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【読書感想文】捜し物屋まやま

'23.12.16読了

著者:木原音瀬
出版:集英社
紹介ページ(集英社):


あらすじ
天涯孤独で無職の三井は、放火に遭い家が全焼。途方に暮れていたところ、"捜し物屋"を営む間山和樹に助けられる。和樹は喋れないイケメンの弟・白雄と一緒に、客の失くし物を「占い」で捜す仕事をしているらしい。彼らの知り合いの弁護士・徳広の力を借りて生活を立て直す三井だったが、偶然、放火犯らしき男をみかけ......。ちょっと不思議で怖くて愉快。四人(と一匹)のドタバタ事件簿!


表紙と帯でつい買ってしまいました。
帯には、「オカルトで、コメディで、シリアスで、ブロマンス!?!」という煽りがありまして、へぇと思っている内に全3巻購入していました。

1巻は短編集でした。
天涯孤独で焼きだされた三井さんの登場、徳広さん達と行く愉快で殺害未遂事件キャンプ、過去の同級生のトラウマと白雄との子ども時代を思い出しながらセクハラ作家の告発騒動、はしかに罹った白雄だ病床で思い出す子ども時代などなど、情報盛り沢山の内容でした。
一気にキャラが増えていくのですが、どのキャラも個性が強く読んでいて分からなくなるなんということもありませんでした。

焼きだされたことを機に世界がどんどん広がっていく三井さんは、家は失いましたが良かったと思います。
ご逝去されているお母さんも安心ですね。
それに対応するように白雄の世界はどこまでも狭く描かれています。
義兄の和樹、義父母、職場の人程度の人間関係です。
徳広さんや三井さんも兄の和樹がいるなら関わるといった狭さです。
第3話、4話で白雄の能力や性格がハッキリと分かります。
純粋に性格が悪い。色々理由はあるけれども性格が悪い。
陽気なようで繊細な兄と比べて神経質だけど図太い弟です。

オカルト系が好きで、ブロマンス(一方の思い重め)が好きな人は楽しいと思います。
あと、猫ちゃん可愛いです。

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