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CM音楽は面白い。

こんにちは、スキャット後藤です。フリーランスの作曲家です。

3泊4日で京都に帰省してました。7/2(日)に府民ホール・アルティで開催された「CM音楽の世界~チャリティフェスティバル~カキフェス」に少し出演するためです。元々、お客として観に行こうと思ってたのですが、「じゃ、出てよ!」って言われてステージ上で話すことになりました。

このコンサート、主催はCM音楽の作曲家であり演出家の杜若さん。「さーらりとした梅酒」とか「サカイ、安い」とかエディオンの店内音楽とか、みんなが知ってるCMをいくつも作った人です。特に関西のCM業界では有名で昔「スッキリ」で特集されたりも。杜若さんと知り合ったのは10年くらい前ですが、かなり前から存在は知っていて、実は僕が通ってた塔南高校の先輩でもあります。それだけにお互い親近感があります。

このコンサート、ステージ後方の大画面にCMの映像流して、そのあとに音部分をミュートしたCM映像をループで流す。CMと同じ音楽を生演奏で再現。CM音楽は14秒とか29秒と短いのでコンサート用にロングバージョンになってました。編成は、弦4人管4人、グランドピアノ、フルート、ギター、ベース、キーボード。ドラムは作曲家である杜若さんが演奏。

とにかく全てがすごかった。CM音楽の面白さを再確認しました。トークもかなり多くて、CM音楽制作の裏側とか、ゲストとのトークとかいろいろありました。コンサートの内容についてはあとで触れます。

今は年に数本くらいしかCM音楽作ってない僕ですが、30代の時は「スキャットさんはCM音楽作られてる方です」って紹介されてました。40代になって「ドラマの劇伴の人です」に変わりましたけど。NTTドコモ、丸美屋のりたま、コンピュータ総合学園HAL、日本食研をはじめ、かなり沢山のテレビCMの音楽をつくりました。

今までかなりいろんなジャンルの仕事しましたが、CM音楽やったことが一番スキルが身についたなーと、コンサートでいろいろ聞きながら思い出しました。CM音楽って2〜5秒くらいの印象的なメロディー作れるかどうかがかなりキモになります。企業名や商品名、サービスや企業理念を沢山の人に知ってもらうために企業はCMを作ります。大金使ってテレビやネット上に広告を流します。

歌い込みのCM音楽を作る時の例を書きます。かなり昔、木村佳乃さん出演の丸美屋のりたまのテレビCMの音楽作ったのですが、歌詞が「のりたま、のりたま、のりたまのりのり」をひたすら繰り返す15秒CMでした。商品名を連呼することで視聴者に記憶してもらおうという演出。コンテにはフレーム単位で、どのフレーズがどのタイミングで流れるか書き込まれてます。その縛りがありつつ音楽に落とし込むのが難易度高いけど面白かったです。14秒とか、それ以下の尺をどれだけ有効活用できるかがCM音楽。14秒なんてあっという間ですけども、かなりいろんなことが出来ます。3つくらいの展開なら余裕で作れますから。のりたまの音源は以下に音源アップしてるので、気になった人は聞いてみてください!

https://m.soundcloud.com/scatgoto/cm-1

去年お仕事したKONAMI「パワプロ」CMは、「826」という数字をみんなに知ってもらうためにCM音楽つくりました。「826」は「8/26」ってことで、「8/26はパワプロの日」を伝えるCMです。一度聞くだけで覚えてしまう印象的な「ハチニーロク」のメロディー約2秒の繰り返しを作ることが僕の仕事でした。最初に作ったデモが音楽P、映像PやD、代理店、KONAMIさんに一発で刺さりました。

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