なぜ脊髄損傷者は便秘になるか?

脊髄損傷者は脊髄ショックになると便秘になるのは医学的に適切であり医療従事者であればコンセンサスが得られると思います。
ただ、本当に脊髄ショックを脱した後にも、自立神経障害による副交感神経優位の状態として、ずーと便秘なのでしょうか?

少し話が変わるのですが、私たちが旅行したり、生活環境が変わると便秘になり、家に帰ると便通が良くなる経験は多くの方がしていると思います。

これと同じことが、脊髄損傷者にも起きていると私は考えています。

つまり、病院という環境により便秘になるのです。

具体的な話なのですが、在宅生活をしている脊髄損傷者がいるとします。定期的な排便があるのですが、入院をすると途端に便秘になってしまうのです。推測ですが、腸内輸送が悪くなるのだと思います。

病院が悪いという話ではないということです。
同時に病院では動けない人は寝たきりにさせられますし、病人になってしまうような病院食を食べさせられますし、見張り役の看護師さんが目を光らせて規則正しい生活を無理強いさせられるのです。
こんな環境で便通が良い人はよっぽど、何か原因があるのでしょう。

そうなると、入院中は刺激性下剤は必須、在宅では必要ないということで、病院と在宅での排便管理は全く別の話になりますね。

病院での排便管理の延長に在宅生活での排便管理の答えがあるという幻想は医療関係者には捨ててもらい、在宅でその人の生活や腸の特徴を活かした排便スタイルを創造していきたいものです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?