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人生をかけてエネルギー問題解決に貢献する #1 – 電池開発エンジニアからのキャリアチェンジ

シュナイダーエレクトリックで活躍する社員を取り上げ、その人の働く価値観・キャリア、そして人を通じてシュナイダーの事業・カルチャーに迫る本シリーズ。今回は、サービス事業部 営業・マーケティング部長 の榎本武史さんにお話を伺いました。どんな思いを持つ人がシュナイダーでキャリアを積んでいるのか気になる方、是非ご覧ください!



自己紹介

新卒で日系電機メーカーに入社。エンジニアとして電池開発に携わった後、MBA取得のため渡仏。帰国後、同社においてM&Aに携わる。2023年1月にシュナイダーエレクトリックに入社し、現在、サービス事業部のマーケティング部門と営業部門を統括。


エンジニアとしてのキャリアの歩み


榎本さんは、もともとエネルギー問題を解決したいという想いがあったということですが、いつから、そして何がきっかけだったのでしょう?

明確にいつから、というのは覚えていませんが、小さい頃に中東での資源争いを知ったり、当時20年後には石油が枯渇するなどと騒がれていたことに影響を受けていると思います。当時からエネルギー不足は戦争を引き起こすほどのものである、また化石燃料はいつかは枯渇するという危機感を持っていました。それもあり、漠然とではありますが、将来は仕事を通じてエネルギー問題の解決に貢献したいという気持ちがあったのだと思います。

学生時代は電池の研究をされていたということですが、なぜ電池だったのでしょう?

エネルギーは「作る・貯める・使う」と3つに分けて考えることができますが、「貯める」ところがまだ難しいということと、電気自動車の需要が増えるということが当時注目されていたので、電池の研究に進みました。

ただ、最初から電池の研究をしようと思っていた訳ではなく、高校生の頃は石油を必要とせず二酸化炭素を排出しない将来のクリーンエネルギーとして、核融合発電に注目しており、有名な核融合の研究室がある大学に進学しました。入学直後にその有名な研究室の教授に、「核融合の勉強をしたいんですけど」と相談に行ったのですが、その教授に「君が生きている間には実現しないよ」と言われて。それでも勉強する道もあったのですが、自分の人生のモチベーションとして保ちきれないのではと思い、研究室を選ぶ大学3年生の時に電池の研究に進むことにしました。

余談ですが、昨年偶然その教授にお会いしました。今では核融合のベンチャーを立ち上げて、その大学発のベンチャーとしても最大規模の会社に育てていらっしゃり、自分はやるんかい!って心の中でつっこんじゃいました(笑)

そんなことがあったのですね(笑)その後、日本の大手電機メーカーに入社されます。エネルギー問題の解決に向け様々な企業がある中で、なぜその企業を就職先に選んだのでしょう?

私が入社する直前に、その会社で企業再編が行われ、電池事業に加えて、太陽光電池、燃料電池、さらには住宅関連事業も取り込み、この領域においてトータルエネルギーソリューションを提供できる会社が誕生すると思い、入社を決めました。
入社後はハードウェアの開発に従事していましたが、根底には、やはりエネルギー問題を解決したいという想いがあったので、ただ電池の研究開発だけを続けるのではなく、ゆくゆくはソリューション事業に関わりたい、もしくは自分が事業を立ち上げる主体になりたいという想いが徐々に沸き上がり始めたのです。

それほどまでに榎本さんを掻き立てる原動力は一体?

エネルギー問題を解決したい・エネルギーソリューションに関わる役割を担いたいという、一貫した想いです。当時私は電気自動車向けの電池開発を担う事業部にいたのですが、大企業だったこともあり、全体を俯瞰して見ることが難しく、会社全体として何が起こっているか分からない。そして、やりたいことを実現するには、単に技術者としてではなく、ビジネスを分かっていないといけない、と考えるようになりました。MBA留学を目指したのもその頃です。

経営マネジメントへのキャリアチェンジ

エンジニアから経営マネジメントにキャリアをシフトされる方はそう多くないと思いますが、どのような想いがあったのでしょう?

はい、周りを見渡してもそこまで多くはないと思います。私自身は、最初の入り口こそエンジニアでしたが、電池を開発することがゴールではありませんでした。繰り返しになりますが、エネルギー問題を解決したいという自分自身のモチベーションの源泉と現実とのギャップが自分自身に重くのしかかっていて、このままだと自分の人生の目的は達成できないのではという危機感がありました。こうした想いが背景にあったことが、会社のサポートを得て、MBAを取得するために渡仏するというアクションにつながりました。

電池開発のエンジニアとして榎本さんご自身を成長させたエピソードを教えてください。

私がいた事業部は、成長産業であり事業拡大の真っただ中で、会社中のリソースが集中していました。当時はそこまで有名では無かったのですが、今や世界大手の米国の電気自動車会社との共同開発プロジェクトにも携わっており、それはめちゃくちゃ面白かったです。日本メーカーの多くが、今ある技術をベースに、そこから順番に新しい技術を導入して技術革新をしていくという考えの一方で、協業していた電気自動車会社の思想は、最初からロジカルに究極の理想の設計を追い求めてくるようなアプローチでした。この理想の設計を達成するためにはどうするのか、ということを常に問われ続けている感じでした。
私たちはモノを世に出す責任者として、確証された技術に基づくモノしか出したくない。なぜならば、何かあったら会社としての信頼が一気に失われる。ただ、その協業先から対極の観点が示されることで、両方の視点から検討が進み、開発のスピードが格段に速くなっていると感じていました。そんな環境でしたので、自分自身のエンジニアとしての知見・経験を積むには、本当にいい場所だったと今でも振り返って思います。

MBA留学中はどのように過ごしていたのでしょう。

ビジネススクールには、クラブ活動という、各業界や企業と学生の間のコネクションを深め、就職活動に活かすという仕組みがあります。当時私は転職は全く考えておらず、他の学生が就職活動に使う時間を有効に活用できたので、どうせならということでエネルギークラブの代表としてチームを運営し、エネルギー企業を学校にお招きして講演を依頼したり、企業訪問の企画などをしていました。

その中でコネクションができたいくつかの企業でインターンシップをしたのですが、その中の1つに欧州のベンチャー企業と日本のエネルギー企業とのマッチングを行うというものがありました。そこで、欧州の先進的なビジネスモデルを持つエネルギー系のベンチャー複数社に対してデューデリジェンスを行ったり、実際にそれらの選ばれたベンチャー企業と日本のエネルギー企業との協業交渉の場の間に入ったりしたのですが、その経験が大変面白かったです。日本で新しい事業を立ち上げるにしても、全てを一から自前で立ち上げるのではなく、狙う産業が盛んな地域にある、先進的な企業と協業することがとても重要だと痛感しました。

また一方で、ビジネススクールのプログラムの中でも、会計、企業財務、金融市場など、一通り体系的に学べたファイナンスがとても面白く、先ほどのインターンシップの経験も含め、帰国前に会社とコミュニケーションをしたところ、帰国後は本社のM&Aの部署に配属になりました。

MBA留学から帰国した後の変化を教えてください。

電池開発エンジニアとしての役割から一転、帰国後はMBAでの学びを活かし、M&Aやベンチャー協業に関する業務に従事しました。それまでの電池開発とは全く異なり、ビジネスを俯瞰して見られるという面白さを実感すると同時に、デューデリジェンスをしたり、経営数値や契約などから多角的に会社の価値を検証するという経験を通じてビジネスへの解像度が上がりました。加えて社内外のステークホルダーを巻き込むプロマネ経験というのは、自分自身のキャリアにおいても非常に有意義でした。

キャリアを積むには申し分ない環境だったのではと思います。なぜ転職に踏み切ったのでしょう?

はい、M&Aの仕事は、本当に楽しかったですし、自分としてもめちゃくちゃ成長したと思います。ですので、それ自体には不満は全くなかったどころか、寧ろ本当にありがたい機会をいただけたと、今でも思っています。ただそれでも、元来自分の中にある「エネルギー問題の解決に貢献したい」という想いに応えられていなかったのも事実でした。いくつかのM&Aプロジェクトにも従事しましたが、自分の想いに近いエネルギーソリューションに関連するプロジェクトに関わる機会が限られていたことと、もっとエネルギー問題の解決に踏み込んだビジネスに携わりたいという想いが強くなったことが、会社を去る決断をした大きな理由です。

次の活躍の場としてシュナイダーを選択した理由


榎本さんとシュナイダーエレクトリックとの出会いを教えてください。

元々シュナイダーの社名は知っていました。MBA留学先にフランスを選んだのは、欧州あるいはフランスは、エネルギーに関する施策が進んでいる・先進企業が数多く存在する地域だという理由からでしたし、その先進企業の一つとしてシュナイダーのことを認知していました。留学中、フランスで開催された展示会にも足を運び、そこでシュナイダーの社員と会う機会もありました。また、帰国後にM&A業務に従事していた際も、シュナイダーは世界的にもM&Aを上手くやっている会社としてベンチマークしておりました。そんな経緯で、元々シュナイダーという会社を認知した状態から、シュナイダーで働く方々と複数会うことで様々な情報を手繰り寄せ、会社の理解を深めていきました。

シュナイダー入社の決め手は何だったのでしょう?

前職を辞めて転職する際、当初はエネルギー系のベンチャー企業に行くつもりでした。ベンチャーなので、企業規模は今はそこまでは大きくないかもしれませんが、その会社の中で大きな役割を果たせるのではと思ったからです。
ただ一方で私は、死ぬまでに自分が世の中にどれだけ貢献できるのか、という観点で人生を時間軸で捉えることが大事だと考えています。その時々で、自分がどれだけパフォーマンスを出し、また将来にわたり、そのパフォーマンスをどれだけ上げ、役割をどれだけ拡大していけるのか。その中で、世の中への貢献の面積を最大化したいと常々考えています。その観点からキャリアを考えた際に、社会への影響度つまりインパクトが大きい・影響範囲が広い企業において、より大きな役割を担うことが自分の世の中への貢献を最大化することにつながると考え、シュナイダーを次のキャリアの場として選択しました。
(続く)


次回記事では、榎本さんが所属するサービス事業部のビジネスをリカーリングモデルとの紐づきでお伝えします。シュナイダーって、どのようにビジネスを展開しているの?それを実現させる所以って何?疑問に思う方、是非ご覧ください!


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