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マトリックスかリアルか

これは最後のチャンスだ。先に進めば、もう戻れない。
青い薬を飲めば、お話は終わる。君はベッドで目を覚ます。
好きなようにすればいい。赤い薬を飲めば、君は不思議の
国にとどまり、私がウサギの穴の奥底を見せてあげよう








シャン「うりゃおい!うりゃおい!うりゃおい!」
以下(シャン→シ)
シ「ウッ、ハッ、ウッハッハ!」
シ「みおみおファイアーー!!!!」

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あの頃の僕は、仮想現実の世界で生きていた。そう……。マトリックスの世界の住人だった。ただ無思考にサイリウムをぶん回わす、しがないドルオタがそこには居た。
運営に創られた仮想現実…アイドルを媒介して日々の労働力の対価を吸い取られていた一人の童貞が確かに存在していた。





時は遡る事、2014年

僕がまだ童貞で社畜の頃である。
中学生のときからミクシィやグリーに手を出し、彼女を作って童貞を卒業しようとしたが、思うようにいかず、童貞のまま19歳を迎えていた。

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(中学生、高校生と彼女が出来にくい隠キャラだったので、外部に可能性を見出していた。まぁむっつりすけべだったのである。高校生の時は1日4回毎日オナニーしていた。一応ミクシィで彼女はできたが、なかなかやらしてもらえず、ムカついて別れを告げた)

何度挑戦しても童貞を卒業させてくれない、己の運命を呪った。
そしてさらに社畜だった事もあり、童貞+社畜というダブルコンボがさらに心を荒ませた。もうこの時、童貞卒業を諦めかけていた。

(いつまで童貞で、いつまでこの社畜を続ければいいのだろう…)

そんなうだつの上がらない日々を過ごしていたある日の事。
普段はテレビを見ないはずなのだが、その時は何故かリモコンを取り、電源を入れた。

深夜ドラマがやっていた。
【名古屋行き最終列車】
という深夜のローカルドラマだった。
そのドラマでPASSPOというグループの増井みおというアイドルが出演していた。

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一目惚れをした。
多分、本当に心底疲れていたんだと思う。
普段なら画面の奥にいる女に恋なんてしない。しかし当時、就職していた会社は漆黒のブラック企業。
考える力さえも奪われていた。

※人間は疲れていると正常な思考判断が出来なくなるので、疲れている方はまずは休んでね。


次の月にはライブに足を運び、その次の月には合いの手を、ほぼ完璧にマスターしていた。

うほほほほ。たまたま、好きになった人がアイドルなだけだもんね てへぺろみたいな感じだった。

シ「いや~今日のセトリは最高でしたな!!」
オタとも「それですな!!」
シ「しかし、今日のみおちゃんは最高だった!!」
オ「さこちゃんほうが最高だったお?」

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そんな似たような会話をライブが終わった後に話をして、また次のライブまでに節約するという生活を送っていた。

でもそんなオタク人生を送るなかで、大人から厳しい現実を徹底的に突きつけられていた。
「彼氏が居るにきまってる」
「クラブ通いだ」
「彼氏がいてその彼氏にうんたらかんたら」
「S○Xしまくりだ。」
その他いろんなことを言われる。


正直、そんなこと頭ではわかっていた。でも見たくなかった。そんな不都合な現実なんて。いつかは解散したりもするし、付き合うことなんてまずないし、彼氏もいる可能性はあることくらい……。
でも今の自分を生かしているのはこの活動なんだと。なんでもない白と黒のクソみたいな世界に彩りを与えてくれたのはアイドルなんだと本気で思ってた。
しかし、ライブ終わりに襲ってくる虚無感。なにかリアルではない感覚。
そんな違和感は日に日に強くなっていった。

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そして、2014年9月衝撃的ニュースを目にする。
【PASSPO☆奥仲麻琴卒業】
絶対的エースの卒業の知らせだった。
迷いもなく、卒業ライブに参加する。
2015年の年始だった。これが今振り返ると最後の現場だった。
そしてこの卒業ライブが終わり、なにか自分のなかで日に日に強くなっていた違和感と向き合うようになった。

僕の推しは増井みおだが、奥仲麻琴も卒業したし、いい機会だ。ここでオタ卒するのもいいかもしれないなぁと、ぼんやり考えるようにもなっていた。そうやって、現場には出て行かなくなり、増井みおのブログやツイッターをだらだらと追いかけるくらいにモチベは低下し始めていた。

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そんな迷いを抱きながら2015年の寒くなり初めた頃の事、きっかけは覚えていないが、ナンパンマンさんという人のブログにたどり着く。
多分【童貞 卒業】みたいなワードをググったと思う。

その時、全身に電流が走るような感覚に襲われた。会ったその日にSEXをする女がいるのかと。
とにかく衝撃だった。
(なんなんだ。この世界は一体なにが起こってる?)
食い入るようにツイッターのナンパ師のTLをみた。

そんなTLの中である投稿をみる。
だれかは覚えていない。(多分ナンパイアさん?)
「地下アイドル即」正確な投稿は思い出せないが、アイドルを即ったとの内容だった。

その時はなにがなんだかわからなかった。
ドルオタをしていたあの時間ってなんだったんだ?僕が数万かけても2ショット写真と握手くらいしか出来ないのに、おちんちんをまんこぶち込んでいる男がいると。
しかもそれを1日…いや数時間で…。
そんな絶望の感情と
アイドルも抱けるのかという、かすかな希望が
心の中を渦巻いていた。

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でも絶望のほうが強かった。怖かった。見たくなかった。知りたくもないとも思った。
このまま、現実の女と向き合ったら辛そうだし、会って数時間のうちにSEXする女を身をもって体験したら女を信用できなくなりそうだと思った。(これはその通りだったな笑)
一瞬、なにも見なかった事にして、こんな界隈もあるんだなぁ…。程度におわらそうかなと脳裏をよぎったが、そこで踏みとどまる。



童貞の僕に二つの選択肢を迫られる。
まるでマトリックスの主人公ネオのような気分だった。

このまま、運営が作り上げた仮想現実の中の幸せを生きるのか。
それとも、つらい現実に向き合いながらも、リアルを生きるのか。
赤い薬を飲むのか、青い薬をのむのか。
青い薬を飲めばまたサイリウムをぶん回し、AVで抜きまくる日々が始まる。
赤い薬を飲めば、ナンパの世界に入り、
ストリートへと繰り出し、
本物の女と戦うことになる。

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※マトリックスしらない人すいません。






迷った。
死ぬほど迷った。
怖かった。ストナンなんて、自分に出来るとは思えない。でも、あの日々心の内側から発せられる違和感を無視はできなかった。














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2016年4月
僕は東京の高田馬場にいた。
赤い薬を飲み、リアルを選んだのだ。
ここで初めて生身のナンパ師に出会う事となる。






次回「まーぼーさんとの出会いと渋谷での初陣」



※ドルオタは否定するつもりはありません。
俺を自殺から救ってくれたのもアイドル。
ただ、現実は現実。それを知って違和感を抱くのもよし、趣味は趣味と割り切るのもよし。それは個人の自由だとおもいます。俺はダメだっただけ。


ここまで読んでくれてありがとうございます。
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