々な手間があります。その例として、
・手書きしたり、手書きのデータをグラフにしたりするのが煩わしい
・毎回同じ内容を記入するのが面倒
・ラボノートに書いてある情報を整理、また後から取り出すのがとても大変
・上書きできてしまう
・記録者による表記揺れ
などが挙げられます。これらのいくつかは、デジタルラボノートにすることで解決できます。しかし、ラボノートのデジタル化には、プログラミングのハードルが高く、また、実験によってラボノートに入れたい項目が違うためにテンプレートを作るのが難しいという問題がありました。
そこで、使用者が最低限の情報を記入するだけで、実験にあったラボノートを出力できるシステムの開発を目指しました!
プロジェクトメンバーのSAの半数はプログラミング初心者で、プログラミングに対してハードルが高いと感じていました。
そこで、プログラミング経験のあるメンバーに一から教えてもらいながら協働することで、プログラミングへの抵抗をなくすことも本プロジェクトの目的です!
今回はプログラミング言語Pythonを使って簡単にGUIを作成できるPySimpleGUIというパッケージを用いて、ラボノート開発を行いました。
ラボノートの説明
それでは、実際のラボノートをご紹介します!
まず、エクセルファイルにラボノートに入れたい項目などを入力します。
このエクセルファイルを読み込むことで作成されたラボノートがこちらです!
✦ラボノートの特徴✦
私たちが開発したラボノートの特徴を説明します!
①簡単
必要な情報をエクセルファイルに入力することで、プログラミング初心者にとってはハードルの高い、コードを組まずに済む。
②汎用性
エクセルファイルに入力するだけで、入れたい項目が入ったラボノートを作成できる。
自分だけのテンプレートを作成することが可能。
③プルダウン式
タイトル、実験方法、実験者など毎回同じものを入力する項目は、プルダウン式にできる。
事前にエクセルファイルにリストしておくことで、実験毎に記入する手間が省ける。
④考察などは記述式
考察、次回の実験計画など、プルダウンでは書けない項目は記述式にできる。
記述欄の大きさもエクセルファイルで指定できるので、長い文章を記入することも可能。
⑤出力
保存ボタンを押すとラボノートの内容がテキストファイルとして保存される。
⑥タイムスタンプ(予定)
今後のアップデートとして、不正を防ぐために、実験開始・終了ボタンや保存ボタンが押された際、Slack上にタイムスタンプが押される仕組みを作りたいと考えています!
✦DXチームが考える、アウトプットの形✦
今回SAで作成したラボノートはどのような場面で汎用できるか?を考えてみました!
・色々な研究室の人たちが利用する共通機器室で記入する記録簿の代用として
・共同研究など、実験者が異なる研究者間での進捗の共有、管理するのに便利
✦プロジェクトを通じて、メンバーの感想✦
最後に、本プロジェクトを通じて、メンバーからは以下のような感想が上がりました!
<プログラミング経験メンバー>
・今回のプログラムを使うのがはじめ他だったので、形になってよかった
・今までは自分の研究でしかプログラミングを使わなかったので、プログラミングの知識が深まってよかった
<プログラミング未経験メンバー>
・プログラミング経験者のメンバーに、初心者でも分かり易いよう落とし込んで教えてもらったことで、プログラミングに対する抵抗がなくなり、今後プログラミングに携わるときに役にたつと感じた
・プログラミングに初めて触れて、非常に勉強になった
・イメージしたものを具体的にアウトプットする開発のプロセスの勉強になった
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いかがでしたでしょうか?
昨年度発足したDXチームですが、今年はよりDXっぽく、デジタルラボノートの開発に挑戦しました。
私たちが普段大学院で行っている研究活動をDXを通じて豊かにする、という大変貴重な経験となりました!
記事へのコメントやSAへの質問は、いつでもこちらのフォームよりお待ちしております。
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編集後記
今年度も残りわずかですね‥。
本記事で、本年度のnote記事の投稿は最後になります!
今年もたくさん閲覧いただき、ありがとうございました!
来年度も引き続き、どうぞよろしくお願い致します(^^)/!(こまこ)
東北大学サイエンス・アンバサダー(旧サイエンス・エンジェル)
次世代の研究者を目指す中高校生に「こんな女性研究者もいるんだ!」「科学って楽しい!」という思いを伝えるため、2006年に結成。年度毎に学内で公募され、総長に任命された 東北大学の自然科学系10部局に所属する女子大学院生が、中学・高校での出張セミナーや科学イベントで科学の魅力と研究のおもしろさを伝えている。2021年度より、自然科学に加え人文・社会科学も含めた科学分野としての活動がスタート。メンバーは宇宙・自然・ロボット・環境・ヒトや動物の身体のしくみなど、それぞれの専門分野で日々研究中。2022年度より、サイエンス・アンバサダーへ名称が変更。
#東北大学 #ラボノート #DX #デジタルトランスフォーメーション #プログラミング
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