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スクールタクト活用現場で感じた「変化する学びとこれから」

実践例&導入事例でわかる 明日からの教室のつくりかた スクールタクトで始めるICT活用』が7月5日(水)に発売となりました。

本書では、全国の学校で1人1台端末によるICT活用が進められるなかで、スクールタクトを活用してよりよい授業づくりを目指したさまざまな実践や取り組みを紹介しています。

本書の著者であるインプレス教育ICT書籍編集チームに、書籍発行にかける思いや、取材の過程で見た学校現場の変化への気づきとこれからについて、うかがいました。

学校現場でICTの浸透が進みつつある今、この本を出版した理由


子供たちが1人1台端末を活用して学ぶことが当たり前になり、学校現場ではさまざまな場面でICTが使われるようになりました。
その一方で、「端末は導入されたけど活用がうまく進んでいない」といった教育関係者の声も聞かれるようになり、ICT活用に対して積極的に取り組んでいる自治体・学校とそうでないところ、格差が生じていることを感じます。

そんな教育現場に向けて、ICT活用やこれからの教育を考えるのに役立つ書籍を作りたいと考えました。NEXT GIGAに向けてさらなる活用推進が期待される今だからこその書籍として、本書を発行しました。

教育分野にかかわらず、どの領域、どの産業においても、ICTのような新しいものを自分の仕事や生活に取り入れて、その恩恵を受けるためには、大人の古い考えや価値観を捨てなければならないことがあります。子供にばかり、主体性や課題解決力を求めるのではなく、今の教育を前進させるために大人として何ができるのか、大人もいかに変わることができるか、もICT活用が生む変化として考えたいテーマです。

取材対象の先生や教育委員会の「変化への向き合い方」


どの先生方も、「もう、ICTを使うのは当たり前だからね」とか、「ICTを使った方が便利だし…」という感じで、ICTを大げさにとらえず、カジュアルに向き合っていたのが印象的でした。そのせいか、学びの変化に対してもポジティブに捉えられていて、ICTを使えばもっとできることがあるかもと、子供たち一人ひとりにもっと寄り添いたいという気持ちが伝わってきました。


著者として、各章に込めた思い


第1章
は、スクールタクトの具体的な活用事例を紹介しています。「ICTを使うのが苦手」もしくは「ICT活用をもう少し広げたい」と思っている先生方におすすめです。パッと見てスクールタクトで何ができるのかデザインされています。

第2章は、ICT活用に積極的な自治体や学校を取り上げ、組織体制や活用推進に対する具体的な取り組みを深掘りしました。教育委員会の方や、学校でICT活用を推進される先生方に読んでいただきたい内容です。

第3章は、有識者や現場の先生方にICT活用が進んだ先の教育の未来について語っていただきました。今までと異なる視点が得られると思いますので、すべての教育関係者の方におすすめです。


第2章取材で発見した、自治体規模での活用推進のポイント

どんな組織であっても、ICT活用を推進するためには管理職の存在が重要になるということです。逆にいうと、活用推進がうまくいっている自治体は、管理職向けの研修に力を入れていることもわかりました。

会議の資料をペーパーレス化したり、スクールタクトで意見共有したりと些細なことではありますが、管理職がICTを活用する場面をつくっています。このような、日常の中に落とし込みができていることが、日々の積み重ねになり活用推進につながることを感じました。


関係者の思いと取り組みを、より大きな輪にしていくために


第3章の有識者や現場の先生の議論をまとめた2つの鼎談で、苫野先生が「対話」の重要性を語られていたり、蓑手先生もこれからの教育について「教員同士が話せる時間が必要」と述べられていたりと、当たり前ですが、誰かと話をすることがとても重要だと思います。それがなければ、大きな輪の一歩にはなりません。

学校は特に、コロナ禍の休校でさまざまな分断も起きてしまっているので、つながりを広げるための対話が必要だと思います。


これからの学校は、より主体的な学びの場になる

子供たちが1人1台端末という強力な学びの相棒を得られたことで、主体的に学べる場はどんどん広がると思います。スクールタクトもそうしたツールのひとつで、さまざまなICTを活用しながら、面白い授業を行う先生がどんどん増えてほしいと思います。



これからの学びの場で、スクールタクトが果たせる役割と価値


書籍の中で、多くの先生がスクールタクトの「共同閲覧」「共同編集」の良さについて語られており、協働的な学びを実践していくうえで、先生方の授業内容を高めてくれるツールだと思いました。「今まで発表しなかった子供の意見がリアルタイムで見られる!」という言葉に、先生方のやりたかったことを叶えてくれるツールなんだと感じています。

よりよい「明日からの教室」をつくっていくために重要なこと


よく言われていることではありますが、学び続けることだと思います。この激動の社会を自分の足で歩きながら、未来を切り拓くためには学び続けることが重要です。

自分で学ぶこと、自分で考えること、これは多くの先生方が大切にされていますが不変なものだと思います。


保護者や一般の方にもICTの意義と価値を共有したい

学校関係者だけでなく、保護者や一般の方にむけて、いまの学校をとりまくICTとその意義、価値を伝えることもできればと思っています。

GIGAスクール構想によって学校の授業がどのように変わったのか、ICTが授業でどのように活用されて、先生方がどのようなところに価値を感じられているのか、分かっていただけると思います。




「スクールタクト」を活用した授業・学校づくりの事例を集約した書籍『実践例&導入事例でわかる 明日からの教室のつくりかた スクールタクトで始めるICT活用』は、Amazonをはじめ、全国の書店で発売中です。
ぜひ本インタビューと合わせてご覧ください。
書籍詳細・ご購入>https://www.amazon.co.jp/dp/4295016829


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