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Black Bottom

「ブラック・ボトム Black Bottom」は、レイ・ヘンダーソン、バディ・デシルヴァ、ルー・ブラウンによって1926年に書かれたポピュラー・ソングで大ヒットした。デシルヴァ=ブラウン=ヘンダーソンのソングライティング・チームは、この曲のヒットによってティン・パン・アレーのトップ・ソングライティング・チームとなる。ブロードウェイ『ジョージ・ホワイトのスキャンダル George White's Scandals』にて使用された曲。トラッド・ジャズのスタンダード。いわゆるダンス指南曲のひとつ。

タイトルのブラック・ボトムはダンスの一種でおしりをフリフリした動きが特徴。1920年代にはチャールストンと並んで大流行した形式。

このダンスを流行らせたのかについては諸説がある(AARG)。

  • アルバータ・ハンターAlbuerta Hunterが流行らせた。

  • ペリー・ブラドフォードPerry Bradfordが「オリジナル・ブラック・ボトム・ダンス Original Black Bottom Dance」という曲を出版して流行らせた。このとき楽譜だけではなくダンスのインストラクションも一緒に印刷された。

さしあたりペリー・ブラドフォードの説が一般的。この踊り方の一般的な形式を作ったのはダンサーで振付師のビリー・ピアース Billy Pierceであるとされている。

ブラック・ボトム自体はジャズやブルースなどダンス・ミュージックでは繰り返しテーマになっており、さまざまな曲が作られた。最近だとNetflixでも公開された『マ・レイニーのブラック・ボトム』の戯曲の翻案映画が有名。映画でもマ・レイニーを演じるヴァイオラ・デイヴィスがブラック・ボトムのダンスを披露している。

録音

Annette Hanshaw (NYC 1927)
Annette Hanshaw (Vocal); Irving Brodsky (Piano); Jimmy Lytell (Clarinet); Red Nichols (Cornet)
アネット・ハンショウの録音。わりとクールな歌と演奏なんだけどやはり踊り出したくなるような楽しい録音になっている。そういえば最近少し家でダンスの動画を見ながら練習をしている。自分では基礎もなにも学べないのでどこかに習いに行こうと思う。

Spike Jones and His City Slickers (Hollywood[?] 1949)
George Rock (Trumpet);
アメリカで絶大な人気を誇ったコメディアン/バンド・リーダーのスパイク・ジョーンズの録音。具体的に参加しているメンバーがわからなかったのだが、チャールストンのリズムも取り入れたアップテンポでダンサンブルな録音。とっても楽しい!

Enoch Light & The Charleston City All Stars (NYC 1951)
イーノック・ライトのバンドの録音。これも参加しているメンバーがわからなかった。しかし、音楽はとても楽しくモダン・ジャズになって失われた何かがある。

Vanessa Tagliabue Yorke (Racine, Wisconsin 2012)
Vanessa Tagliabue Yorke (Vocal); Dalton Ridenhour (Piano); Yves François (Trumpet)
イタリアのシンガーのヴァネッサ・タリアブエ・ヨークのアメリカでのライブの録音。最初はスローで途中からテンポが早まりダンサンブルになる。歌声も雄弁でかっこいい。ピアノのダルトン・ライデンアワーはジェイムズ・P・ジョンソン系のストライド・ピアニストでさまざまなバンドにも参加している。参加しているどのバンドもとてもかっこいい。

参考文献

https://aaregistry.org/story/the-black-bottom-african-roots-in-american-dance/


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