脊髄損傷・リライフ

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最近の記事

お腹のマッサージ

脊髄損傷者の排便ケアでは、看護師さんがお腹全体を「のの字」にマッサージをするのが教科書的なケア内容になっています。 私はこのマッサージを「おまじないマッサージ」と呼んでいます。 なぜ、「おまじない」かというと、看護師が念じていてリラックスさせるような効果程度しかないと考えているからです。 このマッサージで排便が出たことがありません笑 もちろん、このマッサージについて、私は論文は読んでいたうえで、この個人的見解です。 よくよく考えれば、おまじないマッサージが効果がないの

    • 便の性状コントロールは必要なのか?

      医学書には便の柔らかさは、バナナのような普通便が良いと記載されています。そうすると、便秘になりやすく、便の排出もしやすいという理由です。 理論的には良く分かります。 果たして、そんなことは私たち現代人は可能でしょうか? 大前提として便の固さがどのように決まるかというと、因子は100くらいあるのではないでしょうか? 水分量、食事(量、スピード、油、辛さ度、香辛料、食物繊維、ヨーグルトなどなど)、ストレス、生活リズム、運動、仕事、遊び、外出、旅行、交友関係、睡眠の質、細菌、

      • 便を出し過ぎていませんか?

        脊髄損傷者の排便管理は刺激性下剤を使用することが多く、同時に坐薬や浣腸を使用して排便管理をすることが多いです。 そうなると、何が起きるのでしょうか?? 脊髄損傷になる前は、直腸にある便(S上結腸の一部も)が一定量、貯留したら、その便だけを排出するというのが人間が本来、あるべき排便の姿です。 普通の状態で、「S上結腸や上行結腸の便を出すぞー」という人は変わった趣味の方以外はいないかと思います。 つまり、脊髄損傷になると、本来は出さない便まで、便を出し切ることが目標になって

        • なぜ脊髄損傷者は便秘になるか?

          脊髄損傷者は脊髄ショックになると便秘になるのは医学的に適切であり医療従事者であればコンセンサスが得られると思います。 ただ、本当に脊髄ショックを脱した後にも、自立神経障害による副交感神経優位の状態として、ずーと便秘なのでしょうか? 少し話が変わるのですが、私たちが旅行したり、生活環境が変わると便秘になり、家に帰ると便通が良くなる経験は多くの方がしていると思います。 これと同じことが、脊髄損傷者にも起きていると私は考えています。 つまり、病院という環境により便秘になるので

        お腹のマッサージ

          医療機関の看護師の辛さ

          前回の内容では、医師の排便ケアの限界について記載しました。 今回は、脊髄損傷の排便ケアを行う看護師の構造的な問題について記載します。 まず、病院の看護師が暇そうにしていることを見たことがありますでしょうか?いつも呼び出しや処置、情報共有、カルテ記載などで忙しくしていますよね。 そうなんです。 患者側からすると、ナースコールを押しても看護師が来てくれない、話を聞いてくれないなど、看護師の忙しさを感じますよね。 この「忙しい」というのが前提にあると、いかに効率的に脊髄損傷者

          医療機関の看護師の辛さ