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社長のひとりごと(40)

『入社されたスタッフへの対応』

今も昔も、我々介護の業界は人不足。

コロナ禍の状況下、世の中の有効求人倍率が下がってきたといっても、介護職への応募者はそれほど増えていませんし、もっともっと来て欲しいくらい。

少ないチャンスを活かして、ようやく入ってくださったスタッフさんにはそう簡単に辞めていただきたくはありません。

そんな時に、「どのような対応をしているか」で新人スタッフさんのその後の身の振り方が決まってしまいます。

陥りやすいのが、とにかく人不足の事業所における対応。

管理者は、下手をすると一般のスタッフさんよりも現場稼働をしていて、普段からスタッフに向き合う時間がほとんどない。

というのは単なる言い訳であって、「スタッフに向き合う時間を創り出そうとしない」というのが正解でしょう。

結果、上長にケアされないスタッフの気持ちは組織から離れていって、人不足は更に深刻化します。

そんな環境に新人スタッフが入っても、対応は目に見えています。

入社した初日に玄関を開けると、「誰?」という感じの対応をされる。

下駄箱もロッカーも、自分の場所は用意されておらず、待たされている横で外部の人と電話のやり取りをしている管理者がいる。

ようやく説明を受ける場面になっても、しょっちゅう別の用件で中断されて、オリエンテーションや入社手続きに集中できない。

人が足りないわけですから、資格要件を満たしていれば、とにかくお客様情報に目を通していただいて、すぐに現場に入っていただく。

どんな組織かも分からずに、どんな上長かも分からずに、あとはひたすら「ここ行けますか、あそこ行けますか」と一方的に仕事を押し付けられて日々が過ぎていく。そして、数日後、数週間後、数か月後に退職の意向を聞かされることになる。

定員のある施設と違って、在宅のサービスはご依頼が増えればその分の人員を補わなくては稼働が追いつかなくなります。

新規のご依頼とスタッフの増員は常に追いかけっこです。

上昇気流に乗ったプラス傾向の事業所は、お客様が増えてきたからスタッフを増やそうという流れになります。

ところが下降気味のマイナス傾向の事業所は、スタッフが辞めてしまったので支障が出て、ご依頼を断ったり、既存のお客様を他社へお願いしなくてはならなくなります。結局、人不足になるのは、人不足になるような原因を上長がつくっているから。

きちんとスタッフに向き合う上長がいれば、入って来られるスタッフも定着しますし、一時的に人が不足したとしても、今いるスタッフさんたちが協力してくださります。