童貞を卒業した僕はこの子にくぎ付けになり、界隈で言う非モテコミットに陥る事になる。彼女もたまたま処女で、僕のまっすぐなアプローチは身を結び、4年も付き合うことになった。 彼女は僕の年上だったが大学生。 私は社会人だからか、年上ながらも幼さもあった。 大学は芸術大学で美術研究をしている事がのちのち分かった。 そのような研究をしているせいか、性格は内気。話す時はぼそぼそと話し、目を合わせることも苦手で、人見知りそのものだった。 しかし、徐々に慣れてきたのか笑顔も増えるようになり
シ「今日でおしまいね。付き合ってもいないのに会うのつらいから。」 前から行こうと約束をしていたジビエ料理のお店を最後にさよならを告げた。 別れてからも会っていたが、3回目くらいでなんの特別でもないただの‘オトモダチ’なんだと思った瞬間に自分の中にあった“こいつしかいない”みたいな気持ちがすっーと減退していったのを覚えている。 そんな時に明らかに落ち込んでいる俺の横で彼女はジビエ料理とワインを片手に満面の笑みで食事を楽しんでいた。 彼女はまだこの時はまだ会えると思っている様子だ
夜はまだ冬の様相があり、上着が必要なくらい寒かった。街は人でごった返し、ほろ酔いのサラリーマン。おめかしをして、小さなカバンを持ち誰かを待っている可愛い女性。デートだろうか。浮かれた人々を避けながら、ひよこさんと待ち合わせ場所へと向かう。 僕もあんな子とデートがしたいな。これから、あの子みたいな子にも声をかけるのかな。そんなことを思っていた。
2016年4月 東京はまだ背中を丸めるくらい寒かった。 居ても立ってもいられなかった僕は新幹線の切符を買い、高田馬場へと足を運んでいた。 街は完全に週末の雰囲気。 おしゃれで垢抜けた若者たちで行き交っていた。 そんな東京の街に馴染んでるつもりだったが、東京人から見ると田舎からきたと判断するのは容易だった。 一応は整えた髪。黒縁のメガネ。サイズの合っていないジャケットに、高校生の時に買ったベージュのチノパン。足は馴染んでいない赤いレッドウイン
これは最後のチャンスだ。先に進めば、もう戻れない。青い薬を飲めば、お話は終わる。君はベッドで目を覚ます。好きなようにすればいい。赤い薬を飲めば、君は不思議の国にとどまり、私がウサギの穴の奥底を見せてあげよう シャン「うりゃおい!うりゃおい!うりゃおい!」 以下(シャン→シ) シ「ウッ、ハッ、ウッハッハ!」 シ「みおみおファイアーー!!!!」 あの頃の僕は、仮想現実の世界で生きていた。そう……。マトリックスの世界の住人だった。ただ無思考にサイリウムをぶん回わす、しがないドル