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【組織人のスキルアップ戦略】「狩野モデル」をどんなスキルを勉強すべきかの絞り込みに応用してみる

仕事でマーケティング調査の1ツールである「狩野モデル」を使う機会がありました。

このモデル、商品マーケティングだけでなく、会社で働く人間が「自分が勉強すべきスキル」「そんなに勉強しなくてもいいスキル」を整理する時に応用できる考え方ではないか?と思いつき。ちょっとやってみました。以下はその結論です。

※ちなみに本記事における「狩野モデル」はかなり単純化して応用しているので、正確な知識ではない旨をご了承ください。正確な狩野モデルの論文を知りたい方は以下の別記事をぜひ参考に↓

実際の狩野モデルのプロセスについて

マーケティング調査としては、本来は以下のようなプロセスを採ります。

・自社商品やサービスの顧客アンケートを実施。詳細は割愛しますが、「この商品のこの機能は、これからもあったほうがよいですか」「なくてもよいですか」「ないと困りますか」などと聞いていく。

・アンケート結果を集計し、以下の三つのグループにわけます(本当はもっとありますが、この記事では単純化して以下三つとしています)。

・「あたりまえ」(must-be)グループ:ないと評価が下がるが、あっても「あたりまえだね」としか評価されない機能。みんな積極的に「ほしい!」とは言わないために目立たないが、これをカットすると経営として致命的な失敗になる!
・「満足」(one-dimensional)グループ:ないと評価が下がるが、あればあるほど「これはいいねー!」と評価される機能
・「魅力的」(attractive)グループ:なくても「あたりまえ」として評価は下がらないが、あると「へえ、この商品はこんな機能があるんだ!」と目立って評価される機能。「あたりまえグループ」とちょうど逆。いわゆる「差別化」はここで計られるべき

さて、これを「自己のスキル分析に使える」と私が言っているのは、以下のようなことです。

自分のスキルも会社にとって「あたりまえ」「満足」「魅力的」にわけてみよう!

自分のスキルアップというもの、ひとりよがりになりがちなので、ぜひ、以下のようなプロセスを一度やってみてはいかがでしょう?

・自分が持っているスキルをリストアップする。「これから勉強しようとしているスキル」も加えて構わない
・それぞれのスキルが、今の会社でどれだけ「周りに役立つとみられるか」を書き込んでいく。本当は上司や同僚にアンケートを取りたいところだが、まあこれは自分なりの考察でもよいと思います
それぞれを「あたりまえ」「満足」「魅力的」にグループ分けしていく

例としてプログラマーを挙げてみる

以下、例として、あるプログラマーを想定してあてはめてみましょう。

「あたりまえ」:その会社の商品サービスの開発保守に必要なプログラム言語に精通すること。最新のバージョンにもついていけていること。できても「あたりまえ」として特に評価は上がらないが、これが「できない」と見られるや否や、一気に評価が下がる。
「満足」:その会社で必要なプログラム言語だけでなく、世の中の技術革新一般についてもちゃんと理解できている。できないと「彼って既存の商品の保守にはよいけど、新しいことには投入しても微妙だな」と評価は下がる。逆に、これができればできるほど「彼にはいろいろ任せられていいねー」と評価が上がる
「魅力的」:英語が得意なので、関連する技術のアメリカでの最新ニュースをクリップして解説してくれる、など、「うちの社員にそこまでのスキルはそもそも求めていない」けれども、できる人がいるとなると「え?君、そんなことができるの?ありがたいね!」と喜ばれるスキル

それぞれのグループに対する戦術の立て方

これを詳しくみると、こういう考え方が立てられるはずです。

「あたりまえ」でも「満足」でも「魅力的」でも「ない」スキルには、勉強時間を注がない。やってもいいが、あくまで趣味として勉強すること。よくあるパターンが、ここに力を注いで、「こんなスキルを勉強しました」といざ主張しても、「へえ、そうなんだ。プライベートでも勉強しているなんて偉いねー」といわれて終わり、なパターン。自己満足のための勉強ならそれでもいいんですが。

「あたりまえ」スキルはとにかくレベルが落ちないように努力する。そのかわり、それ以上はがんばりすぎない!

「満足」スキルについては、ここにこそ、惜しみなく勉強時間を投入すべき!このグループにハマったスキルこそ、やればやるほど手応えが得られるでしょう

「魅力的」スキルは、、、実はこれが一番、難しい。手堅い生き方としては、「背伸びせず、魅力的スキルにはあまり力を入れずに『満足』スキルをあげていく」というのが穏当ですが、この魅力的スキルこそ「自分らしさ」が売り出せる領域。ここにある程度の力を注ぎ、「他の社員からひとつ飛び出たジャンル」を作らずに、なんの人生か、という気もする。

結論として「魅力的」グループのスキルをどう考えるかがそのまま生き方の選択でもある

結局、「魅力的」にグルーピングされたものをどこまでやるかは、正解のない、個々人の価値観次第の所といえそうです。ここをどう扱うかで、その人の生き方も決まってくるのではないでしょうか?

ただし注意しなければいけないのは、「魅力的」スキルばかりを勉強していて、「あたりまえ」や「満足」スキルが落ちていく人は、これは確実に周囲からの評価が落ちる、ということです。「そんな尖ったスキルばかりにこだわってないで、オレらの仕事を手伝えよ」というのが周囲の率直な感想でしょうから。

そうなると、オススメの生き方は、「あたりまえ」スキルを手堅くおさえながら、「満足」スキルの勉強に積極的に時間を割き、その上で、プライベートの時間の一部をこっそりと「魅力的」の開拓のために割く、という感じでしょうか?

もちろん、これも私の考え方であって、正解というわけではありません。

※この「狩野モデル」について正確な知識を知りたい方のためのご案内を、別記事として掲載しました!参考にしてください↓



子供の時の私を夜な夜な悩ませてくれた、、、しかし、今は大事な「自分の精神世界の仲間達」となった、夢日記の登場キャラクター達と一緒に、日々、文章の腕、イラストの腕を磨いていきます!ちょっと特異な気質を持ってるらしい私の人生経験が、誰かの人生の励みや参考になれば嬉しいです!