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「作曲でネタ切れしないためにどうしてますか?」

こんにちは、スキャット後藤です。フリーランスの作曲家です。今日もQ&Aやっていきます。

Q5.
「ネタ切れしないためにインプットをどうしてますか?」

A5.

クリエイターにとって必要なインプット。これがあるからアウトプットできます。いろんな音楽を聞くと、引き出しが増えていきます。

いい音楽つくる人は、良い音楽を沢山知ってる。でも良い音楽を沢山知ってるからと言っていい音楽作れるとは限らない。個性的で良曲を生み出すシンガーソングライター青葉市子さんは、他の人の曲あんまり知らないらしく、そういう人もごく稀にいるんだなーと。想像力でカバーとかそういう事かな?ギター持って自由に音を出してみると発見するもんなのかな?と思ったり。

作曲家という職業をやってるので、毎日のように次から次へと新曲を生み出してます。作曲を仕事にしてすぐに「あー、これから何千曲も書くことになるのか。」と思ったことハッキリ覚えてます。曲数だけじゃなく、いろんな曲調をオーダーされるわけですから、すこしの引き出しではどうにもなりませんね。笑

僕のインプットは、好きな曲を繰り返し何度も聞くことです。好きになると何百回、何千回聞いても飽きないのです。「このフレーズ気持ちいいわー」「この一瞬のコードがたまらんなー」「この音色むっちゃいい」ってのが体に染み込んでるってわけです。曲を作る時の好き嫌いとか、良し悪しを判断する基準にもなってるわけです。

僕はちゃんと音楽の勉強したことありません。楽器を習った事もないですし、誰か師匠や先輩がいるわけでもなく、何度か作曲や理論の本を買ってはみたものの、楽譜がわからないのでいつも2ページ目くらいで挫折、、、どうやって作曲の力をあげてきたかというと、ひたすら自分が好きな曲を聴いて耳に残った感覚で音楽をつくってます。耳コピすらしません(耳コピできないので)。好きな曲を分析できたら、似た曲を作る時にすごく役立つんだろーなーと思いながら、それが不可能なので、今も変わらず、気に入った曲があったら好きなだけ聞きます。感覚で覚えます。聴き込むというよりは、自然と繰り返し聴く感じかな。作曲方法といえば、とりあえずDAWにフレーズ打ち込んで、何度も聞いて気に入らないところを徹底的につぶしていくという方法。耳だけが頼り。いまだにその方法です。

ただ、好きな曲を聴きすぎると影響受けすぎてしまって自分の音楽にならないので、昔はわざと遠ざけてる時期がありました。特に自分が作曲はじめたくなったキッカケの音楽とか、懐かしいものは出来るだけ避けてました。(僕の場合、小室哲哉とか槇原敬之とか。)

自分が絶対に作れないであろう曲ばかり好きになる時期もあって、そういう音楽を聞いてたりしました。案外、こういうのが自分の引き出しになってる部分もあります。プログレとかドラムンベースとか。ある時からどんなオファーでも自分の音にできる自信がついたので、聴くものに引っ張られすぎることは少なくなったので、今は自由に音楽聴いてます。

たまに劇伴の仕事やってますが、サントラはあんまり聴きません。たまにドラマ見て「音楽いいなー」って思うものはありますけど。たぶんあんまり興味ないんだと、、、ちなみにここ数年で見たドラマで音楽が好きだったのは、「カルテット」「リーガル・ハイ」「あまちゃん」「凪のお暇」「コンフィデンスマンJP」「俺のスカート、どこ行った?」とか、そのあたり。他にも好きなものありますけども、普段意識してないのでパっと出てきません...。井筒昭雄さんのサントラは好きなものが多い気がします。ドラマ「モテキ」、「コタキ兄弟の四苦八苦」も好きで、たぶん映像に合わせて劇伴作ってるんですよね。テレビドラマでは珍しいですね。あと「dele」ってドラマだったかな?こういう方向性でくるのか、、、岩崎太整さんの音楽すごい!って思いました。(モテキも岩崎さん)

音楽聞いて「すごい!」ってことよりは、「その音楽をつけることでこんな効果が生まれるんだ、、、」って部分が僕のインプット。「このタイミングでこの音で音楽はじまるんだ」とか、音楽だけ聴いた時の完成度だけではなく。すごくシンプルな曲でも効果的で素晴らしいものたくさんあるので。まぁ、このあたりは研究というよりは、たまたまドラマを見てて、その場で感じてインプットになったってとこでしょうか。ドラマはあんまり見なくて、バラエティ番組とか旅番組をよく見てます。選曲に関しては、無意識に意識的に聴いてるようです。「なぜこの曲を選んだんだろ?」って思うことが多くて、ずっと考えてることもあったり。そんな感じなので、「さぁ、研究しよう!」ってならないんです、僕の場合。菅野よう子さんのサントラは好きで買いまくって聞いてましたけども、アニメはほとんど見たことないです。そういうパターンもあります。

インプットは、その時々気になった、好きになったものを聴くだけ。「最近の若い人たちはどんなの聴いてるんだろ?」ってわざわざ勉強のために音楽を聴くこともないです。たまたま興味わいたら聴きますけど。「今」を反映させた音楽を作ってる人には必要なのかもしれないですけど、僕はそういう意味での新しい音楽は目指してないので。(世の中にない音楽は目指してるけど)いま高1の娘がいるんですけども、音楽が好きでよく聞いてるんですね。その中で気になるものがあったら自分で聴いたりもします。

好きなアーティストをSpotifyで聞いて、その関連アーティストを調べていく。でも、これだと似たようなものばかりになります。誰かがインスタのストーリーズに貼ってるSpotifyのリンクを辿ってみたりもします。ジャケが気になるもの、案外いろいろあるんですよね。その「誰か」は、この人いつもセンスいいなーって思ってる人だったり。趣味のあう友達と情報交換したりもします。たとえば、TOKiMONSTAって人を知ったのは、YouTubeでいろんなアーティストの制作環境を見まくってた時に知りました。他には、アーティストのWikipediaに出てきた名前を検索してみるとか。


インプットって、どうアウトプットするかが大事だと思ってます。ただ単にたくさんの音楽を知ってても意味がないと思ってます。インプットしたものをどの場所でアウトプットするかとか。例えば「鬼滅の刃」の音楽が好きだからといって、鬼滅の刃みたいな作品で似た音楽性のものを作ったらどうなるか?ただの二番煎じで、中身のないものになるなぁ、、、とか。

なので、仕事で作品に関わる時に、似たものからインプットすることはあまりないです。あるとしたら「避ける」ために見てみることはあるかもしれません。他には「刑事ものの音楽」って言われたら「刑事もの」に聞こえる共通項を探すために色々と軽く音楽聴いたりはしますけど、しっかり聴き込むことはないです。必要なのは一番根っこの部分だけ。その部分をインプットしてます。数秒聞いて、頭の中に残るものを大事にしてたりもあります。

僕は歌謡曲とかJ-POPが大好きで、そういうのばっか未だに聞いてます。これって仕事でつくるジャンルとはかけ離れてるのですが、アウトプットするものと違うジャンルのものをインプットしていけば、作るものの幅が広がったり、ネタ切れしないで作り続けられるのかな?と思ってます。世の中にない音楽にもなりやすいです。あくまで僕がつくる場合の話ですけども。劇伴で、トムウェイツみたいなことやったりするのは劇伴を参考にしてないからです。

ということで、
・とにかく好きなものを聴きまくる。
・アウトプットするジャンルと違うものを聴く。


ってのは、僕が自然にやってることかなと思います。音楽のことばかり書きましたけど、実は最近あんまり音楽聞かないのです。ラジオ聞いたり、テレビ見たりばかりです。音楽ばかり聴いてても、作るものの世界は広がらんなーというのも僕がいつも思ってることです。

みなさんのインプット事情も聞いてみたいです。それが僕の引き出しにできる可能性もあるので。脳が刺激されるものって大事ですね。ということで、今日はこれまで!

最後に、、、サークルってのをやってまして、クリエイターのステップアップに必要なことを報告しあったり、知りたいことを質問したりできるスレッドを用意してます。お題を出して曲を作って、みんなでアドバイスしあうとか。珈琲一杯の値段で一ヶ月楽しめるので、ぜひ覗いてみてください!☟

最後まで読んでいただきありがとうございます!質問があればコメントか、TwitterにDMいただければと思います。


スキャット後藤




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スキャット後藤 (作曲家)
「来世ではちゃんとします」「青春高校3年C組」「徳山大五郎を誰が殺したか?(欅坂46)」「俺のダンディスム」など。
www.cutecool.jp

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