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『さらば青春の光』他、UKユースカルチャーが好きになる映画5つ選んでみた

イギリスが好き。なので、イギリス映画も好き。ブリティッシュユースカルチャーが、明日から気になってしょうがなくなる映画を5つだけど、選んでみました!

映画『さらば青春の光』のデジタルリマスター版の上映を今まで知らなかった自分ですが……
こんな日々こそ、「We are the mods!」と叫びたい!

これを観ずに街を歩けるのかい?
『さらば青春の光』(1979)

イギリスのユースカルチャーを語るなら、欠かせない作品。The Who『Quadrophenia』というロックオペラを基にした作品。

「みんな、アルバムって覚えてるかい?」って今は亡きプリンスはつぶやいたけれど、コンセプトアルバムという概念がいかに尊いものかを再認識させてくれるという意味でも意義深い作品。

ただ、モッズの文脈で言うと、The Whoはロジャー以外はモッドではないという見方もあるよね。というのはさておき、クールとは何か、について感じたいなら文句なしでオススメです!

『さらば青春の光』も観ずに、くるぶしを出したスキニーパンツをはいている人はご用心。ファッションモッズってのは一番ダサいんぜ。

みんなで「ベルボーイ!!」って叫ぼう!

ユースカルチャーの日の出を感じる
『ナック』(1965年)

ドラマの内容は忘れちゃったけど、ベッドだがなんだかをキャッキャ言いながら運ぶシーンがあるんです。ここで、「モッズめ」と、一般のおじさんが憎々しげにいうシーンがあるんですよ!

いまでは10代の子たちが生み出すユースカルチャーというのは一般的ですが、『ユースカルチャー』はいわゆる世界的なベビーブームがきっかけで1960年から始まるわけです。
なので、古い世代と新しい世代の対立が何気に出ていて、ぼくなんかにはグッとくるワンシーン。

そういう雰囲気はまさに『さらば青春の光』の中で、主人公のジミーと父親の会話でも出てますよね。
The Whoの『My Generation』とか『Kids are Alright』とかの名曲の背景につながるわけですな。

ちなみに、監督はビートルズの映画『ヤア・ヤア・ヤア(A Harde Day’s Night)』でもおなじみのリチャード・レスター。

映画『ヤア・ヤア・ヤア(A Harde Day’s Night)』のなかで、「あなたはモッズか、それともロッカーズか」、と問われたリンゴが「モッカー」と答えたのは有名なお話。『ナック』とのつながりを感じますね!(ぼくだけか)

余談ですが、リンゴ・スターは、1968年の『CANDY』というコケティッシュな映画にも出演してます。なぜ出演したいと思ったのか、なぞ。

『ナック』が好きな人は、ゴダールの『はなればなれに』も好きなはず。車はシムカに乗りたくなります。
ちなみに、この映画が大好きで自分の会社名にしているのが、あのタランティーノ監督。
ぼくもゴダール作品の中で一番好き!

コックニー訛りがしびれる
『マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっ飛ばせ!』(2019)

ここまで60年代の映画を紹介してきましたが、60年代のブリティッシュユースカルチャーを映画から楽しみたいなら『マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっ飛ばせ!』。

この映画は、マイケル・ケインが半ドキュメンタリー的に60年代のカルチャーシーンを語ってくれます。しかも、コックニー訛りで!!

ぼくは20代に2回、各2ヶ月ずつイギリスにいっているのだけれど、英語が喋れるようになりたいというよりも、コックニー訛りをマスターしたいと思って遊学。でも、よく考えたら、発音の違いがわかるほど英語を理解していなかったから、マスターもくそもなかったけれど、語学学校はAbbey Roadに近いという理由で選んでいました。

コックニー訛りっているのは、日本でいう江戸弁みたいな感じでしょうか。そんなマイケル・ケインのコックニー訛りが必聴の映画です!

キッズの心を癒すのはいつだって音楽!
『ノーザン・ソウル』(2014)

1974年のイングランド北部の街でくすぶる少年が、ノーザン・ソウルという音楽ジャンルにのめり込んでいく話。

ぼくは1980年生まれなので、まったくリアルタイムではないけれど、日本ではThe Jamの後期、The Style Councilという形で、ポール・ウェラー兄貴のおかげで触れることができたのがノーザンソウルなのかな、と。

おもしろいのが、ノーザンソウルというのは、50~60年代のアメリカ南部のソウルやR&Bのレアトラックを、イギリス北部の若者たちがこぞって聴きあさり、クラブで踊っていたというかなりディープなカルチャーだということ。

これって、60年代のリバプールと同じ構造ですよね。マージービートが生まれた背景も、アメリカ軍の船から運ばれたブルースのレコードやソウルのレコードなわけだから。

つまり、アメリカ南部の音楽がなければ、The BeatlesもThe Rolling Stonesも生まれなかったわけです。

映画や音楽のカルチャーを巡っていくと、人種差別っていうものが、いかにクールじゃないかがわかりますね。だって、みんな影響しあっているし、刺激を受けあって生きているのだから。

政治が越えられない壁を、リズムとメロディにのって、軽快なステップで越えていくのが音楽の力なんだぜって、改めて感じるわけです。

上のコメントを書いてたら、猛烈に『永遠のモータウン』を観てほしくなってので、アメリカのモータウンのドキュメンタリーだけど、追加!
https://eiga.com/movie/52188/

『ノーザン・ソウル』については、このnoteさんに詳しく書いてあった!↓

デートするならブライトンへ
『小さな恋のメロディ』(1971)

最後はほっこりと、『小さな恋のメロディ』を紹介。幼いダニエルとメロディのめちゃくちゃステキな恋の物語。ブランキージェットシティが「『小さな恋のメロディ』って映画を観たことがないなら、早く見た方がいいぜ」と歌い出すのもうなずけますね。

60年代ユースカルチャーではないけれど、勘のいい人ならわかるはず。ダニエルとメロディが学校をさぼって出かけるのが、ブライトンの遊園地。
そう!ブライトンといえば、『さらば青春の光』で、モッズ対ロッカーズが抗争をする、あのブライトン

この二つの映画に影響されて、ぼくも行きましたよ。ブライトン。
3月の海辺はクッソ寒かったし、帰りのバスが動かないとかいいだして、めっちゃ焦ったけれど、語学学校をさぼって、モッズコート着ていったから、気分はダニエル×ジミー。ぼくの青春の光。


ひとつでも気になったのがあったら、「スキ」お願いします。この偏愛は、ひとに届くタイプなのか知りたい……
いずれにせよ、UKが好きになる恋愛映画とか、UKが好きになる労働者階級が舞台の映画とか、UKのおじさんたちが愛くるしく感じる映画とか、フットボールが好きなイギリスの人たちが好きになる映画とかも選んでみようかな。


60 年代をクールに知ることができるステキな本↓

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おまえ誰やねん?という方は、大したモノではございませんが、こちら。


映画については、こんな感じのも書いてみました。

シナリオ・センターの柏田さんがケン・ローチ監督の『家族を想うとき』にもついて書いてます。

シナリオ・センターは、1970年からシナリオ(脚本)、小説を書きたい方向けに講座をして50年。ジェームス三木さん、内館牧子さん、岡田惠和さんなど600名以上の脚本家、小説家が誕生しています。https://www.scenario.co.jp/

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