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#8 総理の夫

こんにちは!
今回は、久しぶりに映画レビューしますね。
今の自分の状況にガツンとくる一作でした。珍しく邦画ですよ~

[あらすじ] 御曹司でありながら、家業とは関係のない鳥の研究に没頭する相馬日和(田中圭)。その妻 凛子(中谷美紀)は、新政党を立ち上げた女性政治家。研究旅行に出る日和に「ねえ、私が総理大臣になったら、日和君に何か不都合なこと、ある?」と声をかけた凛子は、本当に日本初の女性総理大臣になる。国民からも絶大な支持を得るなか、連立を組む大物の裏切りや、凛子の妊娠が発覚し… コミカルでありながら、女性を取り巻く日本の現状を映した一作です。
※原田マハさん原作
スカーレットオリジナル

NHKあさイチに中谷美紀さんが本作のPRで出演していた時から気になっていました。こんなに早くAmazon Prime Videoで見れるようになるとは思っていませんでした!

ぐさりと癒してくれた日和君の言葉

女性総理大臣。前回の自民党総裁選挙で、日本の政治界でも実際にかすりかけましたね。この映画では総理大臣という、とても特別な立場の女性とその夫がテーマですが、我々一般的なワーキングウーマンと家族にも当てはまる内容でした。

少なくとも1か月後に産休突入を控える私はぐっさぐっさと共感しました。

【これは後退なんかじゃない、勇気ある前進だ。
一度羽を休めたらもう飛べないなんて誰が決めた。】

ネタバレになるので場面は伏せますが、夫の日和(ひより)が妻 凛子にかけた言葉です。鳥のことが大好きで、凛子が総理大臣になったことに戸惑いながらも大好きな妻のために献身的にサポートする日和君らしいセリフ。

この言葉は私をハッとさせたと同時に、勇気をくれました。子どもが生まれることは何よりも幸せなことだし、お腹のなかに命を感じて幸福な気持ちになる毎日です。ですが、仕事のことを考え始めると

長く休んでまた仕事モードで毎日を過ごせるのだろうか
またゼロからのスタートになるんじゃないか
そのまま流れで家庭に入ることになるんじゃないか

と不安になってしまいます。

ほんと、20〜30代の体力的にも立場的にも、仕事を1番頑張りたい、頑張れるタイミングに大きなライフイベントが重なってしまうことは、女性にとって悩ましいことですよね。

私は復職できても、新卒22歳時のレベルに、もしくはその時より時間を自由に使えない分、より役立たずになってしまうんじゃないか(=後退)と無意識に心配していた自分に気づきました。
この映画を見て、
「そうじゃなくて、ちょっと休んで、新しいステージに移る。これは前進なんだ」
と気付かされました。

出産に向けて休むために、私たちは業務に区切りをつけたり、何らかの立場から退いたり、手や足を止めたりしなければいけません。それらは不本意なタイミングであることがほとんどです。
でも大小様々あれど、ひとつひとつの決断が勇気ある前進なんですね。

【のけ者にされるなんておかしい】

こちらも日和君の言葉から。私は救われたような気持ちになりました。

つわりが始まり、落ち着いたと思ったら今度はオミクロンの長いピークがあり、以前より出社する機会も激減し、同僚とも顔を合わせないのが当たり前な数か月を過ごしました。大きくなった私のお腹をまだ見ていない同僚は半分以上いると思います。
そんな状況で、私のパフォーマンスに対して「もう一人の身体じゃないからね~」「無理しないでいいよ」と温かい言葉を頂くと、感謝と安心の気持ちになるのと同時に、アウェイ感というか、溝をザクっと掘られたような気持ちにもなります。

ああ、もう妊娠前とは違う領域に立ってるんだな。半年前までは同じ土俵にいたはずなのに…。そんな孤独感を抱えてしまいます。
いや、ほんとはそんな風に受け止める必要はないんですよ。でも、今までに経験したことのない状況を、私が上手く定義できていなかったんです。

子どもを授かることは自分にとっても、社会にとっても嬉しいこと。妊娠したからのけ者にされたんじゃなくて、一時的に特別な役割を担っているだけ。そう思い直しました。


日和君が凛子さんに投げかけた言葉たちのおかげで、今まで私の中でもんやりと言葉にならない状態で浮かんでいた靄(もや)の正体があらわになって、受け止め方を変えることができました。

クスッとしてしまうシーンが多くてコミカルな映画ですが、私にとっては不意打ちでうるっと泣いてしまう作品でした。

美しすぎる中谷美紀さん

あさイチに出演されていた時に一目惚れたんですが、お美しい。こんな48歳になれたら幸せだなあ。
外見的な美貌、透明感はもちろんのこと、聡明で凛として、品格と説得力を感じます。でも程よく脱力して、執着がない。
相馬凛子は中谷美紀さんのために作られた役柄のようにさえ思ってしまいます。

この役を受けるにあたって、世界の女性リーダーを参考に役作りをされたそうです。セリフのなかにもありましたが、世界では政治的なリーダーも含めて女性が産休を取ることは当たり前。
凛子のような日本のリーダーが、先陣を切って家庭とキャリアと自分の人生を創っていく背中を見せて欲しいなあ。原田マハさんもそんなことを思って書かれたのかなあ。と思います。

あと、田中圭さんとのほんわか仲良し夫婦な感じも癒されました。可愛いらしいご夫婦を愛でれるのもこの映画の魅力です。

さいごに

今回は、個人的にタイムリーな心境を交えながらになりましたが、20〜40代の現役世代に見てもらいたいなと思う『総理の夫』をご紹介しました。

これから家族を持つ方にも、
今育児に奮闘している方にも、
私のようにこれから羽を休めようとしている方にも、気軽な気持ちで見ていただきたいです!

もちろん、男性のみなさんにも。

最後までお付き合いありがとうございました!

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