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【2022年11月号】映画感想メモ(すずめの戸締まり、ソウルフル・ワールド)

※ 本記事の内容は、あらすじの解説やネタバレを目的としたものではありませんが、感想を述べるため、一部のシーンについて言及することがあります。映画をまだご覧になっていない方は、予めご了承ください。

【1】 母なる証明(2009)


クリップの画像やあらすじを通して、僕は純粋な母子の愛情物語だと思って鑑賞しました。しかし、鑑賞の2〜3時間後に、あれ?あれ?と疑問が浮かんで来て、気付いたら再度映画の中にダイブインしていました。韓国映画で大きく括るつもりはないですが、余白を敢えて残し視聴者に思考させる仕掛けづくりがうまい作品が、韓国映画には多いなと感じます。話は戻り、これは親子に限る話ではありませんが、人間同士の関係性に生まれる執着には必ず理由があります。それは、他者に対する独占欲かもしれないし、過去の過ちの償いかもしれませんね。


【2】 プロメテウス(2012)


エイリアンシリーズの最新章。時系列的には、この後に『エイリアン: コヴェナント』が続きます。新章から新たな寄生パターンが加わり、もはや無敵と化したエイリアン...。さて話は変わり、我々はときどき宇宙人は果たして存在するのか?と疑問を抱くことがあります。専門的なことは分かりませんが、地球以外に惑星は何億とあって、例えばおおいぬ座の大きさは、地球をゴルフボールとした時にエベレスト並みの大きさだと聞いたことがあります。僕は、その未知の出会いを生きている間にしてみたいと思うので、宇宙人にいて欲しい派です。


【3】 ソウルフル・ワールド(2020)


これまで『インサイド・ヘッド』や『カールじいさんの空飛ぶ家』を製作した監督の作品だからこそ、オーソドックスな起承転結&ハッピーエンドではなく、鑑賞後に対話を生む仕掛けづくりがされています。人間は「幸せとは何か?」という問いに一生向き合い続けるのかもしれませんが、僕はその問いに対して某塾講師のように「今でしょ」と答えることのできる人になりたいなと思います。「幸せ」という概念に関する個人的なパンチラインは、ジュール・ルナールの「幸福とは幸福を探すことである」ですね。


【4】 (500)日のサマー(2009)


冒頭のシーンが非常に斬新で、記憶に残っています。でも、僕はきっとあれは作者の100%の恨みではなく、どこかに愛情があるような気がしています。また、映画では一般的に、カメラの存在を観客に気付かせないことに重きを置きますが、本作品では敢えて「編集」という非自然な表現を明確に取り入れており、それはそれで映像表現の特色をうまく活かしているな、と感じました。


【5】 天気の子(2019)


新海監督の作品は全て観ていて、僕は同じ監督の作品を比較する時、各作品の着想に注目します。天気は全人類に影響を与える存在である一方、意外と天気を直接的に題材とした作品は『くもりときどきミートボール』くらいしかすぐに浮かんで来ません(懐かしい)。先日、久しぶりに病院から退院した人と会って、その人が開口一番に「空が綺麗」と言った様子が、とても印象に残っています。監督もそのような経験をしたのか、それとも天気のように人間がコントロールできない存在に何か圧倒的な影響を受けたのか、気になります。


【6】 すずめの戸締まり(2022)


10年前のことを忘れてはいけない、そんなメッセージを受け取った気がしました。すずめの声優を担当された原菜乃華さんはZIPで拝見していたので、勝手に応援気分。あと、個人的にすごく気になったのは、芹澤の人物像が良く練られていること。たしかに、こういう大学生いるよな、と。自分で小説を書いてみたり、短編映画の脚本を書こうとすると改めて気付くキャラクター設定の難しさ。あと、新海監督の作品は男女の「恋愛物語」がベースにあると思うが、別に友情物語でもストーリーは作れるはずなわけで、恋というピースが作品にとってどのような要素となっているのか一度ご本人に聞いてみたいと思います。


その他、今月の視聴作品

【7】リメンバー・ミー(2017)
【8】エイリアン: コヴェナント(2017)
【9】エイリアンVS.プレデター(2004)
【10】アイネクライネナハトムジーク(2019)
【11】50回目のファーストキス(2018)
【12】砕け散るところを見せてあげる(2021)

*2022年9,10月号の記事(チェックお願いします!)


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