エーテル体、アストラル体って何?

■『一般人間学』で戸惑う言葉

『一般人間学』を読み始めると、

・ 霊、魂
・エーテル体、アストラル体
・後アトランティス期

といった言葉が登場し、首をかしげる人が多い。そこでこの記事ではエーテル体について説明する。

■静止したフォルムと流れによるフォルム

最も簡単には、こう考えることができる。
私たちの身体は特定のフォルムを保っている。そしてフォルムを保つという点は何らかの物体、たとえばグラスでも同じである。ところが、この両者には決定的な違いがある。

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グラスではそれを構成している物質(原子)は変化せず一定であるのに対し、人体を構成する物質は代謝によって刻々と変化していく。つまり物質が絶えず流れているのである。それにもかかわらずフォルムが保たれるのは、その流れに何らかの秩序があるからではないだろうか。流れに秩序を与える力によって私たちは自分の形姿を保つことができているのではないか?さらに考えるなら、その流れにおける秩序は物質が持つ力ではないはずで、物質がフォルムの秩序をコントロールしているのではありえない。水をいくら研究しても、川の流れ方は解明できないのと同じである。この物質が持つ諸力よりも高次な秩序体系、人間の形姿を保つに相応しい秩序体系を人間のエーテル体と呼ぶ。

こう考えると、人差し指と中指の指紋ではエーテルの流れがわずかに違うことになる。その違いを現代生物学的な考え方、つまり、DNAの遺伝情報から合成されるタンパク質の違いで説明できるだろうか?こう考えると、ルドルフ・シュタイナーが言うエーテル体を直接に知覚することはできなくても、その存在や働きを想定せざるを得なくなる。エーテル体がないはずはないのである。

■これはエーテル体の働きの一つ

ここに挙げた例はエーテル体の働きの一つである。エーテル体は身体で作用するだけでなく、魂(心)の領域でも重要な働きをしている。そこでも「ある種の秩序を保つ」役割を担っている。

■生命的な働きにはエーテルが関係している

ここでは人間のエーテル体について簡単に触れた。しかし、エーテルは生命活動全般で重要な働きをしている。それゆえ、動物界や植物界でも働いている。つまり、世界にはエーテル的な諸力が満ちていて、その中から人間にふさわしいものだけをセットにしたのが人間のエーテル体である。その意味では犬のエーテル体、あるいはヒマワリのエーテル体という見方をすることができる。
この点は、宇宙には非常に多くの物質があり、その中で人体にふさわしい部分だけをセットにしたものが人間の物質体であることと事情は変わらない。

■エーテル体よりも高次な秩序

エーテル体が物質の流れをコントロールしていると考えると、その流れにはさまざまな種類があることも想定できる。脳形成のためのエーテル力と心臓形成のためのエーテル力は当然ながら違うはずである。

あるいは胎発生を観察すると、特定の時期に特定の形成的力、つまり特定のエーテル的力が作用していることがわかる。

流れをそれぞれ異なった仕方でコントロールするエーテル力がいくつもあり、それが適切な時に適切な場所で活動しているおかげで生命が成り立っていくのである。
物質的にも同様な現象が考えられる。DNAにはその生体に必要な遺伝情報がすべて集約されている。そして、実際に生体が生涯をまっとうするためには、そのDNAの適切な場所が適切な時に発動される必要がある。たとえば、胎児期にだけ必要なヘモグロビンがあり、それが誕生後に作られることはない。

■「いつ、どこで」のアストラル体

数多くあるエーテル的力のどれをいつどこで用いるかをコントロールする諸力も想定せざるを得ない。そして、この諸力をルドルフ・シュタイナーはアストラル的諸力とし、人間用にカスタマイズされたそうした諸力をアストラル体と呼んだ。「アストラル」という語の起源は「星」と関係しているし、さらなる関連を示唆している。

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星に関する何らかの現象に注目しよう。たとえば日の出、日食、スーパームーン、惑星の逆行など何でもよい。ここでは日食を観察するとしよう。その場合には、「いつ」と「どこで」が非常に重要になる。これはアストラル体がエーテル体のどの部分を「いつ」「どこで」発動させるかをコントロールしていることと対応する。

■アストラル体のもう一つの働き

エーテル体やアストラル体を実際に観察できる能力を身に付けると、アストラル体がもう一つ別な重要な働きをしているとされている。感覚知覚の際に外界と自分をつなげる役割を果たしているそうである。知覚の際には、アストラル体が自分から出ていき対象にまで達していることが観察されるという。

そうした観察まではできなくとも、郊外で鳥のさえずりに聞き耳を立てているときなどは、意識が自分には向いておらず、周囲の空間をさまよっている感覚を持つこともあるだろう。

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