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学校統廃合問題

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#教育委員会

【vol.10】教育委員会制度改革と学校統廃合

【vol.10】教育委員会制度改革と学校統廃合

 前回は、市町村合併と学校統廃合の関係について紹介しました。(【vol.9】市町村合併と学校統廃合の関係は?私たちは何を失って、これからどうすればいいのか)

 福山市で無理な学校統廃合が行われている理由を探るにあたり、市町村合併の影響とともに考えなければならないこととして、「教育委員会制度改革」による影響があります。今回は、「教育委員会制度改革」の経緯を確認したのち、福山市学校統廃合の動きにどの

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【vol.7】子どもたちが育つ場を模索する内海町に対して、福山市教委は何を行おうとしているのか

【vol.7】子どもたちが育つ場を模索する内海町に対して、福山市教委は何を行おうとしているのか

◆はじめに これまで、福山市で進められてきた学校統廃合計画について紹介してきました(【vol.4】福山市「学校再編」の動き)。前々回の【vol.5】(福山市教委はなぜ山野の学校を統廃合しようとするのか)、前回の【vol.6】(日本の特認校制度と福山市の制度運用)では、福山市北部の事例を紹介してきました。

 今回は、福山市内海(うつみ)・沼隈(ぬまくま)地区の学校統廃合計画を見ていきます。

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【vol.5】福山市教委はなぜ山野の学校を統廃合しようとするのか

【vol.5】福山市教委はなぜ山野の学校を統廃合しようとするのか

◆はじめに 福山市教委は、2015年に『福山市学校規模・学校配置の適正化計画(第一要件)』を公表しました(「vol.4 福山市『学校再編』の動き」) 。

 山野・広瀬小中学校は、「再編による適正化を進める方向で速やかに地域との協議に入」る、“第一要件”の段階だとされた、6小学校・3中学校に含まれます。この計画が公表されると、山野・広瀬両学区から反対の声が上がりました。

 広瀬学区では、2019

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【vol.3】学校統廃合を決める権限のありか

【vol.3】学校統廃合を決める権限のありか

◆はじめに・児童数が減ったら統廃合をしなければならない?
 そもそも日本には、法律で定められた児童数・生徒数やクラス数を下回れば必ず学校を統廃合しなければならない、という規定は存在しません。

 小中学校のクラス数の「標準」を示しているのは、学校教育法施行規則です。小中学校ともに12~18学級、つまり小学校では1学年につき2~3クラス、中学校では1学年につき4~6クラスが標準とされていますが、地域

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