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ウーマンリブ(死語)をテーマにした映画「トッツィー」の好きなシーンを並べてみたら、余計に好きになってしまった。

映画界を揺るがすあのヒット作「E.T.」が生まれたのと同じ年、映画ファンから愛されてやまない傑作がもう1本誕生しています。ダスティン・ホフマン演じる売れない役者がが女装して当たり役をつかんだはいいが、女性として生きることに四苦八苦する様を描いたコメディー映画「トッツィー」です。

この映画、まだまだ男尊女卑がまかり通っていた80年代初期の作品とあって、ウーマンリブ(死語)というテーマはやや古くさい。でも、名作というのは時代を超えてその魅力を放ち続けるもの。ためしに好きなシーンをいくつか並べてみたら、好きが止まらなくなってしまった!

ダスティン・ホフマンが若くて細くてイケメン

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[ シーン:オープニング ]
オープニングのシーンはダスティン・ホフマン演じる主人公マイケル・ドーシーが「演技学校の先生」で生計を立てている「売れない役者」で、その理由は「融通がきかない天才肌」だからという設定がじつにさりげなく説明されている!当時のダスティン・ホフマンは40代前半の計算だが、ボディは引き締まっていてエネルギッシュ。売れない境遇に憤懣やるかたないといった怒りと焦りがビンビン伝わってくるのがすごい。

不条理演劇に心酔なんかしてるから…?

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[ シーン:序盤 ]
女を口説くマイケルの背後に貼ってあるのはノーベル賞作家サミュエル・ベケットの戯曲「ROCKABY」のポスター。マイケルとジェフ(ビル・マーレイ)の2人が不条理演劇を代表するベケットに心酔しているという性格付け。だから売れない役者&脚本家なんだね!

サプライズのバースデーケーキをよく見ると…?

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[ シーン:序盤 ]
マイケルのサプライズ誕生日パーティーでケーキを運んでくるメガネのおばちゃん。バースデーソングを一生懸命歌ってるもんだから手前のロウソクがちょこちょこ消えちゃってるのが笑える!

天才コメディエンヌ

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[ シーン:序盤 ]
オーディションに失敗して気落ちしている自分をおいて去ってしまうマイケルに対し、「彼もどってくるかしら?」と絶妙な表情。この映画でアカデミー賞にノミネートされたテリー・ガーのコメディエンヌとしての才能が凝縮された名シーン!

本業は役者ですか!?

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[ シーン:序盤 ]
マイケルとエージェントのジョージが丁々発止の舌戦を繰り広げる映画の白眉たるシーン!「トマトは動かないんだよ!」と怒りを爆発させる、この映画の監督にしてジョージ役シドニー・ポラックの芸達者ぶりときたら!本気で喧嘩しているように見えて可笑しくてたまらない2人のやりとりは、その後の展開の絶妙な伏線になっているのがまたすごい。

この必殺スマイルが企画GOサインの決め手?

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[ シーン:序盤 ]
オーディションのためスタジオに訪れたドロシーがディレクターのロンに見せる必殺スマイル!しかしロンは・・・。製作前の段階でこのスマイルがあったからこそ、ホフマン女装によるこの映画の企画がイケると判断されたのでは。

あんたのタマを…

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[ シーン:序盤 ]
ディレクターのロンに一瞥でオーディション不合格にされそうになったドロシーが、男勝りをアピールするために放った名言。迫力にたじたじなロンを演じるダブニー・コールマンのリアクションがGood!!

恋心で美しくなるドロシー

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[ シーン:中盤 ]
ジュリーの家に招待され、グッと関係が近づく予感を感じたドロシー(化粧の下はジュリーへの恋心いっぱいのマイケル)。この辺りからグッとドロシーが本当に綺麗に見えてくるから不思議。はっきりいってこの表情は女として美しい!

いよいよ母性まで…

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[ シーン:中盤 ]
「女」としてジュリーの家族と触れ合ううちに、表面的な仕草だけでなく内面にも変化が生じてくるドロシー。いよいよ母性本能まで?と思わせるなんとも言えない表情を見せる。

おぼつかなくタンデムする乙女

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[ シーン:中盤 ]
「女」としていよいよ堂に入ってきたドロシー。牧歌的な耕運機ドライブでの女らしい仕草もこの通り。もうその表情は完全に「おぼつかなくタンデムする乙女」そのもの。

同居人ビル・マーレイが最高!

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[ シーン:終盤 ]
「このアバズレ!w」すっかり「女」として世間に認知され、男から言い寄られまくるドロシーを見たルームメイトのジェフが、悪ノリしてドロシーに言い放つ痛烈なジョーク。このワンシーンだけ見てもビル・マーレーのキャスティングは大成功!

いい加減な男のいい加減ないいわけ

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[ シーン:終盤 ]
ジュリーといい加減な付き合いを続けるロンを責めるドロシー。ロンとまったく同じ弁解を、マイケルもルームメイトのジェフにしているところが皮肉っぽく使われている。

男同士の友情に発展した腕パンチ

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[ シーン:終盤 ]
ドロシーの正体(マイケル)がバレた後、ドロシーに本気で惚れていたジュリーのお父さん(チャールズ・ダーニング)とマイケルの気まずい会話がつづく。でもこのお父さんったらほんっとに気のいいひとで、許しちゃうんだよね。で、最後は気持よく「コイツめ!」と腕パンチ。大好きなシーンです。

他にも名シーンは山ほど!

ここで紹介した名シーンはごくごく一部。映画史に残る名作「トッツィー」には少なく見積もっても5分に1度の頻度で名シーンが訪れます。


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