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【メモ】戦略的衰退

日本の首相が変わりそうだと聞いて、また政治が不安定な状態になるのかと思うと少し憂鬱な気持ちになる。専念していたのかも定かでないコロナ対策により専念しようとして気力を無くすような宰相であったから、もともと危機の時代には不向きな人が担がれてしまったように思う。

歴史を振りかえれば、危機の時代には政治は盤石になることが多かった。対処する課題が明確な方が、宰相の力量がはっきり分かるからであろう。チャーチルなどもその例だ。まあ、歴史には例外がつきものである。

さて、コロナやアフガニスタン情勢、米中対立などグローバルな課題が山積しているなかで、日本はお祭りを開くだけ開いて一寸先は闇という状況になるのである。

日本の将来を考えると、私見でありかつ共通の認識であれと願うばかりであるが、悲観的な観測しか出てこない。むしろ、戦後から90年代に至るまでが順調すぎたのである。日本が若くて成長・拡大していく時代だった。しかしそれは戦略的成長とは言えないものだっただろう。成長はバブルで極大値を取って、衰退・縮小の時代に入っていってしまったのである。

衰退の時代に入ってはや30年である。失われた10年/20年という表現はもはやどこが起点でどこが終点なのかもわからないぼんやりとした言葉に成り下がってしまった。

これからの日本、どうやって成長すべきか。これは愚問ではないだろうか。むしろ問うべきは、どうやって上手に衰退していくべきかということである。

人口は減少し、その内訳も若さに欠けたものになっていくことが明らかな今、かつての栄光は二度と手の届かないものになりつつある。過去への回帰を命題にするのではなく、衰退を見越した戦略を考える必要がある。

何も、衰退が悪いことだと言うつもりはない。無理してつま先立ちしているほうがツラいと言っているに過ぎない。身の丈にあった国のありかたを考えるべきでではないだろうか。


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