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共に創るコラム:オンラインイベント2020第3弾でご登壇いただいた菅沼校長の実践のその後&その後…! vol.3

「教育・学びの未来を”共に創る”教育長・校長プラットフォーム」として配信させていただいている「共に創るコラム」、早いもので第3回目になりました。
新たにお寄せいただいた作文もあり、多くの皆様にお届けできていること、とても嬉しく思います。
さて、vol.3は、昨年の連続オンラインイベント第3弾「教育・学びの未来と学校組織」でご登壇いただいた長野市立長野中学校・長野高等学校の菅沼校長からの作文です。
菅沼校長からは、2021年6月に作文をいただきましたが、さらにそこから5ヶ月経った11月時点でもさらに進化した実践のご報告をいただきました。
昨年の連続オンラインイベント第3弾のときの資料とあわせてお読みいただくと、その後の確実な歩みを感じることができます。ホップ、ステップ、ジャンプの三部作、長野市立長野中学校・長野高等学校の菅沼校長のお取組みをぜひ通して読んでいただけると嬉しいです。
自分も作文書いてみたくなったという方はこちらから! 

【1】ホップ
2020年連続オンラインイベント第3弾「教育・学びの未来と学校組織」での話題提供


日時:令和2年10月17日(土)15:00〜18:00
資料はこちら
イベントレポートはこちら

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【2】ステップ
総会2021(2021年6月)後の進展ご報告作文


 (2020年)10月17日(日)の会で発表させてもらいましたが、その後について少し報告させていただきます。
 まず、コロナ禍の中で導入が決まったタブレットですが、多少納入が遅れたものの、中学ではクロムブック、高校ではiPadが生徒全員に配付され、授業に使用しています。コロナ禍での休校を想定すれば、家への持ち帰りが当たり前と考えていましたが、長野県内の他の市町村教委で持ち帰らせたところ、問題が発生したようで、現在、中学生については持ち帰りができていません。高校生は卒業するまで自己管理するということで、持ち帰りしています。3か月が過ぎようとしていますが、今のところ使用方法での問題は一つも起こっていません。先生方一人ひとりはかなり工夫して授業等で使っていますので、まずは共有化をしていかなければならないと思っています。私自身は、今年度”Leave no one behind"を掲げ、通常の対面授業を遠隔でも受けられることを標準にしたいと思っていますが、多少の実験をした程度にとどまっています。
 プロジェクト学習の見える化のためや、学校に多く人が関わる仕組づくりのための「屋上庭園再生プロジェクト」を紹介させてもらいましたが、こちらはかなり順調に進んでいます。古い木や草をすべて抜き去り、新しい庭園の設計図も完成し、少しずつ作業を続けています。市立高校開校時から時間割の中に市民開放講座を2つ設置し、住民と生徒がともに学ぶ場を作ってきましたが、今年度新たに「食育菜園」の講座を新設し、学校を応援してくれる人を増やそうという活動も始めました。(今年度は生徒が参加できる形にはなっていません)
 本校の教育活動の中心となっている「課題探究」=「翼プロジェクト」では、1月に代表者13名の発表会を実施しました。コロナ禍でホールでの発表ができなかったために、事前集録した映像を各教室で見る形をとりました。それぞれ個性的で面白かったのですが、ほぼ共通して、多くの人に意見をもらうことで、自分の考えが変わったとか深まったということを言っていました。下の学年や中学生でも動き始めている生徒がいますので、学年を超えて課題探究を進めていくことができる仕組みづくりを考えています。
 直接お会いして話ができる時が早く来ることを願っています。


【3】ジャンプ
「その後のその後(11月バージョン)」の進展ご報告作文

 (2021年)6月のオンライン総会から、今年度もさらに5か月経ちました。前回の報告に沿って、さらにその後を報告させていただきます。

 タブレットの使用についてですが、6月の総会後、コロナウイルス感染の第5波が襲来し、夏休み明けにはしばらく分散登校が続きました。今までの経験もあり、タブレットを活用して時間割通りの授業を続けることができました。中学校では、規制があり、なかなか持ち帰りができませんでしたが、実験的に始めています。時期を遅らせて11月3日から実施した東北修学旅行では、全員がタブレットを持参し、現地で活用してみました。「旅行のしおり」も印刷せずタブレットを活用しました。高校では、長期間病院で療養する生徒のために、病院の了解のもとで、教室での対面授業に病院からiPadを通して遠隔で参加できる仕組みを作り、生徒はほぼ出席できているようです。課題探究で「iPadの授業での活用法」をテーマに研究しているグループがあり、彼らがどのような提案をしてくれるのか楽しみにしています。

 「屋上庭園再生プロジェクト」は庭園を3分割し、今年度は中央の三分の一を花畑にし、チップとブロックで仕切って上履きでも巡回できるようにしました。イチゴも植えまして、交配もする予定でいます。来年度は右側三分の一に取り掛かる予定ですが、それに向けて、先日バーゴラ(つる棚)を設置しました。左側三分の一は今年、好きな人が勝手に畑にしていまして、中学生が、これからサツマイモ、サトイモの収穫をするようです。高校生も、コロナ禍での新しい文化祭を考える中で、中庭を有効活用しようと、その第一歩として、10年来手つかずで、枯れたり枯れかかったりしていたつつじをすべて抜き去り、そこが花壇に生まれ変わりました。私も、夏休み中、二日に一時間くらいの割合で、花壇に根を張る帰化植物と格闘し、ほぼ制圧しました。市民開放講座の「食育菜園」に参加されている市民の皆さんと、来年度は屋上にとどまらず中庭再生プロジェクトが始まるかもしれません。

 本校の教育の軸となる「課題探究」=「翼プロジェクト」では、授業の枠を飛び出して、地域の様々な人や組織とつながりながら活動する姿が見られるようになっています。中学時代に東北の修学旅行で避難所体験を学んだ生徒が、地元での千曲川氾濫を経験し、災害時に自分たちができることは何かを考えながら活動しています。本校の秋の防災訓練は、コロナ禍で集団での避難を避ける意味もあり、オンラインで、その生徒を中心に災害時のある場面を想定し、その時どうするかを考えるワークショップ的なものにしてみました。同じような内容を繰り返してきた防災訓練を見直すきっかけにもなったように思います。
 「課題探究」を本格化するに当たり、NPO法人「青春基地」と結んだ包括連携協定が、今年度で一区切りとなります。今後のあり方を検討する材料とするために、現在、職員対象にアンケートを実施しています。どのように意識が変わったのか?変わらないのか?本心で答えるのか?も含めて、集計結果が楽しみです。

(参考)「翼プロジェクト」について
https://www.facebook.com/profile.php?id=100069880174151&ref=pages_you_manage


(事務局)
一年前のオンラインイベントにご登壇いただいて、その後の進展について2度、ご報告いただきました。プラットフォームの場でも今後やっていきたいとお話いただいていたことがこうして、着々と実を結んでいること、拝読してとても嬉しくなりました。
一人一台端末をどう活用していくか、そして学びを多様に変革していくための試行、また、地域と共に生徒が学ぶ「場」創りの進捗がうかがえました。
「多くの人に意見をもらうことで、自分の考えが変わった、深まった」、まさに、人と接すること、学び合うことが学校の原点であるなぁと思いました。

ちなみに、菅沼校長の長野市立長野高等学校は、11月6日(土)に行われた第100回全国高等学校サッカー選手権大会長野県大会決勝で、優勝したとのことです!おめでとうございます…!

これからのさらなる進展も楽しみになるご報告、ありがとうございました!


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