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学校にいる”自分”と”周り”の状態を知ることから対話が始まる Part2

みなさん、こんにちは。
NPO法人学校の話をしようの寒川です。

先日、チームを考える学校 for Leaders 4期説明会を行いました。
説明会では、3期に参加していた
静岡聖光中学校・高等学校 齋藤泰正(さいとうやすまさ/以下、呼び名の「やっくん」と表記します)さんからチームを考える学校 for Leadersでの「学び」や「学校の中ではどのように活かしているのか」などをシェアいただきました。
皆さんにはその内容の一部をPart1として、noteを通じて共有をさせていただきました。
今回は、Part2として説明会に参加されていたみなさんの質問に対して回答をしてくれた時の書き起こしの内容をお届けします!

Part1の記事はコチラ
学校にいる”自分”と”周り”の状態を知ることから対話が始まる Part1
https://note.com/school_dialog/n/n5c036def8b60

プログラムに関心がある、ないに関わらず、「対話」「関係性」「協働」のキーワードに関心がある皆さんは、Part1、Part2あわせてぜひ読んでみてください。


※6月12日(月)の説明会で、参加者のみなさんからご質問に対して、お話しされた内容を文字起こしをしています。
(文章にしたときに読みずらい部分の調整は行なっています)

今年度の対話のゴールは?

チームを考える学校に参加する前は自分のクラス、自分の学年のことだけを考えていました。自分のやりたいことをやっていましたし、それでいいと思っていたんですね。
ただ、チームを考える学校に参加する中で、反発があるってことはHAPPYじゃない人がいるということなのだと気づいたんですね。せっかく学校という場に集まっている中で、いい想いをしている人もいれば、そうでない人もいるっていうこと。それが子どもであれば、学校がしんどいという気持ちから不登校にもつながるのかなと思って・・・。
でも、そんなことできないからしょうがないじゃんってずっと思っていたんです。
ただ、今回、チームを考える学校で学んで、武器を集めていろいろなことに使えるぞとわかってからは変わりました。
最終的なゴールとしては、生徒が毎日学校が楽しい!と言って学校に来る、保護者やOBがこの学校にいてよかったな!と思ってくれる、働いている教員にとっては職員室が笑顔があふれる状態になるのがよくて、その状態を実現することができたら、少子化の中でも学校が今後50年、100年残っていくんじゃないかと思っています。そういう学校を作りたい。
そのためには自分のペースでも良いので対話の機会を持っていくことが大切だと思っていますし、40歳くらいには教頭先生になって、この活動を学校や保護者に広めて、対話ができる状態で生徒たちが卒業してくれたらよいと考えています。言っていてちょっと恥ずかしいですが・・・、チームを考える学校での学びから、影響を大きく受けました。


最初の一歩はどうやって踏み出したのですか?

最初の一歩の勇気は結構必要です。対話しましょうって言って、最初、呼んでも誰も来なかったらどうしようと。
チームを考える学校で、自分との対話をする中で、自分には良い状態と悪い状態があると気づいたんです。
悪い状態の時は、授業がうまくいかないし生徒にあたってしまうし、言い方がきつくなってしまう。
良い状態の時は授業がうまくいくし、生徒や保護者ともうまく話せることが分かりました。
そういう良い状態で、こんなことやるけど一緒にやりませんか?あなたと一緒にぜひやってみたいんですって、ちょっとずつ言っていたら、少しずつ来てくれるようになったんです。
周りをどうするかよりまず、自分のコンディションを良くすることが大切だということに気がついたのが一番大きな気付きでした。
いつも怒ってイライラしている人に、ちょっと話しませんかと言われてもきっと嫌がられると思う。ご機嫌な状態に自分を持って行って、その状態で、仕事や話すようにすることをしてそれを土台にして一歩を踏み出すとうまくいきました。

理想に向かって、今、どのくらい進んでいる?

まだ、全然・・・。イメージは、畑だと、まだ土を耕している段階です。耕すことに障害があるわけではないので、このまま耕し続けていきたいと思っています。


プログラムを通じて武器を得たといっていたが、どういう学びだったのか?

例えば、僕がご機嫌な状態というのは、体に出るということを理論とともに学んだんですね。
手が温かいと心や体が調子よい証拠。
逆に焦っていたり、嫌なことがあったりすると、手が冷たかったり、おでこから汗が出る、そういうときは状態が悪い。
なので、自分がご機嫌でいられる状態を作ればよいのだという指針を得られたし、理論とともに体感から学べたので、それを武器を得たと言いました。
隣の席の先生に手が温かいですか?とかは聞かないですが(笑)、この自分がご機嫌でいられる状態をつくることは、先生方を対話にお誘いするときにも使えました。

そうは言っても、難しい、無理かもと思うことがあると思うが、そのような時はどうやって乗り越えようとしているのでしょうか?

基本的に、そういうことはあまり起こらなくなった。
自分の調子が悪い時に無理にやろうとするとうまくいかないし、結果によって自分が左右されがちになってしまう。
良い結果が出る=幸せ、悪い結果=不幸せというマインドでいると、不幸せなことばかりになってしまうんです。
そうじゃなくて、自分が良い状態でいれば、悪いことがおきてもポジティブに捉えることができるってことがわかりました。
遅くまで仕事をする日が続いたり、休みがなかったりがあると、どうしても結果に左右されるようになってしまうので、そうならないように日頃スケジュール等を考え調整するようにしています。そういう風にやってみるとなんとかなるかなっていう感じです。コントロールできていれば、何事も何とかなると思える状態です。今のところは(笑)


HAPPYじゃない人がいる=周りに視野が広がるということだと思うが、どのような時にその気づきがあった?

チームを考える学校のNVCの学びの中で、自分の感情を見ましょうというのがありました。
学校で怒る場面の自分を見たときに、当初は自分のやりたいことを邪魔されているから怒るのだと思っていたんです。
でも、そのワークで「妨害」されることに僕は怒っているのではないと気がついたんです。
自分の考えを理解してもらえないことに対して、僕は悲しかったんだって。
悲しいから結果怒る、という構造だった
ことが分かったんです。
邪魔されることがあって、それに対して怒っていると、それが平行線で何も解決しないということがわかって、その場は気持ちが落ち着くかも知れないけど、何も解決しない。
そういうことが起きた時に、自分が悲しいことを伝えて、その原因を相手に伝えて、こうしてもらいたいですということを伝えたり、相手の気持ちの背景を聴いたりして、相手と対話することによって解決できるということが見えてきたんです。
他の先生についても、その方も怒りたくて怒っているわけじゃなくて、悲しさなどの他の感情があるのかも知れない。自分もそうだったから・・・と思うようになりました。それに気づいてないのかもしれない、と。
対話する中で、怒っている根本の原因を紐解いて、お互い知って、じゃあ、これからどうしていきましょうか?というのを建設的にやっていけるようになりました。
なので、どうせだったら学校にいるみんなでHAPPYになったほうが良いよねということに繋がっていったという経緯でした。


長文を最後まで読んでくださりありがとうございました。
みなさんはどのようなことをやっくんの話から受け取られたでしょうか?

チームを考える学校のプログラムの最後には実践の共有とご自身の8ヶ月間を振り返っての共有、そして今後のVisionとそれに向かっていく歩みについて、参加者全員で聞く場を設けています。

やっくんはどのような未来を描いているのか、そこにどんな学校や生徒たちの姿があるのかなどをお話ししてくれた中で、自分自身の姿として管理職になることを決意されたというお話をしてくださいました。とても爽やで力強い宣言に全員がやっくんへの熱いエールを送った瞬間でした。

チームを考える学校で大事にしていること

最後に、チームを考える学校を開催する私たちが大事にしていることについて記載をして終えたいと思います。

チームを考える学校では、自分や仲間、組織に向き合う上で役に立つツールやメソッド、あり方(Being)、やり方(Doing)を体験しながら学んでいる場です。
参加したことで、自分が何を持ち帰るのかは、人によって異なります。
また、ツールやメソッドの理解度、習得度、活用度も一人ひとりによって異なります。
様々な状態や状況があるからこそ、その後もつながることができる仲間と出会い、実践を続けていくことで磨かれていくことが私たちが大事にしたいことでもあります。

やっくんに1年後に話を聞いたら、今回話をした内容の中でも自分の中での認知や理解が変わったことや、実践の中で得られた新たな経験と持論が生まれているかもしれません。
私たちは自分の中であった変化を共有しながら、少しずつ仲間を増やしながら日本の教育や学校がさらに豊かになっていく「創造」を共にしていきたいと考えています。


現在、チームを考える学校for Leadersの4期の受付中です!新たな仲間と会えることを楽しみにしています。

お申し込みは、下記のリンクからお申し込みください。
https://forms.gle/uD8W9Y3ZsMLKjMJg9

オンライン説明会(個別、集合)も実施しています。ご希望の方は、下記のリンクからお申し込みください。
https://forms.gle/ZfogNL168yqcdrAm8

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