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CMからシャレード(間接表現)のうまい使い方を盗んじゃう

シナリオ・センターの新井です。
アメリカンエクスプレスカードのCMを観て、「あ、シャレードがステキですねぇ」と思ったので、取り上げてみたいと思います。

シャレードというのは、映像描写を使って間接的に、人間関係や状況などを伝える表現技術です。
アメリカンエクスプレスカードのTVCM「やっと会えた」編をご覧ください。

久々に会えた家族。お孫さんに初めて会う、おいじちゃんとおばあちゃん。
孫は、おじいちゃんには、ちょっと懐いてない様子です。そこもシャレードで表現しています。

おばあちゃんが抱っこしているのにも関わらず、おじいちゃんが、手を握ろうとすると、お孫さんに手を引っ込められてしまいます。

この描写で、お孫さんとおじいちゃんお距離感が伝わってきます。これが、シャレードです。

で、このCMがうまいのは、最後のシーン。
お孫さんが、おじいちゃんの手を離さなくなります。すっかり、仲の良い関係性が出来上がった様子です。
これも、シャレード。

お孫さんとおじいちゃんとの距離感を、手を握る、握らないというシャレードで表現しています。
何気ない表現ですが、とてもうまいと思います。映画だったら、わざわざセリフにしない部分でしょうか。

ちなみに、たった30秒ですが、構成的にも、
手を握らない

手を握る

へと変化させる部分もうまいですよね。
その変化を、アメリカンエクスプレスカードが作ったんだよ、ということが伝わってきます。

ぼくの書いた書籍『いきなり効果が上がるPR動画の作り方』では、このパターンを、商品間接型と呼んでいます。
商品そのものが前面に出るわけではないけれど、商品のようさが伝わるCMです。
ドラマ仕立てにしたときに、効果を発揮する型と言えます。

こんなふうに、シナリオの技術は、CMやPR動画にも使えます。企業内でも、動画活用の重要性は高まっていると思います。興味のある方はぜひ、いろいろな動画を見て、分析してみてください。

分析のお供に、『いきなり効果が上がるPR動画の作り方』もどうぞ。

本格的に、シナリオの技術を学びたい方は、シナリオ・センターの基礎講座もどうぞ!
シナリオ・センターのあらいでした。

シナリオ・センターは、1970年に優秀なシナリオライター・脚本家、プロデューサー、ディレクターの養成を目的に、新井一が設立。
ジェームス三木さん、内館牧子さん、岡田惠和さんなど700名以上の脚本家、小説家を輩出する学校です。「日本中の人にシナリオを書いてもらいたい」と思って51年目。

シャレードについて書いたっぽい記事です。覚えてない。

動画にもしています。

シナリオ・センターは『日本中の人にシナリオをかいてもらいたい』と1970年にシナリオ講座を開始。子ども向けキッズシナリオも展開中。アシスト、お願いします!! https://www.scenario.co.jp/project/kids_assist/index.html