便の性状コントロールは必要なのか?

医学書には便の柔らかさは、バナナのような普通便が良いと記載されています。そうすると、便秘になりやすく、便の排出もしやすいという理由です。

理論的には良く分かります。

果たして、そんなことは私たち現代人は可能でしょうか?

大前提として便の固さがどのように決まるかというと、因子は100くらいあるのではないでしょうか?
水分量、食事(量、スピード、油、辛さ度、香辛料、食物繊維、ヨーグルトなどなど)、ストレス、生活リズム、運動、仕事、遊び、外出、旅行、交友関係、睡眠の質、細菌、体調、腸内細菌、内服薬と考えだしたら切りがありません。

これが複雑に絡み合って、毎日のように便の固さは決まっていくのです。

便の性状コントロールのため、一律に酸化マグネシウムを使用して軟便化しようとしていることがあるのですが、本当にわかっているのかなと、少し笑ってしまいます。

その人が持つ、便の柔らかさの流動性の中で、いかに便失禁しないか、いかに便秘にならないか、いかに有効な排便を出すか、いかに苦痛なく排便を出すかということを出発的するのが良いと私は考えています。

直腸やS上結腸には、便を貯留する機能が本来あるのです。

何らかの器質的や機能的な病変がある場合は別として、通常の脊髄損傷者の排便管理では、受傷前がどのような排便パターンだったのかを確認して、脊髄損傷者になったことを踏まえて、新たな排便管理を創造していきたいものですね。

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